4月9日 お願い
今日は、久しぶりの休日だった。いつものように、7時に起きて手帳を見ていた。前期試験は7月かぁ。試験に合格するだけじゃなくて、賢くなりたい。そう思うと、勉強するしかないかな、、、、。
あと20日くらいで、GWにも入る。そっちの予定も立てないとな。明日は、彼氏とのデートもある。守、最近連絡してこないけど、何してるんだろうな?ちゃんと部活してんのかな?
守は、長野の大学に進学して野球を続けているらしい。守が進学した大学の野球部には、聖徳高校生の橋本くんや橘くんも進学予定だから安心してる部分もある。でも、やっぱり会えなくて寂しい気持ちはある。まだ1年とはいえ、試合に出るためにとても練習する守の姿が想像できる。そうなると、なかなか相手にしてもらえなくなるんじゃないかな。
守とは、高校から別だし、ある程度距離感をもって付き合ってきた。だから、仕方がないことでもあった。守のことを考えていると、スマホから電話の音が聞こえた。慌てて、スマホをとって電話に出た。
私 「もしもし?」
翆 「あっ、翆だけど」
いつもと同じ元気な声が聞こえた。
私 「どうしたの?」
翆 「明後日、学部の集まりあるんだけど来ない?」
私 「えっー、明後日かぁ」
私は、さっき見ていた手帳を取り出した。明後日の11日の欄を見てみると、授業とバイトが入っていた。
翆 「予定ある?」
私 「そうなの。予定あって」
翆には申し訳なかったけど、断ることにした。
翆 「お願い、ちょっとでいいから」
私 「えー、、、」
翆は、なんとか私を説得しようとしていた。
翆 「なんか、10人いないと予約とれなくてさ」
私 「今、何人いるの?」
翆 「9人なのよ。あと一人だから」
あと一人で店を予約できるのかぁ。同じ学部でリーダーをしている翆を助けたいという思いもあった。どうしようかな?私は、少しずつ気持ちが傾き始めた。
私 「何時から?」
翆 「今のところは、7時から9時まで」
店長に言えば、早く上がらしてもらえるかもな、、、。この前あったばかりの翆にそこまでする必要もなかったけど。なんとなく、力を貸してあげたいと思える子でもあった。
私 「んー、もう。わかったよ」
翆 「ホント?」
私 「うん」
翆 「ありがとうー」
電話から聞こえる翆の声は、とても嬉しそうさだった。私は、電話を切るとすぐさま、店長に連絡を入れた。




