セインフィーネ
ブライナーウルフ討伐後の龍儀のステータス
《栄 龍儀 Lv29》
HP 7777/7777 MP 300/300
AT 519 DF 267 SP 348
アビリティ[自由]
どんな束縛も受けず、どんな呪いも効くことはない
クエストから帰る途中にて
「ライカさん、さっきはありがとうございました。」
「いいよ、いいよ。結果的にクエストもクリアできたし。でも、リューギが最高位回復魔法を使えたのはスッゴく驚いた。」
「確かに、パーフェクトヒールは高位の聖職者や僧侶、大魔導師しか修得できないと言われていますので。」
「そうなんだな。」
「リューギ、ありがとう!」
「あぁ、お前を救えて本当に良かった。もう、あんな思いをするのは嫌だからな・・・」
((え・・・))
龍儀の一言に少し疑問をもった二人だが、悲しい表情で空を見上げている龍儀に質問することはなかった。
「で、でも、鑑定は使えないんだよね~、リューギ。」
「ん?あぁ、いろいろあって使えるのはこの回復魔法と錬成魔法だけだからな。」
そう言って龍儀は二人の前で金貨を生成した。
「ま、待ってください龍儀さん!錬成魔法で作った金貨は偽造金貨と呼ばれ、使用は禁止されてます。」
「でも、本物と見分けつかないから使えそうだけどな。」
「それは無理です。偽造金貨は錬成魔法で作られたため、魔力が宿っています。だから、使用すると一発でバレます。」
「へぇー、俺はわからないけど。」
「偽造金貨を見破れるのは一部の魔導師やそういうのに特化した警察ぐらいですから。でも、使おうと思わないでください。いいですか?」
「あぁ、わかった。偽造金貨の使用は禁止なんだろ?」
「その通りです。」
その一言を聞いた龍儀はひっそりと笑った。
3人が話あっているうちに、ヘイサゼオンへ到着した。早速、ギルドの受付に向かいクエストの報告を行った。
「はい、これでクエスト完了です。お疲れ様でした。後は、魔生石をこちらで換金致します。」
受付嬢の指示通りに龍儀は小さな魔生石12個と黄色い魔生石を受付嬢に渡すと受付嬢は目を丸くした。
「この魔生石は・・・」
「あぁ、ブライナーウルフっていうモンスターを倒したら出た。」
その一言に周りが響き始めた。
「ブライナーウルフを倒したってよ。」「嘘だろ。」「あのレベルでか?」「あり得ない。」
各々がざわめくなか龍儀は静かに受付嬢に話かけた。
「これでいくらになる?」
「あ、はい!こちらの魔生石が銅貨2枚、こちらの魔生石が金貨5枚、合計で銅貨24枚と金貨5枚になります。」
「ありがとう。」
金貨と銅貨が入った袋を受け取った龍儀はギルドを出ようとしたら、数人の男達に囲まれた。
「おい、嘘つくんじゃねぇよ。」
「騙して金受け取ろうなんて犯罪だぜ。」
「・・・証拠は?」
「あぁ!」
「騙した証拠がなけりぁ、ただの言いがかりだろ?」
「だったら、今見せてやる!」
そういうと男の一人が龍儀に殴りかかってきた。龍儀はそれを軽く避けると男の足を引っかけ転倒させた。すかさず、他の男達も殴りかかるが誰も龍儀に当てることなく、床に伏した。
龍儀はそのまま、ライカとグレンと共にギルドを後にした。
「ヤバいですよ、龍儀さん。」
「ん?何が?」
「あの人達、セインフィーネのメンバーです。」
「セインフィーネ?」
「セインフィーネはこの世界で最大最強のギルドです。その規模は凄まじく、ブルームスフィア連盟加盟国全てにギルド支部があるぐらいです。」
「で、あいつらはそのギルドのヘイサゼオン支部のメンバーってことか?」
「はい、ギルドメンバーは胸にギルドの紋章を型どったバッジを付けています。」
「まぁ、問題無いだろ。」
「問題無いって・・」
「それよりほら、分け前だ。」
そう言って龍儀は二人に袋を渡した。二人は袋の中を見ると、驚いた表情で龍儀を見た。
「ウソ・・・」
「こんなに、いいんですか?」
「あぁ、お前らのおかげでクエスト完了したしな。これで好きなもの買ってこい。」
それを聞いた二人は喜びながら、走りだした。
一方その頃、セインフィーネヘイサゼオン支部内
「へぇー、お前らそいつに手も足も出ずにノコノコ逃げてきたってわけか?」
ある一室で赤毛を逆立てた大男が龍儀にのされた男達にむかってメンチをきっていた。
「す、すみません、支部長!」
ひたすら謝る男達をよそに、彼はイライラしながら酒を飲み、椅子を蹴り飛ばしていた。
「くそ!そいつ、調子に乗ってんな。」
「そうね、生意気なボウヤには少しオシオキが必要かしら?」
「あぁ、イキり小僧には教えてやらないとな。誰にケンカを売ったのかをなぁ。」
その男、セインフィーネヘイサゼオン支部長「デーリッヒ・バイスゴール」はにやりと笑った。
その夜、二人と合流した龍儀は宿に向かった。部屋を二つとった後、ライカとグレンは同じ部屋に龍儀は一階のbarにいた。未成年が酒を飲んでいいのか少し迷っていたが、この世界は未成年でも冒険者になれば、制限付きで飲むことができると知ったので金貨を2枚だし、酒を嗜んだ。そこへ、ブロンドヘアーの女性がやってきて龍儀の隣に座った。
「はじめまして、あなたの噂は聞いてますわ。初めてのクエストでブライナーウルフを倒したのですって。お強いのですね。惚れてしまいそうですわ。」
「何の用だ?」
「出来れば、その時のお話をじっくりお聞きしたいですわ・・・二人っきりで。」
「悪いが自慢話は好きじゃない。」
「そうおっしゃらずに、いかがですか?もちろん、謝礼ははずみますわ。」
そう言って彼女は服を少しずらし、胸の谷間を見せた。
「あんた、名前は?」
「私、名前はエリサと言いますわ。よろしくお願いしますわ。」
「わかった。但し、少しだけた。」
「ありがとうございますわ!」
その後、二人は龍儀の部屋に入った。部屋に入ると龍儀は金貨の入った袋を机に置き、ベッドに座った。エリサも続いて龍儀の隣に座った。そのまま二人はエリサの買った酒を飲みながらクエストの話をした。
深夜、ライカとグレンが寝静まっている頃、
「悪いが話はここまでだ。少し酔いを覚ましてくる。」
そう言って龍儀は宿を出た。十数分後、部屋に龍儀が戻るとエリサはいなくなっていた、金貨の入った袋ごと。
「嫌な方の予想が当たってしまったか・・・」
そう言って龍儀はベッドで寝た。
翌日
「おはよう!リューギ。」
「おはようございます、龍儀さん。」
「あぁ、おはよう。」
起床した3人は朝食を済ませ、ギルドに向かった。
「次は、どのクエストをしますか?」
「リューギならなんでもできそう。」
「いや、俺はなんでもできるわけじゃないからな。ここは堅実にEかDにしたい。」
龍儀達がクエストを選んでいると、後ろから一人の男性が近づいてきた。その男はスキンヘッドで糸目、神父のような格好をした30代ぐらいの男性だった。
「冒険者さん、もし迷っていますならこちらのクエストはどうですか?」
その男は難易度Dのクエスト用紙を見せた。
「《村の畑や家畜を襲うモンスターの調査及び討伐》か、確かに難易度は低いな。ところで、あんたは?」
「おぉ、申し訳ありません。私はセインフィーネヘイサゼオン支部のゲイス・ライモンドと申します。」
ゲイスと名乗った男性は、自分はあまり強くないうえ、気が弱いため、ここの相談役をしていることを話した。
龍儀はゲイスの提案通りのクエストを受けることにした。
「クエストを受注致しました。では、こちらの依頼書をご持参ください。」
「依頼書・・・」
「はい、こちらのクエストはギルドの依頼ではなく、他の依頼人がギルドに依頼したクエストなのでこちらの依頼書が必要になります。この依頼書に依頼人のサインを記入していただき、はじめてクエストクリアになります。」
「なるほど、ありがとう。」
龍儀は受付嬢の説明通り依頼書を受け取った。
そこに、ギルドの入り口から男達が入ってきた。そのその中心にいる男こそ、デーリッヒ・バイスゴールだった。その男の隣にはエリサもいた。彼女は龍儀を見るなりニコッと笑った。龍儀もそれに対し彼女に笑いかけた。驚いた表情をするエリサ。デーリッヒは龍儀に近づいた。
「はじめまして、龍儀君。私はセインフィーネヘイサゼオン支部長、デーリッヒ・バイスゴールだ。昨日はうちの仲間がすまないことをした。」
デーリッヒはそう言って龍儀に握手を求めた。龍儀はそれに答え、握手した。
「ほぅ~、このクエストを受けるのか。良かったら俺達も同行したいがどうだ?」
デーリッヒが提案した瞬間、ギルド内の一部の人達がデーリッヒ達を睨んだ。龍儀はその光景を見た後、デーリッヒの提案をのんだ。
「それじゃあで俺達も彼と同じクエストを受ける。いいだろ?」
「は、はい。かしこまりました。」
受付嬢の反応が少しおかしかった。
「それじゃあ、早速行こうか。」
「あぁ、先に行ってくれ。」
デーリッヒ達はギルドから出て行った。龍儀はそれを見送ると受付嬢にある頼みをした。
「すまないが・・・」
ライカの種族は狼の獣人です。




