栄龍組若頭 栄龍儀
ここは神奈川県のとある街、天倉市。ここは数多くの飲食店や遊戯場、キャバクラ、ソープランドなどの風俗店がある都市部エリアと一般層が多く住む落ち着いた住宅街エリアに大きく別れ、近くには大きな港町や海水浴場を臨む高級住宅・別荘地もある。そして、都市部から高速道路に乗るとすぐに東京に行ける交通の良さが売りだった。
その住宅街エリアには私立天倉中央高等学校がある。そこに、一人の高校生が通っていた。彼の名は栄龍儀。父親が組長を務めている栄龍組の若頭である。
しかし、彼はそのことを秘密にしている。理由は簡単だった。めんどくさいからだ。もし、自分が極道だとバレたら学校中が自分を警戒したり避けたりするのは明白だった。そうなれば、普通の学校生活は送れない。
だから、自分が極道の息子であることは知られないようにしている。
「よう、龍儀。」
後ろから声をかけたのは蛇谷陽雅翔だった。彼は龍儀の幼なじみで同じ2-Aクラスだった。彼の父親は警視総監だが龍儀の父親と仲が良く一緒にいることが多い。もし、そのことがバレたらクビになるのに全くバレることがない。ちなみに、蛇谷陽雅翔も龍儀の補佐として栄龍組にいる。
「ようってさっき会ったばかりだろ。」
「いいじゃねぇか。そんなの一々気にするな。」
二人が学校に入ると目の前に周りの学生達より一際大きい高校生がいた。
彼は月影重虎。元々は小さい頃に父親が栄龍組に借金をしたまま消息を断ってしまったために父親の代わりに借金返済している。本来なら内臓とかを売られるところを龍儀が自身のボディーガードとして雇ったために今もここで龍儀達と一緒にいる。ちなみに、龍儀より一歳年上だ。
月影は静かに龍儀を見た後、自分のクラスに戻って行った。
その日は何の問題もなく終わり、龍儀達三人は自宅に帰っていた。自宅は閑静な住宅街エリアにある。年期の入った木の門を抜けると旅館と間違うくらいに豪勢だった。
龍儀がある部屋に行くと二人の男が酒を飲んでいた。一人は渋い和服を着こなした中年男性、もう一人は眼鏡をかけ、高そうなスーツを身に纏った男だった。
「帰ってきたか、龍儀。」
「ただいま、親父。」
すると、和服を着た男が龍儀に声をかけた。この男が栄龍組組長の栄龍雅である。そして、もう一人が蛇谷陽雅翔の父親で警視総監の蛇谷海である。
「今日も問題無しか?」
「はい。何も問題ありません。」
「そいつは良かったな。」
龍儀が龍雅と話していると海が立ち上がった。
「そろそろ、東京に戻る。龍雅、ウチの息子を頼むぞ。」
「また、それか。酒飲む度に一々言うな。」
「わかったよ。」
そう言って海は家を出て行った。途中、息子の陽雅翔に会って談笑していたみたいだった。
海が帰った後、龍儀と龍雅は二人っきりになった。
「龍儀、俺は栄龍組を立ち上げてから20年が経った。そろそろ、組長を降りるつもりだ。そして、次の組長にはお前になってもらう。」
「分かりました。」
「相変わらず、迷いがない。それが長所になるか短所になるか。」
二人の話は深夜まで続いた。
翌日
いつものように学校に通い、いつものように屋上にいたらある女子高生に目がいった。彼女は制服の上からでも分かる形の整った大きくて綺麗な胸と引き締まったくびれと実りのいい尻をしていた。
彼女は自分を見ている龍儀に気が付くと灰色の瞳を龍儀に向けた。
この出会いが龍儀の人生を大いに変えることになる。
出てくる市町村、学校はフィクションです。




