5月13日 フリースロー対決(終盤)
GW明けの大学は、少し退屈だった。授業が面白くないというよりは、成長しようとしない人もあまり好きじゃなかった。けど、私はここの人たちと一緒じゃいけない。そう心に誓っていた。それは、私の友だちある真波や七海、守たちに次会う時にそう思ってもらえないとこっちに来た意味がないと考えていた。
ー5月10日ー
友家のバスケ技術は、ホンモノだった。ここまで、2本のシュートをきちんと決め、同じサークルの仲間から大きな歓声を浴びていた。一方、私は、緊迫した雰囲気を作り出していた。私は、大きく息を吸い、ボールを掴む。そして、素早くリングに向けボールを放った。ボールは華麗に弧を描いたが入るかわからない。リングのあたりでくるりと回る。そして、急に落ちていく。落ちてきたボールがワンバウンド、ツーバウンドと跳ねていく。さっきまでの声援が一気になくなってしまう。私には応援して、友家には外すような雰囲気になっていた。それが、妙に悔しかった。なんで、そういう雰囲気なのか。私は、応援されて当たり前なのか?まだ今日初めて来たばかりなのに。
友家「惜しいな」
私 「もう少し、右だな」
友家は、ゆっくりとボールをバウンドさせる。そして、軽く伸びをきてボールを放った。一回転したボールは見事にネットをかいくぐっていく。
友家「俺さ、、、、、、」
私 「何?」
友家の目がギラついている。
友家「俺の仲間ディスった罪は重いよ」
私 「は?そんなこと言ってないし」
友家の迫力に私は、押されてしまう。どうしようか、私は。何を言えばいいかわからない。
友家「今なら、謝ったら許してあげるけど?」
私 「なんで謝らなきゃいけないのよ」
友家は、私にボールを投げてきた。ボールの強さに私は押されてしまった。
友家「ほら。やれよ」
私は、友家の熱意に負けじと気合いを込めた。なんで、こんなところで負けなければならいんだ。私ならやれる。自分に言い聞かせた。5本勝負。ここでミスしたらもう負ける。こんなに手が震えたことは初めてだった。ダメだ、いつもの自分じゃない。私は、思い切ってボールを放った。しかし、さっき入ったようなショットとはわずかにズレている気がした。さっきと同じようにボールはそれて落ちてきた。すると、後ろにいた友家が走り出した。走り出す友家を目で追った。ボールをとった友家は、そのまま上へ飛び上がったのだ。




