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3月20日 ゲーム

 私は、昨日に続いて部屋の掃除を行なっていた。一人暮らしの家に何を持っていくのかとても悩んでいる。昨日は、本棚を掃除して、今日はおしいれの物を整理していた。おしいれを見ていると、たくさんのアルバムが出てきた。高校2年生の球技大会の写真も複数あった。七海、真波と私の3人で優勝トロフィーを掲げていた写真があった。確か、あの日は、真波のブザービート で勝利していたはずだ。ゴールした瞬間、私と七海は、ゴールを決めた真波の方に走り、3人で抱き合ったのを覚えている。


 ー3月18日ー


 お店に来てから、1時間が経過していた。私たちは、お互いの彼氏を確認するためにゲームを始めようとしていた。


 七海「ちょっと待って。負けたらどうなるか確認しよ」

 私 「負けたら?負けたら、彼氏の写真見せるでいいんじゃない?」

 七海「真波、それでいいの?」


 七海は、優しそうに真波に聞いた。


 真波「私、まだいるって言ってないけどね」

 私 「それはそうだね」


 私は、ニヤケながら真波に返事をした。


 真波「何よ、その顔?」

 私 「何もないよー」

 真波「うそや」

 私 「ちょっと待って。私、トイレ行ってきていい?」

 七海「うん。確か、トイレあっちだよ」


 七海が指差してくれた方に向かっていった。私は、5分ほどで戻ってきた。


 私 「ごめんー」

 七海「大丈夫」

 真波「いいよ。じゃあ、さっそく引こう」

 私 「誰から引くの?」

 七海「どうする?」


 七海は、私と真波の顔を見た。


 私 「じゃあ、書いた私は最後にひくね」

 七海「じゃあ、真波。先、どっち引く?」

 真波「うーん。じゃあ、先ひいていい?」

 七海「いいよ」

 真波「ありがとう」


 真波は、三つのまるまった紙フキを見つめていた。5秒ほど経った後、真ん中を選んだ。


 七海「えー、どっちにしようかなぁー」


 七海は、迷いながら右にあったものを取った。そして、私は、最後の一つを手にとった。


 私 「じゃあ、せーのであけよっか」

 七海「うぁー。まじで緊張する」

 真波「頼むから、当たらないで」


 おそらく、私が書いたのは、真ん中の紙フキなので、真波が持っている。真波は、このことを言いたくないのかなと思っていた。


 全員「せーの」


 七海は、満面の笑みを見せ、真波は、机に顔を伏せた。私は、二人の顔を見ながら笑っていた。しかし、この後起こることを私は予想していなかった。

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