防衛戦 その1 絶望を狩る虎
「グギァアアアアアアア!」
大きな鳴き声を上げ倒れるデッドリベンジャー。ライカ達はぜぇぜぇ言いながらその姿を見ていた。
「なんとか倒せたな。」
「うん。」
倒れたデッドリベンジャーを見たまま座り込んでしまったライカ達。しかし、デッドリベンジャーはもう1体いる。
ライカ達はレイシェル達の方へ行こうとした時、大きな地響きが鳴った。ライカ達が後ろに振り向くとデッドリベンジャーより大きな人影が見えた。
巨人だった。巨人はライカ達に近づいてくると手前にいるデッドリベンジャーを蹴り飛ばした。デッドリベンジャーはそのまま遠くへ消えた。
「何こいつ!?」
「まだこんなのがいるの?」
「もう、無理・・・」
「諦め、ない、で。」
巨人を見たライカ達は戦意喪失していた。疲労が溜まり過ぎて立つことさえままならなかった。
それを見ていたレイシェル達も同じだった。デッドリベンジャーの攻撃を避けながら巨人を見てしまった。
「嘘でしょ。デッドリベンジャーだけでも限界なのにあんなのまでいるなんて。」
ティマリアが巨人を見て絶望していた。ラメリアも言葉に出さなかったがティマリアと同じく絶望していた。周りの兵士達もゾンビやスケルトン、デッドリベンジャーの相手でくたくただった。そこに、巨人が現れたのでみんな、戦意喪失していた。
「まだ、諦めないぞ。」
しかし、その中でもローレライは必死にシーサーペントを出して攻撃した。その攻撃は効いていないみたいで巨人は棍棒の一振りで全滅させた。
「まずい。もう、魔力なんてないぞ。」
とうとうローレライも倒れてしまった。すると、今度はライカが立ち上がった。それに続いてグレンとルリカも立った。
「そうだよ。リューギ達が頑張っているんだから、あたし達も頑張って守らないと。」
「こんなことで龍儀さんが諦めるとは思いません。」
「魔力が尽きてもできることならまだあるはず。」
立ち上がり震えながらも巨人を睨み付ける三人を見たティマリア達も再びデッドリベンジャーを睨み付けた。
「そうよね。勇者の仲間がこんなところで諦めはしません!」
「えぇ。みんなを守らないとね。」
「はい。絶対に悪には屈しません!」
ティマリア達も必死に立ったが疲労からか足が震えていた。デッドリベンジャーは三人に光線を放とうとした瞬間、デッドリベンジャーの上からマント姿の男がデッドリベンジャーの頭を殴り、デッドリベンジャーを地に伏せた。
「!?」
いきなり現れた男に動揺するティマリア達。
「あなた、もしかしてシルフェウスで私達を救ってくれたあの時の方ですか!?」
ティマリアが真っ先に問いかけた。男はニヤリとしている。すると、デッドリベンジャーが起き上がり男に向かって炎を吐いた。
「危ない!」
男は炎に包まれた。しかし、その直後に炎から飛び出してデッドリベンジャーを殴り、頭を吹っ飛ばした。さすがに頭を失ったデッドリベンジャーはそのまま倒れた。
そして、目にも止まらない速さで巨人の方に走り出した。
巨人は笑いながらライカ達を見下している。ライカ達も残り少ない魔力を使って攻撃したが全く効いていなかった。
「さすがに、きついですね。」
「で、でも、諦めたくない!リューギが諦めないから!リューギが一緒にいるから絶対に諦めない!」
巨人は叫ぶライカに笑いながら棍棒を振り下ろした。ライカは目を瞑った。しかし、棍棒がライカ達に当たることはなかった。
おそるおそる、目を開けると目の前にいた男が片手で棍棒を止めていた。
「異世界でも慕われているとは。さすが、親父。」
「え?誰?」
「龍の息子だよ。」
そう言って男は棍棒を指の力だけで粉々に砕いた。巨人は驚いて下がった。ライカ達が男を見ると背中に三日月と虎が彫られていた。
そして、男は向かってくるゾンビ達を一蹴して払った後に空手の構えをした。
「あれ、あの時の?」
「あの時の構えだ。」
「えぇ、あの時の救世主よね?」
「まぁ、積もる話は後だ。」
そう言って男は巨人の顔の前までジャンプした。
「嘘!」
「凄い。」
「!」
「とりあえず、お前は邪魔。」
巨人の顔までジャンプした男はそのまま顔をおもいっきり殴った。殴られた巨人はそのままものすごい勢いで遠くに飛ばされた。
男はそのまま龍儀達がいる方向へ邪魔するゾンビやスケルトンを殴り飛ばしながら走って行った。




