鬼城組
龍儀が桜に遊園地デートに誘った日の夜
あるホテルの一室で鬼城がシャワーを浴びていた。するとそこに一人のやくざが入ってきた。
「兄貴!兄貴のシマで勝手に薬を売買している奴らを見つけました!」
「そうかい、ご苦労さん。それと、10分後にここにくるように柳橋と小野寺に伝えてこい。」
「わ、分かりました!」
そう言ってやくざは出て行った。鬼城がシャワーから出てきた。その背中には蓮台の上で御経を唱える邪鬼とその周りには葉と花が一緒に出ている赤い彼岸花が彫られていた。
鬼城が着替えを終え、椅子に座るとノックの音がした。その後、二人の男が部屋に入ってきた。一人は筋肉質の大きい男、もう一人は眼鏡をかけた少し頬が痩けている男だった。
「報告。」
「端的に言えば、バカ共が調子に乗ってる。」
「それだけで処刑するには充分だな。」
「えぇ。そのバカ共が調子乗ったせいで今月の成果が先月に比べ12.7%減、このままですと来月の上納金が24.8%減る可能性があります。」
「しかも俺達の名を騙って売春斡旋や暴力事件、詐欺までやってやがるからウチの信用もがた落ちだ。」
入ってきた二人は鬼城に言われた通りに報告していた。報告を聞いた鬼城はため息をつきながら酒を飲んでいた。
「名前は売買するのに一番必要な物。それを勝手に使われると困るんだよなぁ。柳橋、打開案はいくつある。」
「5つほど。」
「バカ共を粛清する案は?」
「3つ。」
「その中で一番惨い方法をとれ。」
「了解しました。つきましては、羽賀を使いたいのですが。」
「その辺はすべてお前に任せる。」
「ありがとうございます。」
そう言うと柳橋と呼ばれた眼鏡の男が先に退出して次に筋肉質の小野寺が退出した。
部屋から出ていくと二人は早速行動に出た。
「小野寺、羽賀に連絡。この場所にいるバカ共を半殺しにしろと。」
「了解。」
小野寺は柳橋の指示通りにスマホである男に連絡した。
東京都のある港倉庫
その中には数人の高校生らしき男達がいた。
「やったな。」
「おぅ!俺の親父が海外から取り入れたこれで結構儲けたぜ。」
「それに鬼城組って言っておけばみんな逃げるし女は思い通りになる。最高だよ。」
男達が談笑していると倉庫内に一人の女性が入ってきた。その女性はスレンダー体型でリクルートスーツを着ていた。
「ん?何、嬢ちゃん。俺達が鬼城組と知って来てんの?もしかして、売春されに来た?」
男の一人が女性に近づいた瞬間、女性は鳩尾に拳を叩き込んだ。男は倒れ痙攣している。
「な、てめえ!俺達が鬼城組だと知ってやってんのか!?」
男が叫ぶと女性はその男の顔面をおもいっきり殴ってぶっ飛ばした。すると、女性の後ろから高身長の男が現れた。
「ウチの組員はバカばかりだが雑魚は一人もいないぞ。」
そう言った後から男は女性の頭を軽く叩いた。
「凛音、命令は半殺しだ。」
「あいつらが脆いのが悪い。」
二人が男達に近づく。男達は後退りしながら怯えていた。
「お、お前らまさか・・・」
その時、倉庫内に多くの男達が入ってきた。その中には柳橋や小野寺もいた。
「羽賀妹もいたのか?」
「何、悪い?」
「お前、加減しらねぇじゃん。」
小野寺が凛音と呼ばれた女性の頭を撫でていた。その後ろからきた柳橋が男達に詰め寄る。
「君達、バカがやらかしたおかげで生じたウチの損害。それをきっちり払ってもらいましょう。」
「お、俺を誰だと思ってんだ!?俺は中条安邦の息子だぞ!」
男が叫ぶが柳橋達は一切動じない。
「中条って誰?」
「確か、代議士だっけ?」
「えぇ。表では市民のためと言いながら裏では賄賂や裏金をしている小物です。」
「な・・・」
「なるほど、親が親なら子も子ってか。」
高身長の男が中条に近づいてかがんで中条の首を掴んだ。
「いいか。お前の親父が表じゃ大物でも俺達裏にとっては雑魚と同じだ。」
「羽賀響介。そいつらの手足を折れ。そして、なるべく殺さないように痛めつけろ。」
「了解。」
響介がそう答えた後、怯える男達の手足を折った後に暴力の限りを尽くしていた。
「とりあえず、あいつの親父を脅して当分の資金を得るとしましょう。」
柳橋が倉庫を出ようとすると着信音がした。スマホをとって出ると鬼城からだった。
「順調か?」
「はい。」
「それは良かった。で、次の話だ。明日の日曜日、関藤組との取引だ。」
「場所は?」
「今、大人気の遊園地、歌舞伎ライトパーク。」
「分かりました。」
鬼城からの電話がきれると柳橋は倉庫の中に戻った。そこでは羽賀達が虫の息状態の中条達を椅子に座らせていた。
「羽賀妹、ついてこい。」
「何?」
「兄貴から新しい指示だ。」
「本当!」
凛音は楽しそうに柳橋について行った。残った響介と小野寺はそのまま中条安邦への脅迫の準備を進めていた。
そして、例の遊園地に鬼城達が現れた。




