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【完結】転生極道は異世界でも家族をつくりたい  作者: 鎌宮 和明
第1章《出会い》 ヘイサゼオン編
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最初のクエスト

ライカのステータス


《ライカ・ウォルフィル Lv 10》

HP 987/987 MP 111/111

AT 123 DF 99 SP 187

アビリティ[無し]

龍儀とライカは森を抜けると、大きな塀に囲まれた街を見つけた。その街の名は【ヘイサゼオン】 正六角形の塀に囲まれた街で面積は東京都の約半分、内陸部に位置するため、海産物はないが農業や酪農、工業を中心に栄えていた。

「ここに行くか。」

「うん!」

龍儀はライカと目を合わせ、ヘイサゼオンに向かった。その途中、ライカが怪訝な表情で龍儀を見つめていた。

「ん?どうした、ライカ?」

「リューギ、口に咥えているの臭い。」

「え・・・」

そう、この世界にはタバコは存在せず、ライカにとってタバコはただの臭い煙を出すだけの棒に見えるのだ。

「・・・」

「どうしたの、リューギ?」

濁りのない目で見つめているライカに龍儀は何も言わず、タバコの火を消した。

「悪かった。気をつける。」

「ありがとう!リューギ!」

屈託の無い笑顔で礼を言うライカに対し龍儀はまた何も言わず、空を見上げた。

(しばらくは禁煙だな。)



ヘイサゼオンにたどり着いた二人は、門の前で門番に止められていた。

「ここには何の目的できた?」

「旅人でな。旅の途中で立ち寄った。」

「あぁ、なるほど。」

二人の門番は龍儀の顔を見るなり、何とも言えない表情になっていた。

「その顔の傷は?」

「昔、色々あってな。彼女にも顔に傷があって誰にも見られたくないと。だから、何も聞かないでくれ。」

「わ・・・わかった。」

デリケートな問題に対し何も言えなくなった門番達は二人を通すことにした。龍儀は門を通る時にライカを脇に寄せながら、門番にある質問をした。

「そういえば、この辺りは亜人に対して差別意識があるみたいだが、なんでだ?」

「あぁ、確か10年ぐらい前にこの街の領主と他国からきた貴族が亜人に殺害されて以降、今でも亜人を憎むようになったと聞いたけど。」

「なるほど、ありがとう。」

龍儀は礼を言うとそのまま街に入っていった。街の中は広く、活気が溢れていた。綺麗な街並み、並ぶ店、大きなステージで踊る踊り子達、街の中心にある大きな屋敷と日本とは違う世界に龍儀は改めて異世界にきたことを実感した。

街を歩く龍儀とライカだったが周りからの視線を感じていた。それもそのはず、見たことないスーツ姿に顔の火傷と刀傷は注目を集めるのは当たり前だった。

だが、そんな視線も気にせず龍儀はある建物の前で止まった。その建物は周りの建物より一際大きく看板には《ギルド》と書かれていた。

龍儀はその建物にある掲示板を見ると「冒険者、随時募集中」と書かれていた。

「冒険者・・・」

「リューギ、冒険者を知らないの?」

ライカが小声で龍儀に聞くと龍儀は「あぁ」と小声で答えた。

「冒険者ってのはギルドの依頼を受けてクエストをこなし、お金を貰う人達のことだよ。」

「なるほど、クエストか。ありがとうな、ライカ。」

礼を言いながらライカの頭を撫でると「えへへ」と小さく喜んだ。

龍儀とライカは建物に入ると中はビアガーデンにあるようなテーブルと椅子があり、そこらで冒険者らしき人達が食事や談笑をしていた。その奥には受付と外より大きな掲示板があった。龍儀は迷うことなく受付に向かった。

「いらっしゃいま・・・」

龍儀の顔を見た受付嬢は言葉を失った。

「あぁ、この傷は守るために戦ってついた傷だ。気にしないでくれ。」

「あ、はい。すみません。いらっしゃいませ。今日はどのようなご用件でしょうか?」

「冒険者になりたい。どうすればいい?」

「はい、冒険者になるにはこちらの契約書にサインを書いていただき、登録料金貨1枚いただきます。」

そう説明すると受付嬢は契約書を龍儀に渡した。契約書は全て日本語で書かれていて、一番下に名前を書く欄があった。龍儀はそこに名前を書き金貨1枚を受付嬢に渡した。

「え~っと。」

「ん?あぁ、さかえ りゅうぎと読む。よろしくな。」

「はい、ありがとうございます、栄龍儀さん。今、冒険者のライセンスカードを作りますので少しお待ちください。」

受付嬢はそう言って奥に消えていった。待っている間、龍儀は辺りを見渡した。この場にいるほとんどの人が龍儀を見てこそこそ話していた。

しばらくして受付嬢が戻ってくるとキャッシュカードぐらいの大きさのカードを龍儀に渡した。

「これで冒険者の登録が完了しました。ところで、そちらの方は?」

受付嬢がライカに話かけようとした。ライカは顔を隠しながら龍儀の後ろに隠れた。

「この子は旅の連れでまだ、冒険者になりたいと思ってなくてな。」

「あ、かしこまりました。では、あちらの掲示板からクエストをご自由に選べますので依頼が決まりましたらこちらに来てください。」

龍儀は「わかった」と返事すると掲示板に向かった。掲示板には多くの張り紙があり、それぞれに難易度E~AとSが書いてあった。

「これ、Eが一番簡単でいいんだろ。」

「うん、そうだよ。」

龍儀はライカに確認をとると、難易度Eと書かれてる1枚の張り紙に手を伸ばした。すると、その張り紙に龍儀と同じタイミングで手を伸ばした少年と目があった。

「え、え~っと、あの~」

少年は龍儀の顔を見るなり強張った表情をした。

「少年、一緒にやるか?」

「え、い、いいんですか。」

「あぁ、数が多い方が効率的だからな。」

「分かりました。ありがとうございます。」

龍儀はその少年と一緒に張り紙を受付嬢に渡した。

「はい、それでは《難易度E ライナーウルフ10体の討伐》を受注しました。頑張ってください。」

受付嬢に見送られ、3人はクエストに行くのであった。



ヘイサゼオンから南西のクエスト場所に行く途中

「あの~、名前はなんて言うのですか?」

「そういえば、自己紹介がまだだったな。俺は栄龍儀、こいつはライカだ。以後、よろしく。」

「はい!よろしくお願いします。僕はグレン・バーンスレインと言います。正直、一人でクエストに行くのは心細かったので二人が来てくれて助かりました。」

「仲間はいないのか?」

「え~っと、実はこれが初めてのクエストなんです。」

「じゃあ、初めて同士だな。」

「え・・・」

「ん・・・」

沈黙が続いた。


クエスト場所に到着した一行は、ライナーウルフを探していると、突然、龍儀が立ち止まった。

「どうしたのですか?龍儀さん。」

「いるな。」

「え。」

そう言って龍儀は刀を抜き、前方に向けると、奥から茶色に黄色の毛が混じったオオカミが数体現れた。

「ラ、ライナーウルフ!」

グレンが叫びながら剣を抜くと、ライナーウルフの1体が襲いかかってきた。グレンは剣でガードするが勢いにおされ、体勢を崩してしまった。その瞬間を見逃さず、3体のライナーウルフがグレンに襲いかかってきた。グレンはあまりの恐怖に目を瞑った瞬間、ライナーウルフ達は1体残らず、首を落とされていた。

「え・・・」

グレンが呆気にとられていると、龍儀が近寄り、

「大丈夫か。」

と、手を伸ばした。龍儀の周りには、ライナーウルフの死体が数体転がっていた。

「すごい・・・」

あっという間にライナーウルフを倒した龍儀に驚愕するグレンの無事を確認した龍儀はライカを探していると、丁度、ライナーウルフを倒したライカがいた。

「これで大体、10体か。」

ライナーウルフの死体を確認すると、12体のライナーウルフの死体があった。すると、ライナーウルフの死体から光の粒子があふれ、死体が消えるとそこには、小さな結晶があった。

(これは・・・)

龍儀が結晶を見ていると、ライカが結晶を拾い、龍儀に渡した。

「これは、魔生石(クリスタル)って言うんだよ。魔物はみんな魔力を持っていて、死んでしまうとその時の魔力の残りが結晶化するんだ。冒険者達はこれをギルドに渡すことでクエスト完了するんだよ。」

ライカの丁寧な説明に感謝しつつ、魔生石(クリスタル)を拾っていると、グレンが龍儀に近寄り

「龍儀さん、さっきはありがとうございました。」

「いや、生きていて良かった。」

「あ、あの。」

「ん?どうした。」

「龍儀さんを鑑定していいですか?」

「鑑定?」

「え・・・龍儀さん、鑑定知らないのですか?」

「あ、あぁ知らない。」

「え~!鑑定って言うのは相手のステータスを見る魔法のことです。冒険者達は鑑定を使って相手の強さを見て戦うか逃げるかを選ぶんですよ。」

「まっっったく、知らなかった。」

そう言いながら龍儀は膝から崩れ落ちた。その姿を離れた場所から静かに見守るライカであった。

「と、とりあえず、鑑定はしていいぞ。」

「あ、ありがとうございます。では、鑑定!」

そうグレンが叫ぶと、龍儀の前にステータスが表示された。


《栄 龍儀 Lv13》

HP 4250/4250 MP 189/210

AT 385 DF 191 SP 222

アビリティ [自由]

どんな束縛も受けず、どんな呪いも効くことはない


「す、すごいです。龍儀さんのHPは普通の人のレベルに比べてかなり高いですよ。」

「まぁな。」(あの女神からもらったポイントを全部つっこんだからな。)

「アビリティも持っているのも羨ましいです。僕はまだ、16歳なのでアビリティがもらえるか心配です。」

「大丈夫だろ。」

「はい!」

談笑している時、急に龍儀の顔が険しくなりライカの後ろを睨んだ。

「ライカ!」

「うん、後ろに何かいる。」

「また、ライナーウルフでしょうか?」

3人が睨む先の木陰から虎より大きなオオカミが現れた。見た目は、ライナーウルフに似ているが顔はより恐ろしく、身体中の毛は針のように鋭くなっていた。

「か、鑑定!」

すかさず、グレンが鑑定を使って見ると


《ブライナーウルフ Lv32》

HP 3985/3985 MP 369/369

AT 505 DF 417 SP 290

アビリティ [無し]


「ブ、ブライナーウルフ!ライナーウルフの進化形。まずいです。逃げましょう!」

「そうだよ、龍儀!逃げよう!」

「あぁ、あいつが逃がしてくれるならな。」

ブライナーウルフを睨む龍儀。ブライナーウルフはヨダレを滴ながら3人に近づいてきている。もちろん、逃がすつもりはない。互いに睨みあうなか、ブライナーウルフが口を開くと中から火球を吐いた。

それを見てすかさず二人を連れ、避ける龍儀。それをブライナーウルフは見逃さず火球を連射し始めた。

「ちぃ!グレン、もう一度鑑定をしろ!」

「分かりました。鑑定!」


《ブライナーウルフ Lv32》

HP 3985/3985 MP 339/369

AT 505 DF 417 SP 290

アビリティ [無し]


「くそ!あんだけ射って、まだMPあるのか。」

「痛っ!」

「大丈夫か、グレン。」

「大丈夫です。ただの擦り傷です。」

「どうする…」

木陰に隠れ隙をうかがっているとブライナーウルフはさっきより大きく口を開けた。

「!」

気づいても時すでに遅し、火球とは違う技を使った。

《ストームブレス》

口から放たれたそれは3人と周りの木々を吹き飛ばした。3人は倒れ、ライカのフードが脱げてしまった。

「え、獣人?」

慌ててフードを被りなおすライカだったが、グレンはライカを見て言葉を失った。

「こ、これは。」

「ライカ・・さんって、まさか、じゅうじ…」

「前を見ろぉ!」

太腿に木の枝が刺さった龍儀の叫びで前を見た瞬間、ブライナーウルフが鋭い爪をたて、グレンに襲いかかってきた。それを絶望した顔でただ見ていることしかグレンはできなかった。 そして、





ライカが切られた。


「ラ、ライカさん!」

背中を切られ倒れるライカ、駆け寄るグレン。

「ライカさん、なんで・・・」

「なんで…だろう、あたし…体が勝手に・・・動いちゃった。」

「ライカさん・・・」

ブライナーウルフは二人を追撃しようするが、無理矢理枝を抜いた龍儀の威嚇射撃に反応し、龍儀に狙いを定め、ストームブレスを射つために大きく口を開けた。それを合図に龍儀は走りだし、ブライナーウルフの口の中に手榴弾を投げ入れた。そして、龍儀が二人に覆い被さった瞬間、ブライナーウルフの口が爆発した。

口から煙を吐き倒れるブライナーウルフ、その体は光の粒子に包まれ、野球ボールぐらいの大きさの黄色い魔生石(クリスタル)になった。

一方、血塗れのライカを抱え、涙ながらグレンは謝り続けた。

「ごめん、僕のために・・・僕なんかのために・・・」

「大丈夫だよ、グレン。全然後悔してないよ。だって役にたったから・・・」

そこへ龍儀が歩みよってきた。

「龍儀さん。」

「リューギ・・・」

「少し待ってろ。」

「「えっ?」」

龍儀がライカに手をかざすと、ライカの傷が光だし背中の傷は完全に消えていた。

「「え・・・」」

「これで大丈夫だと思うが、ライカ、痛いところはないか?」

「「え~!」」

ライカが元気になったのを確認した龍儀は、グレンの擦り傷を忽ち治した。

「も・・・もしかして、龍儀さんって最高位回復魔法(パーフェクトヒール)が使えるんですか~!!」

「あぁ、使えるぞ。」

「ウソ~」

ライカは目を点にして、グレンは赤面してライカを見ていた。

「もしかして、ライカさん・・・知ってました?」

「知らない知らない、知らなかった!あたしも今、初めて知った!」

「そりゃあ、お前らには初めて見せたしな。」

「「あははは。」」

二人はただ苦笑いするしかなかった。

こうして、初めてのクエストは無事(?)に終了した。








「あ!龍儀さんに鑑定魔法を授けるのすっかり忘れてました!」

グレンのステータス


《グレン・バーンスレイン Lv13》

HP 1035/1035 MP 98/98

AT 286 DF 195 SP 217

アビリティ[無し]

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