表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/80

4月25日 基礎医学

 4月も残り5日。迫り来るGWに向かって、私はいろいろと計画を進めている最中だった。スマホに書かれた予定をどのように組むかで迷っていたが、なかなか答えがでなかった。今日の4限目は、基礎医学の授業だった。学生たちは皆、真剣な表情で聴講している。教授は「医療における役割」について語り始めた。今日の授業は、集中して聞ける。それだけで嬉しかった。

 教授は、今から動画を流すと言って授業がスタートしたのだった。いきなり動画を流して授業を始めるなんて斬新すぎる。こういう奇抜なモノが私は好きだった。動画が終わり、私は教授の話に耳を傾けた。他の教授とは明らかに異なるオーラや言動で私は、みるみるハマっていく。

 教授の話は内容も深く、腰をすえて聴いていないと付いていけない。私は、すぐにメモはとらず、大事だと思うところを単語で書き残していく。おそらく、この授業は考えて授業を受ける人向きだ。テキトウに座っていたら単位がもらえるモノとは全然違う。他の学生たちもそれがわかったのか、眉をひそめ、真剣な表情で教授の話を聞き始めていた。

 今度は、10分間の医学に関するレポートを書く時間が設けられた。この教授の授業はホントに理にかなっている。ただ聞くだけでなくて、動画を見せて、自身で考えさせる。学びに必要なモノがすべて授業に組み込まれている。先生から聞いた話と自分の経験談を組み合わせ、シャーペンで書き進める。さっきの話がわかりやすかったのか、次々と文章が浮かんでくる。わずか5分で全て完成させることができた。

 私は、ゆっくりとシャーペンを置き、息を吐いた。すると、いち早く課題を終えた私に教授は気づいたみたいだった。ヤバッ!!私は、気づいていないように、再びシャーペンをとり、考えるフリをした。しかし、それでも、教授は、私の元へ一直線に向かってやってくる。そして、私のところでとまり、声をかけてきた。「終わったのか?」。

 おそるおそる、私は返事をした。この時間でできたことを褒められたのと同時に7限目終わりに、研究室に来いと告げられた。再び、教壇へと教授は戻っていくのであった。あー。授業後、私はカフェに行き、GWの予定をバイトの人たちと話す予定だったのに。でも、あの教授は面白ろそうだからなぁ。私は、スマホを取り出し、川崎さんたちに連絡を入れることにした。たまには、こういうのも仕方ないか。ふっと息を吐き切り替えたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ