5月16日 過去形
明日、バスケサークルに正式に加入することになる。不安や迷いもあるけど、また新しい一歩になればいいなと思っていた。
ー5月15日ー
私 「大丈夫です。マネージャーで」
友家「わかった。じゃあ、今度みんなに紹介するね」
私 「わかりました」
マネージャーといっても何をしたらいいかわからない。むしろいる意味があるのか?
友家「なんかみんなに言っといてほしいことある?」
私 「いや、特に」
友家「そっかぁ」
言ってほしいと言われても。みんなの中に上手くとけこめる自信はなかった。
私 「あっ、でも私彼氏いるんで手を出さないでくださいよ」
友家「ハハハハ。それは、ちゃんと言わないとな」
私 「もちろんです」
守だけには、私のことを信じてもらいたかった。そのためには、サークルとはいえ、あんまり男子と関わりたくないのが本音だった。
友家「近くにいないの?」
私 「はい。遠距離です」
GWが明けて、守は、どんなことをしているのだろうか?野球の試合には出させてもらえているのか。最近、連絡はとっていなかったので近況は知らない。
友家「それは、寂しいな」
私 「いや、寂しくないですよ」
友家「強がって。俺は寂しいな」
相変わらず、この人はイジることが好きだ。私をいじっても何もないのに。
私 「たしか、バスケしている人ですよね?」
友家「ああ。めちゃくちゃ上手いんだよ」
私 「そんなに上手いんですね」
喜早柚月。前に聞いた時、そう言っていた気がする。でも、この名前が本当なら知っているかもしれない。
友家「驚くよ、見たら」
私 「私の友だちも上手い人いますから」
対抗心を燃やした。
友家「どのくらいのレベル?」
私 「全国大会くらいですかね」
たしか、真波は2年の時全国大会に出ていた。
友家「なるほど、それは上手いかもな」
私 「友家さんは、バスケ上手くないんですか?」
顔をしかめた。
友家「うーん、、、、、、、」
少し間があいた。もしかしたら、聞いてはいけない質問だったか?
私 「‥‥‥」
友家「上手かったかな」
私 「過去形ですか?」
友家「怪我とともに、バスケはやめたんだ」
私 「そうだったんですか」
こんな派手なのに、そんな過去があったなんて。相変わらず、人はみかけだけではわからない。




