5月2日 旅5
友梨「へぇー。それで旅行に行くことになったんだ」
私 「そうなのよ。面白いでしょ、私?」
友梨「面白すぎるよ」
友梨とは、小学生からの友だちだった。
私 「友梨は、いつから学校始まる?」
友梨「私は、10日からだよ」
私 「そうなんだ」
小学校、中学校は、同じだったが高校からは別れた。私は、聖徳高校に。友梨は、淮南高校に。それぞれ違う道にいったが、私たちの友情は変わらなかった。
友梨「颯希からは、いつから行くの?」
私 「うーん。わかんないかな」
夜ということもあり、少し暖かいコーヒーを持ってきてくれたみたいだ。
友梨「なんで?」
私 「なんか、今すごい楽しくて」
友梨も笑ってくれた。
友梨「あー、旅に出てるのが?」
私 「そうそう」
向井友梨。昔からずっと変わらないのが魅力だった。
友梨「一生懸命、勉強したんだから頑張らないといけないよ」
私 「まぁねー」
友梨は、淮南高校で遠藤や春田たちと仲がいいみたいだ。淮南高校には、何人か知り合いもいたけど、友梨とは、ずっと会っていなかった。
友梨「今、バイトしてるの?」
私 「してるよ。今は、靴屋のバイトしてるよ」
私がバイトしているのは靴屋株式会社という名前の会社が運営しているのだった。
友梨「へぇー。靴屋かぁ。面白そう」
私 「面白いよ。いい先輩もたくさんいて」
バイトのことを思い出してしまうと、いきたくなってしまう。やっぱり、帰らないといけないのかな?
友梨「いいな。私も東京行きたいな」
私 「東京は、遠いからね」
友梨「だよねー」
私は、友梨からもらったコーヒーをゆっくり飲んだ。
私 「群馬には、帰らないの?」
友梨「まぁ、今年はいいかな」
私 「なんでよ?」
もう、群馬には戻りたくないのかな。
友梨「大学生活も満喫したいからね」
私 「なんか、友梨っぽくないね」
友梨は、昔から何かを否定したりすることはなかったから、地元が好きじゃないなんて考えられなかった。時刻を見ると、もう23時。私の旅もいよいよ折り返しを迎えていた。このまま、旅を続けるのも悪くないなと思ってしまった。旅をして5日目の今日は、九州の大学にいった向井友梨の家に泊まっていた。たまたま、連絡をとったら泊めてあげると言われて、とてもありがたかった。




