時よ戻れ
1人でいることは慣れっこだったはずなのに…なんでこんなに寂しいの?
クラスメイトは誰も相手にしてくれないし、同学年の子達との交流もほとんどと言っていいほどない私は今日は腕時計の時間ばかりを気にしていた。
2人はいったいどこへ?
その時後ろから声をかけられた。突然のことだったので思わず驚いてしまって申し訳ないなと思った。
けれども2人ではなく別の男の人だった。
思わず固まってしまったが、それは相手に悪いと思い引き攣った顔をしながらも応対をした。
どうやらというか、この男の人は私のクラスメイトだった。
アレ?こんな人いたっけ?
頭を捻っても名前を思い出せない。
なので名前を聞いたが、聞いたことがない名だった。
ドキドキして怖かったが、相手にそのことを勘付かれるのも申し訳ないと思い、当たり障りない事を言ってその場を離れた。
今日も会えそうにないのか、それとも何かあってもう会えないのか…それを考えただけで涙がこぼれ落ちそうになった。我慢したけど。
その頃の2人はとある場所にいた。
停学になった者達を調べていたのだ。でも取り越し苦労だったようでホッとしていた。
「洸、そろそろあの子のとこに行かなくて不味くないか?多分きっと1人でいるんじゃないか?」「賢治の言うことも一理あるな。急いで帰ろうか。」
2人はその場を後にして学校へ急いだ。
この時間はもう下校を過ぎてるから自宅にいるかもしれない。
2人は汗をかきながら走ってきたが、部屋の明かりは消えていた為、もう寝ているなと思いただ眺めてその場を後にした。
翌朝、朝から天気はすこぶるよく暖かくて漸く季節が変わり始めたのだと感じられるようになった。
今日も2人はいないかもと不安だったが、行かないわけには行かない。単位を落とすわけには行かないし、やりたい事をやる為に選んだ学校だったから。
思いが通じたのか今日、校門の前に知った顔を見つけて思わず嬉しくて走った。2人はこちらを見て微笑んでいた。
「洸さんも賢治さんもお久しぶりです。3年生は休みがあるんですか?」
「いや、ちょっとした用事で休んでいただけだから…。何でもないよ?」
「お二人に渡したいものがあったんです。これ…私の手作りのハンカチのイラストですが、お嫌でしたら誰かにお譲りいただいても大丈夫ですから。」
「いやいや、俺たちに?ありがとう。大事にするよ。」洸さんはそう言って微笑んだ。
私は嬉しくて天にも登る気持ちだった。
その時ふと視線を感じた。
周り中から見られていたのだ。
恥ずかしくて固まってしまった。
その姿を見て洸さんはニコニコ顔で抱きしめてきた。




