4月29日 旅2
旅に出た私の2日目は、ネットカフェからだった。私は、手元のパソコンの画面を見つめながら、静かな空間の中で過ごしていた。昨日は、ありがたいことに他の人の声はあまり聞こえずぐっすり寝ることができた。昨日、飛びこみで電車に乗ってしまったから、これで大丈夫かなと思ったけど、勢いのまま電車に乗り、興味があったところで降りた。
今日からどうしようか。行くあてもない。とりあえず、どこに行くか考えてからネットカフェを出ることにした。他のブースにも似たような人がいるのだろうか。ブースから出ると、同じように何かを考えながら集中している人がいることに気がついた。彼らは、ネットの世界に没頭するために、この場所を選んだのだろうか?それとも、私のように、とりあえず安くで泊まれるところを探していたのだろうか?
自分のブースに戻ると、横のブースが騒がしくしていることに気がついた。もしかしたら、他の人が来ているのかもしれない。どうやら、男性二人のようだ。まだ、朝5時ということもあり、眠気は残っていた。しかし、横が気になり、なかなか寝ることができない。すると、そこに店員がやっていることがわかった。注意してくれと心の中で願った。しかし、店員は私たちのブースを通り過ぎていく。一番奥のブースに、料理を渡しに行ったみたいだ。
こんなに騒いでいるのだから、注意してくれてもいいのにと内心思っていた。渡しに行った店員は戻ってくるが、注意することはなく再びカウンターへと戻っていく様子だ。私は、昨日から、寝る場所にしか使っていないことがわかった。とりあえず、ネットで行きたい場所を検索することにした。
私は、横の騒がしさに対する気持ちを沈めて、パソコンの画面を見つめた。私は、自分自身に言い聞かせた。これから、どうするか?横の騒がしさに負けないくらい、カチャカチャというキーボードの音を出していく。その音に負けないくらいの騒がしさはあったが、入力をしていると少しは気も紛れてくる。私は、手を動かしながら、「一人旅 ランキング」と検索をかけたのだった。
こんなにあるのか。下を見ていくと数え切れないくらいある。私は、上からひとつひとつの記事を見ていく。どれも綺麗な景色や観光地が載せられている。しかし、私が行きたい場所とはどこか違う。自分でもわからないけど、何か違う。すると、後ろからノックの
音がしたので、私は返事を返したのだった。




