表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】転生極道は異世界でも家族をつくりたい  作者: 鎌宮 和明
第1章《出会い》 ヘイサゼオン編
9/423

落とし前

フォールドラゴン討伐後の龍儀のステータス


《栄 龍儀 Lv55》

HP 13579/13579 MP 519/519

AT 825 DF 369 SP 471

アビリティ[自由]

どんな束縛も受けず、どんな呪いも効くことはない


傷だらけのライカを手当てしている村人達、龍儀はゆっくりライカに近づき、手をかざすとライカの傷や痣は消えていった。

「す、すごい・・・」

驚く村人達を尻目に龍儀はライカを見つめた。すると、ゆっくりとライカが目を覚ました。

「リュー・・・ギ?」

「大丈夫か?」

龍儀がそう聞くとライカは泣きながら龍儀の胸に飛びついた。

「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!あたし、守れなかった!何もできなかった!ごめんなさい!」

ごめんなさい、とひたすら謝り続けたライカはそのまま気絶してしまった。龍儀は動くことなく、村長に質問した。

「おい、何があった。」

黙る村長。そんななか、一人の村人が手を挙げた。

「私、知ってます!見ました!」

彼女はことの経緯を話始めた。



龍儀達がフォールドラゴンと戦っている途中、村で洗濯をしていた彼女は慌てた様子で走るライカを見つけた。その後をセインフィーネのメンバーが追っているのを見て気になって探していると、

「やっと捕まえた!」

「手間かけさせやがって。」

「いや!来るな!」

森の中からライカの声がしたので覗いてみると、二人組の男がライカを捕まえていた。ライカも暴れるが、敵わずフードがとれてしまった。

「うわっ、こいつ獣人じゃねぇか!」

「マジか!気持ちわりぃ。」

男達はライカに殴る蹴るの暴力をふり始めた。怖くて動けなくなっていた彼女は男達の後ろから数人近づいてくるのを見た。その中心にはデーリッヒがいた。

「どうだ?」

「デーリッヒさん、見てください、こいつ。」

「ん?おいおい、獣人じゃねぇか。あいつ、こんな気持ちわりぃ奴を仲間に入れてたのか。」

「しかも、堂々と俺達の街に入って来やがったぜ。」

「そうだったな。全く獣人を入れるとかあのバカ、何考えているんだ?街が汚れるじゃねぇか。」

「リューギをバカにするな!バカ!」

「あぁ!獣人風情が人間様に口答えするな!」

そういうとデーリッヒはライカを踏みつけまくった。

「デーリッヒさん、そんなものを踏みつける前にやることがないですか?」

デーリッヒの後ろから声をかける女がいた。エリサだった。

「おぉ、そうだった。先にやんねぇとなぁ。」

そういうとデーリッヒはライカの体を調べ始めた。

「やめろぉ!」

ライカは抵抗するがデーリッヒに勝てず、あるものを奪われた。それは、このクエストの依頼書だった。

「か、返せぇぇ!」

ライカが叫ぶが、デーリッヒはニヤニヤ笑いながら依頼書をビリビリに破いた。

「あ、あぁ。」

言葉を失ったライカを見てデーリッヒ達は嘲笑った。そして、笑いながらライカに暴力をふり続けた。

しばらくして動かなくなったライカを見て

「お、死んだか?」

「いえ、一応生きてるみたいです。」

「そうかい。まぁ、ここまで痛めつけたら二度と俺達に歯向かおうと思わないだろ。さてと、やることやって帰るぞ!」

「おぅ!」

瀕死のライカを置いてデーリッヒ達は去って行った。

デーリッヒ達が去った後、ライカをここへ運んできたという。



「そんな・・・」

「ひどい!」

「許せない。」

村人達が怒りを露にしている時

「すみませんでした!!」

マックスが深く謝罪した。

「セインフィーネにあるまじき行動の数々。ギルドを代表して謝罪します。すみませんでした!」

謝罪しているマックスの手は握り拳をつくっていた。グレンもあまりの非道さに噛み締めていた。そんななかでも龍儀は一切動くことも喋ることもなくライカを見つめていた。ライカは涙を流しながら眠っている。

「あ、あの龍儀さん・・・!」

マックスとグレンが龍儀に近づいてみると、龍儀の目から光が消え、今までとは違うオーラを放っていた。

二人を含んだ村人達は静かに怒る龍儀の圧におされていた。

「龍儀さん。しばらく、ライカさんは安静にしときましょう。龍儀さんのおかげで命に別状はありませんが、心の方に大きな傷を負っていると思われますので。」

「あぁ、わかった。」

ライカを看ていた村人の提案を聞いた龍儀はそういうと静かに立ち上がった。

「ところで、その魔生石(クリスタル)は?」

村長がグレンの持っている魔生石(クリスタル)のことを聞いた。

「今回の依頼の犯人はドラゴンでした。そのドラゴンを龍儀さんが倒したのです。」

マックスがそう説明すると村長は驚いた表情で下を向いた。

「な、なんてことを・・・」

「どうしたのですか、村長?」

「私は大変なことをしてしまった。」

「「え?」」

「実はデーリッヒが戻ってきた時にモンスターは倒したから依頼書にサインしろ、と言われてそのままサインしたのじゃ。」

「ウソ・・・だろ。」

「そこまで・・・腐ってしまったのか。」

ライカへの暴力、依頼書の破壊に加え詐欺行為まで働いたデーリッヒ達に対しマックス達の怒りは頂点に達していた。

「今すぐあいつの元に行って訴えましょう!」

すぐにでもデーリッヒ達を訴えようと提案するグレン、村人達も賛成しているなか、龍儀は

「少し待っていてくれ。」

「何言っているんですか、龍儀さん!」

「村長、少しお話がしたい。場所を変えてくれないか?」

「は、はい。」


龍儀の言う通りに別の部屋に移動した。部屋の中には龍儀、グレン、マックス、村長、ズロックだけがいた。

「村長、こいつにサインしてくれ。」

そういうと龍儀は机に依頼書を出した。

「!」

「ぇ!なんで!」

みんなが驚く中、龍儀は話を続けた。

「実はな、ギルドを出る前に受付嬢にもう1枚作ってもらった。」


ギルドを出る前

「すまないが・・・依頼書をもう1枚作ってくれないか?」

「え?」

「一応、念のためにな。」

「は、はい。かしこまりました。」


「なんと・・・」

「すごいです。龍儀さん!」

「でも、なんでもう1枚作ったんですか?もしかして、デーリッヒがこうすることを読んで?」

「一応、それもあるが実はライカも疑っていた。」

「「「「え・・・」」」」

「俺は昔から女を信じることが苦手でね。デーリッヒはもちろん、ライカもいつか裏切るんじゃないかと思っていた。だから、あらゆる可能性を考えたわけだ。しかし、その結果がこれだ。今さら情けない。もう少しで大切な家族をまた失うところだった。」

龍儀の告白にみんな目を丸くしていた。

「家族・・・」

「あぁ、血筋や人種が違っても同じ時を過ごし、同じ道を歩んだ仲間ならもう家族だと、少なくとも俺はそう思っている。」

「龍儀さん・・・」

龍儀の告白にみんな少し笑顔になった。

「龍儀さん!」

「ん?」

「僕のお父さんは事件を調べるために村を出て行方不明になったんです。だから、あのドラゴンはお父さんの敵かもしれないです。だから、ドラゴンを倒したと嘘をついたあいつらが許せないし、倒してくれた龍儀さんは僕にとってのヒーローです!」

目を輝かせながら語るズロックに龍儀は頭を撫で

「ズロック、どんな理由があろうと命を奪えば殺人者だ。その命に人間もドラゴンも関係無い。あいつも生きるために命を奪った。俺達が家畜や狩った獲物を食べるのと同じことだ。それを俺が殺した。そんな奴はヒーローにはなれないよ。」

「で、でも龍儀さんは間違いなく僕の・・・」

「そう思ってくれるだけで嬉しい。」

「龍儀さん・・・」

「さて、村長。」

「わかっておる。もちろん、サインはするぞ。」

村長からサインをもらった龍儀は依頼書を懐にしまった。その様子をマックスは静かに見つめていた。


ライカの元に戻ってきたら丁度、ライカが目を覚ました。龍儀は穏やかな表情でライカに近づいて座った。

「リューギ、あたし・・・」

「何も言うな。依頼書ならほらっ。」

そう言って龍儀は村長のサイン入りの依頼書をライカに見せた。

「え!なんで!」

「お前が頑張って守ってくれたおかげだよ。ありがとうな。」

「でも、依頼書はあたしの目の前で・・・」

龍儀はライカが言いきる前にライカに抱きついた。

「リューギ、ちょっと痛いよ。」

「ライカ・・・聞いてくれ。俺はお前にひどいことをした。」

「え・・・」

「だからじゃないがこれからはライカ、お前を信じる。何があっても何年たってもお前を信じ続ける。」

「な・・・何か、重いよ、リューギ。」

ライカが恥ずかそうに他所を見るとグレンは泣き、マックスは黙って頷き、村長達は笑顔で見守っていた。

「え・・・何これ?」

目を点にするライカ。龍儀はライカを放すと話を続けた。

「ライカ、俺はヘイサゼオンに戻る。つらいかもしれないが、ついて来てくれないか?安心しろ。俺が守ってやる。その為に強さを求めたからな。」

「う、うん!」

「ありがとう。それじゃあ、戻るぞ。」

「はい!」

「悪いけど僕はヘイサゼオンに戻る前に行かないといけないとこがあるからここでお別れだね。」

「そうか、わかった。」

そう言ってマックスは先にクワイ村を後にした。

龍儀達はライカの回復のため一晩村長の家に泊まった。

翌日

「龍儀さん、改めてお礼を言わせてください。ありがとうございます。これからも頑張ってください。」

「あぁ。」

「龍儀さん!とりあえずあいつの顔をおもいっきり殴ってください!」

「あぁ、約束する。」

そう言って龍儀達はクワイ村を出ていった。



ヘイサゼオンに着いた龍儀達は門番に止められた。

「なぁ、そのフード被ってる子・・・」

「何か文句あるか?」

「い、いえ!」

龍儀に睨まれた門番は龍儀達を通した。街に入ると住人達が睨みながらこそこそ話していた。その理由はギルドに入ったらすぐにわかった。

「その龍儀ってバカはなぁ、あろうことか、汚い獣人を連れてたんだぜ!まぁ、俺様が制裁してやったから、今頃獣人と一緒にめそめそ泣いているだろうよ!」

ギルドではデーリッヒが大声で嘘を交えて自慢話をしていた。そこに堂々と龍儀が入ってきた。

「は、なんでここに?」

驚くデーリッヒ、周りにいた人達も驚いたり、睨んだり、ライカを見てひそひそ話をしていた。

グレンとライカはデーリッヒ達を睨んだが、龍儀は全く気にせず、受付に向かい真っ赤な魔生石(クリスタル)とサイン入りの依頼書を出した。

「は、なんでてめぇ、依頼書を持ってんだよ。それは確かに俺が!」

動揺し失言するデーリッヒ、受付嬢もデーリッヒに不信感をもち、龍儀の方を向いた。

「こちらの魔生石(クリスタル)は?」

「この依頼の犯人。」

「えぇ!」

龍儀の一言に受付嬢は驚いた。それもそのはず、赤い魔生石(クリスタル)はLv50以上のモンスターからしか生まれず、赤ければ赤いほどそのモンスターが強い証拠である。また、魔生石(クリスタル)の大きさと魔力の残存量は比例するため、大きければ大きいほど相手が魔力を使う前に迅速に倒したことになるからだ。

ざわめくデーリッヒ達、龍儀はそれを気にせず、受付嬢に語りかけた。

「いくらだ。」

「はい、そ~ですねぇ。」

ジーっとデーリッヒ達を見る受付嬢、デーリッヒは苦虫を噛んだような顔で龍儀を見ている。受付嬢は龍儀の顔を見て目を瞑りもう一度、龍儀の顔を見た。

「金貨10枚です。」

「な!」

受付嬢はドヤ顔で金貨が入った袋を龍儀に渡した。龍儀が袋を持った瞬間、デーリッヒが龍儀の腕を掴んだ。

「こいつは俺のもんだ。」

「は?」

「だってそうだろ。俺より圧倒的に弱いお前があれ倒せる分けねぇし、依頼書だって偽物に決まっている。そうだよなぁ!受付嬢ちゃんよぉ!」

イキりながら受付嬢を睨むデーリッヒ、しかし、

「いえ、こちらの依頼書は間違いなく私が用意した本物でございます。それと私から見たら、あなたより龍儀さんの方が断然、強そうです。」

「な、なんだと~!」

「おい。」

「あぁ!」

「さっさと手ぇ離せ。」

「は?ふざけんな!獣人を街に連れ込んだ糞野郎がよぉ!」

デーリッヒの言葉でライカはびくっとしたが負けじとデーリッヒを睨む。

「なんだ。その目はぁ!」

デーリッヒがライカを殴ろうとした瞬間、龍儀は予め錬成魔法で作った折り畳みナイフを掴んでいる腕に刺した。

「ぎゃぁぁぁ!いて~!」

刺された腕を押さえ踞るデーリッヒ、そこにエリサが駆けつけた。

「あんた、自分が何をやったかわかってんの!?」

「ん?そこのクズの腕を刺しただけだが?」

「な・・・」

エリサを置いてギルドの出入口にいこうとすると数人の男達が囲んだ。

「おい、こんなことしてただで済むと思ってねぇだろうなぁ。」

黙る龍儀。

「誰にケンカ売ったのかわかってんのか?」

黙る龍儀。

「おい、獣人。あの時のように虐めてがっ!」

ライカに暴言を吐こうとした男の首を龍儀は右手で締め上げた。男はしばらく抵抗したが、しばらくして意識がとび、痙攣しながら倒れた。

「まずは一人目」

龍儀は黙って痙攣している男を見下ろした。

「な・・・」

「ひ、人殺し!」

「バカか?よく見ろ。まだ生きてる。」

龍儀はそのまま、出入口に向かった。

「待てや!獣人連れてど、ごはぁ!」

溝尾に拳を食い込ませる龍儀。

「二人目」

「あの時の獣人と同じめに・・がっ、はっ・・・」

股間を蹴りあげる龍儀。

「三人目」

喉をつく龍儀。

「四人目」

足蹴にして倒した後に顔面を踏みつける龍儀。

「五人目」

殴ってきた腕を掴み左脇腹に肘打ちする龍儀。

「六人目」

壁に頭をぶつけた後、腹に膝蹴りする龍儀。

「7人目」

そして、ギルドを出ようとした瞬間

「待てや!」

ナイフを抜き、エリサに治療してもらっているデーリッヒが叫んだ。

「決闘しようじゃねぇか。」

龍儀は黙って見た。

「実際、俺の方が強いのはわかりきってるが、それがわからないバカがいるみてぇだからな。白黒つけようじゃねぇか。」

「くだらん。」

「負け惜しみかぁ?もしあんたが勝てば今回のクエストの報酬はあんたのもんになるぜ。」

「それ、俺が勝っても何のメリットもない。」

「じゃあ、こうしよう。勝った方が何でも負けた方に命令できるでどうだ?」

「何でも・・・願いを一つか?」

「あぁ!願いを何でも一つだ。どうだ?」

「・・・いいだろう。」

「リューギ!」

「龍儀さん!」

心配する二人を他所に龍儀とデーリッヒは静かに笑った。

受付嬢の魔生石(クリスタル)講座


「はじめまして、受付嬢のリシャナです。本編ではほとんど名前がないモブみたいな扱いですが、ここでは主・人・公・です!それでは、受付嬢講座を始めたいと思います。記念すべき第1回は魔生石(クリスタル)についてです。魔生石(クリスタル)とは、全てのモンスターが持っている魔力から生成されます。冒険者はモンスターを倒した証拠として魔生石(クリスタル)をギルドに渡します。魔生石(クリスタル)にも種類があり、大きさや色で貰えるお金は変動します。ここからは言葉では分かりにくいと思いますので下をご覧下さい。」


魔生石(クリスタル)「残存魔力」

大きさ│残存魔力│値段

BB弾│0│銅貨1枚

ビー玉│1~20│銅貨2枚

ピンポン玉│21~50│銅貨5枚

ゴルフボール│51~150│銀貨1枚

テニスボール│151~250│銀貨3枚

野球ボール│251~350│金貨1枚

バレーボール│351~500│金貨2枚

サッカーボール│501~650│金貨3枚

バスケットボール│651~800│金貨4枚

ラグビーボール│801~950│金貨5枚

ボウリング玉│951~1100│金貨6枚

それ以上│1101~│金貨7枚以上



魔生石(クリスタル)「モンスターレベル」

色│レベル│値段

無色│1~10│銅貨1枚

白│11~20│銅貨5枚

黄色│21~50│銀貨1枚

赤│51~100│金貨1枚

紫│101~200│金貨5枚

緑│201~500│金貨10枚

青│501~900│金貨50枚

黒│901~999│金貨500枚

その他│不明│相場



「わかりましたか?このように、魔生石(クリスタル)は分けられています。これらを計算して値段をつけていきます。例えば、赤の野球ボール大の魔生石(クリスタル)の場合は金貨1+金貨1で金貨2枚となります。また、魔生石(クリスタル)にはたまにオレンジなどの珍しい色が出る時がありますがその場合、ほとんどの冒険者がギルドに出さず、マニアに売ったりするので表に出回ることはありません。最後に、魔生石(クリスタル)の質の良さや冒険者さんの信頼度や状況、モンスターとのレベル差によって値段が通常より上がる場合もあります。前回の龍儀さんの魔生石(クリスタル)がその例ですね。だって、ものすごく綺麗な黄色でしたから。あ、失礼しました。それでは、本日はここまで。では、第2回、あると思いますのでまた、お会いしましょう。さようなら~。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ