3月19日 篠木七海
私は、朝から自分の部屋の荷物を、少しずつまとめ始めた。受験に使ったたくさんの参考書を本棚から出し、紐でしばった。しかし、まだ本棚には、たくさんの本が入っていた。ファッション雑誌やスポーツ雑誌、彼氏から預かった漫画も入っていた。
ー3月18日ー
私たちの話題は、三人のこれからについてだった。
七海「颯希は、いつから一人暮らしするの?」
私 「3月22日に荷物送る」
七海「もうちょっとやね」
私 「うん。七海は、家出るの?」
私は、これからの七海が気になっていた。七海に強く大学を勧めただけに、ちゃんとやっていけるのか?
七海「うーん。迷ってるかな」
真波「彼氏の家行くの?」
七海「なんか、彼氏頼ってみるみたいで、嫌なんだよね」
私 「そうかな?」
七海「そうだよ。ちゃんと、一人暮らししたいなぁ」
七海は、高校同様、一人で道を切り拓いている様だった。
私 「あの噂の先輩かぁ」
七海「噂のってなによ」
私 「噂のやん。北條さん」
真波「北條さんね」
北條さんとは、七海の彼氏。
私 「北條さんの写メ見してよ」
七海「嫌や」
私 「なんでよー。見してよ」
七海「颯希の彼氏見してくれたらいいよ」
私 「えー。どうしよっかなぁ」
真波「たしかに、七海の彼氏気になる」
私 「真波の彼氏は、知ってるしなー」
七海、真波は、とても驚いていた。
七海「えっ、真波彼氏いるの?」
真波「ん?‥‥」
真波は、かなり動揺していた。
七海「なんで、颯希知ってるの?」
私 「真波のことはなんでも知ってるよー」
真波「そうなん?」
七海「颯希がホンマに知ってるかは怪しいけどな」
真波「‥‥」
私 「フフフ。じゃあ、ゲームして決めよ」
七海「なんのゲームするの?」
私 「じゃあ、今から私がこの紙フキにマーク書くから、そのマークを引いた人が負けね」
真波は、紙フキを3枚とり、私に渡してくれた。そして、カバンからペンを取り出し、七海と真波に見えないように書きこんだ。書きこんだ紙フキを丸めて、3人の前に置いた。
私 「できた。じゃあ、この3つから選んでね」
七海と真波は、紙フキを眺めた。
私 「どれにするー?」
七海「うーん。迷うなぁ」
真波「二つ書いてないってこと?」
私 「うん。一つだけ書いてある」
飲食店に来て、早くも1時間が経とうとしていた。ピザやポテトフライもほとんどなくなっていた。