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4月23日 現代と法

 授業が始まる前に私は教室の前で待っていた。急な教室変更で、授業は、違う部屋で行われることになったのだった。今日は、朝からお腹が痛くて、なんとも言えない複雑な気持ちだった。今日の授業は、『現代と法』というものだった。今日が三回目の授業だ。

 私は正直に言って、この授業にはそれほど興味がなかった。なぜかというと、先生の話がつまらないからだ。社会の授業は、高校生の頃から好きだったから現代社会や公民の授業も楽しかった。しかし、大学に入って受けたこの授業は、話を聞いていても、何が言いたいのか全くつまらなかったのだ。

 とりあえず、入室が許可された部屋に入り、前から3列目に座った。先生は、ゆっくり入り教壇に立った。まだ、完全に人数が揃っていたわけではないけど、時間が過ぎていたということもあり始めることにしたみたいだ。今日の先生は、いつもより、何かに興奮しているようだった。

 よくわからないけど、黙って先生の話に耳を傾けることにした。先生は、真剣な顔で私たちに話し始めるが、相変わらず何が言いたいのかはわからない。彼の背景には豊かな法律知識があることが明らかだったが、私たちに伝わらなければ知識をもっていても意味がない。

 私は、本やネットには書いていないような経験的な話を期待していたが、先生は何か違うことを伝えようとしている。なぜ、それを伝えたいのか理解できない。「法律とは何か」と先生が声をかけた時、私の横の列に問いかけられた生徒がいたのだった。しかし、その生徒は、話を聞いていなかったのか、全く答えられなかった。先生も先生だが、聞いてない生徒も生徒だった。聞かないなら、来なければいいのに。私の本音がポロッと漏れてしまいそうだ。

 さっきの生徒から、後ろの生徒に回答相手が変わった。しかし、その生徒も答えられなかった。そして、先生は私たちに言った。法律は、人とと社会の関係性を表すもの。しかし、現代社会の問題は法律だけで解決できるものではないと。先生の言う通りだろう。しかし、こんなことをわざわざ授業で言う必要があるだろうか?

 私は、あまりにもよくわからない説明に対して驚愕してしまっていた。私は、法律が社会問題を解決するという当たり前のことは誰しもを知っていると思った。しかし、それは、大きな間違いであった。先生は、この後も、これからの社会に塁いて法律が果たすべき責任を説明し、私たちに何かを伝えたい様子だった。

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