5月3日 旅6
気がつけば、友梨も一緒についてきた。昨日は、日付が変わってもずっと話を続けていた。
私 「本当にいいの?着いてきて?」
友梨「うん。楽しかったらそれでいいんじゃなかった?」
私 「そうだけど」
この言葉は、昔、私がよく使っていた言葉だった。
友梨「なんか楽しいこと起きそうだね」
私 「どんな?」
友梨は、どんなことを期待しているのだろうか?
友梨「んー。わからないけど、ハプニングとか」
私 「そんなの起きたら困るよ」
友梨「ハハハハ。冗談だって」
私たちは、笑い転げていた。
私 「でも、楽しくなればいいよね」
友梨「うん。この車乗れるの感謝してもらわないと」
その通りだ。
私 「ありがとうございます」
友梨が運転してくれるというのに甘えて、私は、友梨の車に乗っていた。
友梨「私さ、ずっと颯希のこと羨ましかったんだよね」
私 「えー、なんで?」
友梨「だって、可愛いし勉強もできるじゃない」
友梨に言われたのは初めてだった。
私 「そんなことないよ。友梨もできるよ」
友梨「やっぱり、颯希ほどストイックにうちこめないんだよね」
私ってストイックなのか?
私 「私もだよ。私は、突き詰めるものもあるけど飽きてしまうのが早いからね」
友梨「でも、すごいよ。今回のGWだって予定あったんでしょ?」
私 「まぁ、一応ね」
それはそうだ。予定を断ってここにいるんだ。
友梨「それを断ってこんなことするなんてスゴイよ」
私 「全然だよ」
友梨「そうかな?」
あんまり、納得はしてそうになかった。
私 「うん。BIG3って知ってる?」
友梨「あっ、なんか聞いたことある。それ」
久しぶりに使った言葉だ。
私 「そこにいる子たちが凄くてさ」
友梨「颯希より?」
私なんて足元にも及ばない。
私 「うん。私より全然すごいよ」
友梨「颯希より凄い人いるんだ」
そんなの世の中見渡せばたくさんいる。
私 「いっぱいいるよ」
友梨「高田真波、篠木七海だっけ?」
私 「うん。よく知ってるね」
車を運転していた友梨は、ハンドルを横に切った。
友梨「聖徳のことはよく聞くよ」
私 「そうなの?」
友梨「うん。高田の友だちと仲良かったから」
そんなに、私たちって有名だったんだ。




