人造龍人
リチェリアがボルドと交戦している時
ライカ達は龍儀とはぐれ、森を走っていた。
「リューギがいないよ!」
「今は進むことだけ考えてください。」
キラリネはライカと一緒に進んでいること明らかに人工的に造られた扉を発見した。
「この島、やっぱり誰かいる。それも、かなりの技術を持った誰かが。」
「何これ?」
「おそらく鉄鋼でできた扉。でも、こんなの普通は見れないわ。」
キラリネは扉を触りながら分析した。この世界では鉄鋼は普通、剣やピストルの弾など限られたところにしか使われず、貴重なものである。それを扉に使うことはまずなかった。
「どうやって開けるの?」
「簡単よ。鉄鋼は熱に弱い。」
キラリネは光の球を凝縮させ、ドアノブに光を当てた。すると、ドアノブが徐々に溶け、扉が開いた。
「凄いね、キラリネ!」
「えぇ、行きましょう。」
キラリネ達はそのまま施設の中に入っていった。
施設の中を歩いていると明らかに人工的に造られたところというのが分かる。しかし、キラリネ達が見たこと無いような技術で造られている。
「何これ?明らかに自然のものじゃない。」
「どうやって作ったのかなぁ?」
「わからないわ。少なくとも、かなり昔からあると思うわ。」
進んでいるとキラリネ達は広い部屋に出た。そこはガラスの天窓から差す太陽光が幻想的で綺麗だった。
ライカが見とれているとキラリネは前の方を睨んだ。
「ねぇ、隠れてないで出て来なさい。」
「え!」
キラリネのいう通り奥から一人の男が現れた。光に照らされた姿を見た瞬間、キラリネ達は驚愕した。男には大きい翼と太くて長い尻尾があったのだ。
「まさか、龍人!」
「また龍人!」
「まさか、ここまでくる奴がいるとはな。」
男がキラリネ達を見ながら近づいてきた。
「ライカ、私達であの男を倒すよ。」
「え?」
「いつも、龍儀君やリチェリアちゃんに頼りっぱなしはいやでしょ。」
「うん、わかった。」
ライカとキラリネは同時に男に駆け寄った。セインフィーネのメンバーも後ろから魔法攻撃で援護をした。男はシールドで魔法攻撃を防ぎつつ、二人に炎魔法を放った。二人は左右に避け、キラリネは光魔法、ライカは風魔法で男に攻撃した。
男は翼を広げ、飛んで避けたのだ。ライカは睨んでいたがキラリネは冷静に男を見ていた。
「あなた、本当に龍人?」
「なんだと。」
「ライカ、あなたも知ってるわよね。海賊にいた龍人。あいつと比べると違和感だらけよ。」
「あ、確かに!なんか、飛び方が変!」
キラリネ達が男を見ると常に翼を羽ばたかせ、落ちないように飛んでいる。
「本物の龍人は空中に浮かぶ時はバタバタと羽ばたかせないの。あなたはまるで飛ぶ練習をしている雛鳥ね。」
「・・・雛鳥ねぇ。あながち、大ハズレじゃないな。確かに俺は元人間だ。そこに、ドラゴンの翼や尻尾を移植した人造龍人だよ。」
「人造、龍人。」
「そうだ!もう俺は龍人なんだよ!」
男は空中から炎で作った槍をライカ達に向けて投げた。ライカ達はそれを普通に避けた。
「なんか、全然恐くない。」
「そうね。本物の龍人の恐怖を知ってるからあなたが全然恐くないわね。」
「な。」
自分を恐れないライカ達に男は焦り始めた。
「ふざけるなぁ!俺は龍人だぞ!この世界でも魔族と同レベル、いやそれ以上の強さを誇る正真正銘の最強種族だぞ!」
「だから、あなたはその最強種族じゃないでしょ。私達と同じ人間。ただ、龍人に成り損なっただけの人間よ!」
「くそぉ!」
男は炎魔法を真下に撃つがキラリネは光のシールドで防いだ。
「ライカ、今よ!」
そして、壁を駆け上がったライカが男の上をとった。男が上を向くとライカは両手を男の胸に構えた。
「《レオ・ウルフェス》!」
男はそのまま地面に叩き落とされた。キラリネはそのまま落ちるライカを受け止めた。
「やったわね、ライカ。」
「うん、やっぱり両腕が痛い。」
ライカ達はそのままこの場を後にした。
謎の施設のある場所
「ここは・・・どこですか?」
ルリカが一人で迷子になっていた。




