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【完結】転生極道は異世界でも家族をつくりたい  作者: 鎌宮 和明
第2章《思い出》鬼龍の春編
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暴露

全校集会を明日に控えた今日、自宅にて

「偶然とはいえまさか、あの鬼城と手を組むとはな。」

龍雅が酒を飲みながら笑っている。

「それで要求はなんだ?」

「それは明日、終わってから話すだとよ。」

「そうかい。」

そう言って龍雅は龍儀に封筒を渡した。龍儀が開けて見ると中には退学通知が入っていた。

「なるほど、明日失敗すれば平和な暮らしとおさらばってわけか。」

「そういうことだ。」

龍儀は退学通知を持ったまま自室に戻っていった。


そして、全校集会当日

体育館に全生徒が集まっていた。内容はもちろん龍儀の事件に関することである。

生徒達はほとんどが気だるそうにしていた。

「本当に龍儀君が退学になるの?」

「それは鬼城次第になってしまうな。一応、保険のために監視カメラの映像は持っているが。」

秋庭と蛇谷がこそこそ話しながら金浦を見ていた。金浦は勝ち誇った顔をして笑っている。蛇谷から少し離れている桜も金浦を睨んでいた。

しばらくすると壇上に一人の女子高生が現れた。彼女は私立天倉中央高等学校の生徒会長、3-Aの狭嶋正音である。

「今日、全校集会を開いたのはある男子生徒による暴行事件についてです。」

彼女をステージ裏では北村和博先生ともう一人、女子高生がいた。彼女は風紀委員長の神宮寺由夏である。

二人が狭嶋正音のスピーチを聞いているとそこに龍儀が現れた。

「なかなかの悪役(ヒール)っぷりだな。」

「栄、お前何でここにいる?」

「お前は自宅謹慎だろ?」

「呼ばれたんでね。」

「誰に?」

「さぁ。」

龍儀が二人と一緒に見ていると今度は伊達刑事と田中刑事が現れた。

「おや、刑事さんも来たんですか?」

「何を言っている。お前が部下を使って俺達を呼んだんじゃないのか?」

「部下?」

「・・・なるほど。」

(あいつ、役者を揃えたわけか。)

龍儀が鬼城の行動を理解するとニヤリと笑った。

壇上では狭嶋のスピーチが続いている。彼女が龍儀の退学処分を言うのを待っていた金浦は彼女がそのことに触れた瞬間、勝ちを確信して笑った。

(これで俺の完全勝利だ。)

その時、学校中にザーザーと放送が流れ始めた。

「な、なんだ?」

「何これ?」

いきなりの放送に戸惑う生徒達。

「誰だ!勝手に放送室を使っているのは!?」

狭嶋がご立腹になっているとそこからあの時の監視カメラでとらえた一部始終の音声が流れ始めた。

「え?何これ!?」

「この声って海老名ちゃんの声だ!」

「おい、今すぐ放送室に向かえ!」

体育館は騒然とした。そして、一番戸惑っているのは金浦だった。

「なんだよ、これ?」

金浦が戸惑っているととうとうあの声が流れた。

「これで栄の犯行にすればあいつは退学。再びあの女は拠り所を失う。」

それを聞いた瞬間、龍儀は笑い始めた。

「なるほど、こうきたか。」

「栄、なんだこれは!?」

「俺の協力者の仕業ってことかな。」

「伊達、すぐに放送室に行くぞ!」

「分かりました!」

二人の刑事がその場からいなくなった。そして、この声を聞いた生徒の一部は金浦を見始めた。

「栄の犯行ってなんだよ!?」

「って言うかこの声って金浦じゃないか!?」

生徒達が騒然としている中、狭嶋はいち早く対応した。

「全校生徒の皆さん、全校集会を一時中断します!皆さんはそのまま待っていてください!」

狭嶋がステージ裏に戻ると龍儀がいた。

「栄龍儀、これはお前の仕業か?」

「まぁ、そうなるな。それで、これはどうする?」

そう言うと龍儀は退学通知を狭嶋に見せた。

「それは後だ。」

狭嶋は龍儀の隣を通り過ぎるとそのままステージ裏から消えていった。

放送を聞いた秋庭達は喜んでいた。

「やったー!これで龍儀君は無実だー!」

「鬼城もエグいことするなぁ。」

秋庭は慌てふためいている金浦を見てニヤニヤした。その金浦は生徒達に睨まれた後、北村先生に連れて行かれた。


一方、放送室には天狗のお面を被った鬼城がいた。彼はテープレコーダーを流した後、証拠となる映像が入ったUSBメモリを置いて放送室を出た。すると、さすまたを持った男の先生達が走ってきた。

「誰だ、お前は!?」

先生はさすまたを鬼城に向けたが鬼城はさすまたの分かれている部分を持って引いた。先生はバランスを崩してしまった。そこに鬼城はさすまたを押して先生の腹を突いた。腹を抑えて倒れる先生を尻目に鬼城は反対方向から来た先生のさすまたを弾くと自分が持っているさすまたで先生を突き倒した。そのまま鬼城はさすまたを捨てて消えていった。

伊達刑事達が来る頃には鬼城の姿はなく、先生達が倒れていた。二人は即座に先生達の介抱をした。


鬼城が学校の裏口から出ようとすると龍儀が待ち構えていた。

「どうだった?」

「まぁ、予想通りのやり方だな。それで要求はなんだ?土地寄越せとかなら断るぞ。」

「そんなんじゃないよ。俺には今のところ、2つの案がある。1つはお前達を完全に潰して乗っ取るやり方、もう1つはお前達と仲良くなるやり方。もちろん、後者は北京連合の傘下になれではなく同盟みたいなモノだ。もし後者ならいい条件を提示しよう。」

「そんなんはどうでもいい。早く要求を言え。」

「つれないなぁ。折角いい案を持ってきたのに。まぁいいや。要求は相島組の壊滅に手を貸せ。」

鬼城の要求を聞いた龍儀は不思議に思っていた。

「そんなんでいいのか?」

「もちろん。返事はまた今度聞くわ。いい返事を待ってるぜ。」

そう言って鬼城は天狗のお面を被って去っていった。

「・・・何なんだ、あのお面?」

龍儀は去っていく鬼城をただ見続けていた。

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