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4月13日 彼氏

 パソコンのエンターを押すたびに、社会人になった気になっていた。今日は、朝からバイトをしていた。バックヤードでパソコンを触りながら、在庫状況を確認。そして、品切れの物を注文していた。だいぶ作業にも慣れてきた。できないことも多いけど、思ったよりは覚えることが早くできてきた。今は、大学以上にバイトが楽しかった。できていないことが一つずつできる感覚、それはこれ以上にない喜びだった。私は、特にパソコン作業をしながら新しい商品戦略を練るのがとても興味深かった。私は、今日も必死に頭を使いながらバイトをしているのだった。


 ー4月11日ー


 18時から始まった交流会も20時を過ぎようとしていた。さっきまで話をしていた笹川は、別のテーブルへとうつっていった。


 翆 「みんなとは話せた?」

 私 「そうね。話せるところはできたよ」


 翆は、とても楽しそうにしていた。


 翆 「仲良くなれそうな人はいた?」

 私 「うーん。それはどうかな」


 4人ほど話したが、これって言う人はあまりいなかった。


 翆 「えー。いなかったの?」

 私 「そんなことはないと思うけど」


 素直に、いないとは言えない。


 翆 「颯希は、人を選ぶもんね」

 私 「選ばないよ」


 私は、箸を置いた。もうお腹いっぱいだった。


 翆 「だったら、もっと遊べるじゃない?」

 私 「いや、私彼氏いるから」


 そういや守と最近連絡とっていないな。


 翆 「だって、遠距離でしょ?」

 私 「そうだよ」


 翆の話は、だんだんテキトウに聞いてしまっていった。


 翆 「颯希だったら、可愛いからできるのに」

 私 「可愛くないし、他の男の子と遊んだらしないよ」


 他の男の子なんて私には考えられない。


 翆 「えー。思わないじゃん」

 私 「思わなくないわ」


 私は、翆の顔を見ながらハニかんだ。


 翆 「そろそろ終わりだね」

 私 「2件目行くの?」


 これからについて尋ねた。


 翆 「行きたい人はね。いや、颯希に来てもらって助かったよ」

 私 「そう言ってもらえると、来た甲斐があったよ。フフフ」


 その一言が聞けただけでもよかったのかもしれない。


 翆 「また明日の学校だね」

 私 「そうだね」

 

 翆は、終了の合図を出して、外に出てもらうように促した。みんなゾロゾロと店の外へと出ていく。私は、ゆっくりと歩き出した。

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