4月25日 基礎医学
4月も残り5日。迫り来るGWに向かって、私はいろいろと計画を進めている最中だった。スマホに書かれた予定をどのように組むかで迷っていたが、なかなか答えがでなかった。今日の4限目は、基礎医学の授業だった。学生たちは皆、真剣な表情で聴講している。教授は「医療における役割」について語り始めた。今日の授業は、集中して聞ける。それだけで嬉しかった。
教授は、今から動画を流すと言って授業がスタートしたのだった。いきなり動画を流して授業を始めるなんて斬新すぎる。こういう奇抜なモノが私は好きだった。動画が終わり、私は教授の話に耳を傾けた。他の教授とは明らかに異なるオーラや言動で私は、みるみるハマっていく。
教授の話は内容も深く、腰をすえて聴いていないと付いていけない。私は、すぐにメモはとらず、大事だと思うところを単語で書き残していく。おそらく、この授業は考えて授業を受ける人向きだ。テキトウに座っていたら単位がもらえるモノとは全然違う。他の学生たちもそれがわかったのか、眉をひそめ、真剣な表情で教授の話を聞き始めていた。
今度は、10分間の医学に関するレポートを書く時間が設けられた。この教授の授業はホントに理にかなっている。ただ聞くだけでなくて、動画を見せて、自身で考えさせる。学びに必要なモノがすべて授業に組み込まれている。先生から聞いた話と自分の経験談を組み合わせ、シャーペンで書き進める。さっきの話がわかりやすかったのか、次々と文章が浮かんでくる。わずか5分で全て完成させることができた。
私は、ゆっくりとシャーペンを置き、息を吐いた。すると、いち早く課題を終えた私に教授は気づいたみたいだった。ヤバッ!!私は、気づいていないように、再びシャーペンをとり、考えるフリをした。しかし、それでも、教授は、私の元へ一直線に向かってやってくる。そして、私のところでとまり、声をかけてきた。「終わったのか?」。
おそるおそる、私は返事をした。この時間でできたことを褒められたのと同時に7限目終わりに、研究室に来いと告げられた。再び、教壇へと教授は戻っていくのであった。あー。授業後、私はカフェに行き、GWの予定をバイトの人たちと話す予定だったのに。でも、あの教授は面白ろそうだからなぁ。私は、スマホを取り出し、川崎さんたちに連絡を入れることにした。たまには、こういうのも仕方ないか。ふっと息を吐き切り替えたのだった。




