4月22日 久しぶり
さっそく、今日連絡を入れたのだった。
ー4月21日ー
私は、その男性を見ると、高校3年生までいた遠山陵だった。めちゃくちゃ久しぶりだ。
遠山「久しぶりだね」
私 「遠山くん?」
遠山陵。彼と初めて出会ったのは、高校1年生の時だった。
遠山「覚えてる?」
私 「うん。あの後、東京に来てたの?」
矢田は、何も知らないみたいだった。
遠山「お父さんの引っ越しでね」
私 「そうだったんだ。あの後、野球部のみんな相当寂しがってたよ」
あの後、私たちのクラスは少しパニック状態になってしまっていた。野球部は、もちろんだが他のサッカー部やバスケ部、テニス部などの人たちもとても悲しんでいたのが鮮明だった。
遠山「そうらしいね」
私 「今は、どこの大学行ってるの?」
遠山は、意外と淡々としていた。
遠山「大学行ってないんだ」
私 「えっ、行ってないの?」
そうだったんだ。そういう選択もあるのかぁ。
遠山「うん。働いてるの」
私 「てっきり、大学行ってると思ったよ」
驚きはしなかったけど、高校時代のイメージとは少し違っていた。あの頃は、野球部の中でもヤンチャなイメージだった。野球部と言えば、橘くんや橋本くんが最も先に名前があがってくるけど、アイツらを生かしていたのは遠山くんや永谷くんがいてこそだといつも七海に説明されていた。
遠山「大学自体は受かってたんだけどね。なんか、行ってもしたいことなかったから。変えたんだ」
私 「へぇー。いいね」
大学に受かっただけでもすごいな。東京の大学は、どこも偏差値が高い。
遠山「矢田さんは、どこの大学なの?」
私 「私は、医療大学だよ」
医療大学に入ってからというもの、一瞬にして日が過ぎていく。
遠山「えっー、わりと近くだね」
私 「そうなの?」
遠山くんは、どんな会社で働いているのだろうか?
遠山「うん。また、今度、どっか行こうよ」
私 「いいね。楽しそう」
卒業してからは、なかなか会えてなかったから、楽しみだ。
遠山「他に、こっちいる人誰か知ってるの?」
私 「東京だったら、寺崎とかは?」
遠山くんと寺崎って仲がよかったのだろうか?
遠山「寺崎久しぶりだな」
私 「仲良かった?」
なんともいえない顔だ。どっちなんだろうか?
遠山「んー。ふつうかな」
私は、後で連絡すると告げて別れたのだった。




