キズを乗り越えて
部屋では誰も声を出さなかったからシーンとしていたたまれなくなった私はなんでもいいからとテレビをつけた。
この時間はバラエティがやってるのか。
でも笑えるかな?
時間が経つと自然に笑えている自分がいた。
2人はそんな私の顔をじっと見ていた。
黙り続けているのも徐々に苦痛になってきた。だって2人とも目が笑ってないんだもの。
何で?どうしてここまでしてくれるの?
洸さんは私が好きと言ってくれたけど、賢治さんは分からない。でも悪い人じゃ無いことはわかる。
私もっと自信を持たないとダメなのね。
洸さんに嫌われたくないから。
賢治さんに笑われたくはないから。
胸の鼓動はだいぶんと落ち着いてきたみたい。
でもこの無音は辛いなぁ〜。
喋ってもいいのかな?そしたら洸さんが口を開いた。
「加奈、もっと俺を頼れ。甘えたっていいんだ。人との繋がりにビビってちゃダメだ。」
「そうだよ?加奈たん。僕らは強いよ?最も洸くんほどじゃぁ…ないかも。」
「え?」
「こいつは敵になったやつにはとことん潰しにかかるからな。」
「え?そんなに強いの?洸さん。」
「ああ、もちろん加奈限定だけどな。」サラリと言われ頬がビクついた。
「さぁ、じゃあ落ち着いたところで作戦会議かな?」
「え?何の作戦会議?」
「え〜、もちろん加奈たんを護衛することかな?」
「大袈裟な〜。」
「そうでも無いよ?加奈たん最近可愛くなったから。」
言われて顔が真っ赤になった。
そんなこと今まで誰かに言われたことあったっけ?
顔を真っ赤にしているが、嬉しいと思う自分が恥ずかしかった。
「なぁ、加奈。いつもアイツらに絡まれてるのか?」
「う、うん。そう。何でも洸さんのファンか親衛隊かな?なんかそんな感じなの言ってたから…。」
「ならあいつらか…。分かった。加奈はもう気にするな。僕が話をつけてやるからさ。」
「そうそう。こいつに任せとけばそいつらも大人しくなるよ。安心してね〜。」
「う、うん。分かった。」
「ならもう寝るか?色々あって疲れたろ?」
そこで初めて気がついた。ここには私以外は男性しかいないって。
化粧も取れて見れたもんじゃない顔してるって思う。
慌てて洗面台に向かい、アメニティグッズがあればと見るとあったから洗顔で落としてさっぱりした。
ベットは4つあるから1番隅っこでいいやと壁の橋のベットに横になった。
洸さんも賢治さんも気を使って反対側の2つを使ってくれた。眠気も襲ってきたからそのまま布団に入り眠りについた。
朝になって目覚めた時、暖かな人肌らしきものに縋りたくてスリスリしてたらクックックと小さく笑う声が聞こえた。
その声が洸さんと気づいた時には恥ずかしさでびっくりしてベットから転がり落ちそうになった。
そんな私を落ちないように抱きしめてくれて頭をなでなでしてくれてドキドキが止まらなかった。




