5月11日 フリースロー対決(先攻)
まさか、ああなるなんてな。私は、昨日の出来事を振り返っていた。あんなことになるなら、最初から友家のところに行かなければよかった。後悔しか残っていなかった。昨日から一夜明け、私はいつものようにバイトに向かっていた。まるで、高校2年生の球技大会以来のような感覚。早く忘れようと必死になっている自分がいた。
ー5月10日ー
友家「フリースローでいい」
私 「私、バスケ部じゃないし」
もう引き返せないな。ここまで来たら。友家も本気になっている気がした。
友家「ハンデあげるから、いい勝負なると思うよ」
私 「なんで、そうなるのよ」
素直に謝った方がよかっただろうか?
友家「俺たちをバカにするなよ」
私 「バカにしたわけじゃないよ」
私の話は気にも止めない様子だった。
友家「じゃあ、いくよ」
私 「ちょっと、、、、」
友家の後ろをついていくことしかできなかった。この後、どうなるかは私にはまったく、想像できなかった。体育館の扉を開けると、様々な部活が練習をしていた。
友家「あそこに行くよ」
私 「わかった」
人数は、少ないけど確かに人はいた。友家が近ずくなり、みんなが挨拶をする。それに応えるように手を上げる。ボールかして!!友家の声とともに、ボールが渡された。
友家「じゃあ、矢田さんは、ここからね」
私 「ここでいいの?」
友家「ああ。俺は、、、、、、、」
友家は、私のところから一歩、二歩と進んでいく。私のところからは、かなり離れている。普通のフリースローより遠いんじゃないかと思う。
私 「そこからでいいの?」
友家「一応バスケ部だしね」
自信があるみたいだ。いくらバスケ部でも、あそこから入るだろうか?
私 「何本勝負?」
友家「じゃあ、5本ね」
私 「わかった」
本当にこんなことをして大丈夫なのだろうか?私は、心配になっていた。
友家「祐美ー」
返事とともに、私たちの方にやってきた。どうやら、この女の子に審判を頼むみたいだった。ボールを受け取った私は、さっき言われた位置に構えた。
私 「ここでいい?」
友家「ああ。いいよ。じゃあ、祐美頼むわ」
どうやら、私は、先攻みたいだ。甲高い返事から、祐美は笛を勢いよくふいたのだった。どうすればいいかわからなかったけど、とりあえずボールをバウンドさせ、シュートの準備に入ったのだ。




