桜色の出会い
龍儀は学校の屋上である女子高生と出会った。彼女は綺麗な黒髪を靡かせて空を見上げていた。
すると、こちらに気付いたのか灰色の瞳で龍儀を見た。
「何?」
「いや、珍しいなぁって。」
「何が?」
「あ、いや、そうだなぁ。」
龍儀が言葉を濁していると屋上に数人の学生がやってきた。
「あれ、桜ちゃ~ん。こんなところにいたの。探したよ~。」
「何?」
リーダー格らしき男子高生が近づいて女子高生の肩に腕をかけた。
「ほら~。いつものあれだよ、あれ。」
「・・・」
女子高生は何も言わずに男子高生と一緒に屋上から去って行った。
その後、昼休みが終わり授業を受けていた。龍儀の席は窓側の一番後ろだった。そして、龍儀は気付いた。斜め前にさっきの女子高生がいることに。
(同じクラスだったのか。)
その日、龍儀はその女子高生が頭から離れなかった。
翌日、昨日と同じように屋上に行こうとすると階段の影にあの女子高生がいた。その周りには昨日、屋上にきた学生達のウチ、リーダー格の男子高生を抜いたメンバーがいた。
何か話しているようだった。すると、女子高生はお金をそのメンバーに渡していた。その後、そのメンバー達がいなくなってから彼女は屋上に上がった。龍儀もそのまま屋上に上がった。
龍儀はまた空を見ている女子高生を見ていた。女子高生もそれに気付いてこっちを見た。
「何?」
「カツアゲか?」
「そうね。」
「なんで抵抗しない。」
「めんどくさい。」
「ああいうのは一度成功すると調子にのるタイプだぞ。」
「それでも問題は起こしたくないの。」
女子高生はジーっと龍儀を見て話していた。その目線に恥ずかしくなったのか龍儀は目線を反らした。
「そういえば、名前何だったっけ。同じクラスみたいだけど全然知らなかった。俺は栄龍儀。」
「神室桜。」
彼女は神室桜と自己紹介した。龍儀は目線を反らしても桜をジーっと見ていた。
「何?カツアゲの次はナンパ?」
「悪いが今までナンパなんかしたことない。」
「そう。」
そう言って桜は屋上を後にした。
「桜、か。」
「龍儀、一目惚れか。」
「なんだ、陽雅翔!」
そしたら、いきなり龍儀の後ろから蛇谷が現れた。
「やっぱり、龍儀も男だな。ちゃんと好きな女ができるとは。しかも、クール系美少女!いやぁ、龍儀も隅に置けないなぁ。」
龍儀の背中を叩きながら喋っている蛇谷に龍儀はアイアンクローをした。
「このことは誰にも話なよ。」
「わ、わかった。」
「それとあの子の情報を頼む。」
「やっぱり気になるんかい!」
その後、龍儀は桜をじっと見ていたので授業が疎かになっていた。
その日、天倉市に数人の男達がやって来た。その男達の胸にはある紋が入ったバッジを付けていた。
「やっと来たで、天倉市。さてと、栄龍組の情報を手に入れんとなぁ。」




