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4月18日 証明

 昨日の守は、高校までの守とは、まるで違ったように見えた。あの後、私は、守が降板するまで見届けた。まだ、4月ということもあり、どこか寒さも残っていた。私が、グランドに着いたの、4回表、ちょうど守たちの大学が攻撃している最中だった。

 攻撃が終わると、ピッチャー交代のアナウンスが流れた。それと同時にマウンドに上がったのが守だ。大学では、背番号は、「21」みたいだった。本人によると、エース番号が「18」らしく、学年が上がるにつれて、番号自体も下がっていく様になっているとか。4年生になった時にその番号をもらえたらエースの証であることを教えてくれた。

 当然、1年の今の時期に「21」という番号だから、とても期待されているということなのだろう。同じピッチャーでも聖徳高校の橘は、「27」。二人の差だけでもかなりある様子だ。しかし、昨日のピッチングでは、それを証明することは難しかった。

 投げても投げても打ち返される。まるで、少年野球のような一方的なピッチングだった。結局1イニング全て投げきることはできなかったみたいで、大学デビュー戦は、9失点というほろ苦い結果となってしまった。

 あれだけ、守が打たれたのを見たのは始めただったし、これ以上、打たれるのを見たくなかった。守と対照的だったのが、サードで試合に出場していた高山だ。高山は4打数3安打という成績を出していた。高山は、左打ちで本当に綺麗な打ち方をしていた。茜によると、名門校ではなくどこにでもある公立高校の野球部出身みたいだった。しかし、昨日のメンバーの中では一番目立っていた。後半には、ブルペンにも行っていたみたいだから、もしかしたら、というのもあるかもしれない。

 私は、昨日のことを考えながらシャーペンを走らせていた。あの日、たまたまなのか、守るから電話があった。忙しいことを見せるためにも、最初の電話では出ずに、折り返しの電話をして話をしたのだった。

 電話では、落ち込んだ様子は見られなかったけど、とても打たれたことは教えてくれた。本人によると、ストレートがまったくはしっておらず棒球になっていたらしい。それに加えて大学になってから初の練習試合という影響もあったのかもしれない。

 それでも、バッテリーを組んだキャッチャーの橋本くん、守の後で投げたピッチャーの橘くんは、とてもいい奴だと話していた。さらに、茜の彼女だった高山についても話してくれた。まるで、私が高山がについて知っているかのように。

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