助っ人
馬車から降りてきた人物を見た瞬間、ライカ達は驚愕し、言葉を失った。その人物は海賊、ローレライ・セイレーナだった。
「久しぶり。」
「ちょっと待って!」
手錠をかけたまま手を振るローレライにルリカが真っ先に異議を唱えた。
「彼女は海賊よ!」
「そうだ。だから選んだ。海の中じゃリチェと同じ、いやリチェ以上かもしれないしな。」
「でもこの前まで敵だったのよ。信用できない!」
「あ、その点は大丈夫。取引したから。」
「取引?」
「で、龍儀君。その倒してほしいのはどいつ?」
「あぁ、そいつはな・・・」
ザパーンという音とともに海上へ飛ばされたクラーケン。
「もしかして、あれ?」
「あぁ、あれだな。」
↓
四散するクラーケン。
「「?」」
↓
そのまま海に落ちるクラーケン。
「え?」
↓
海に漂うクラーケンの死骸。
「・・・もう帰っていいぞ。」
「ちょっと待ってえぇ!」
泣きながら龍儀の足にしがみつくローレライ。
「それはないでしょ!折角、取引したのに!」
「ねぇ、取引って何?」
「あんた達と一緒にあれ倒したら私達海賊全員の刑を軽くするって取引!」
ローレライが泣いていると馬車からモルガンが降りてきた。
「あら、久しぶりモルガン。」
「久しぶりだな、キラリネ。」
「あの~、モルガンさん。これって。」
「あぁ、龍儀が海にいる怪物退治にローレライの力を借りたいと言うからさっきの条件で彼女を貸すことになったんだが、さすがに不憫だな。」
「お願い!なんでもするから!なんなら、私の初めてをあげるから!」
「別にいらん。」
龍儀の一言にローレライは両手を着き、絶望していた。
「・・・自分で言うのもなんだけど、私って結構美少女だと思うんだよね。」
「あの~、安心してください。龍儀さんはこういう人です。」
「そうだぞ。リューギはどんな美少女にも振り向くことはないぞ。」
「もしかして、あんたって同性愛者?」
「今すぐここで俺が死刑執行人になってやる。」
「ごめんなさい!私が悪かったからやめて!」
「落ち着きなさい。」
刀を振り下ろそうとする龍儀をモルガンが止めた。
「とりあえず、当初はクラーケンを倒したら全員死刑は免れる取引だったんだが、さすがに不憫だから今回の島の調査に貢献したら死刑免除にしよう。」
「ありがとう!あんた、意外といい奴ね!」
「鬱陶しいからやめよう。」
「すみませんでした!」
「ねぇ、初めて戦った時とえらい違うわね。」
「必死なんだよ、こいつも。」
モルガンに土下座しているローレライを静かに見ている龍儀達だった。
しばらくして
ローレライは三隻の船の先端に繋がれていた。
「よし、引っ張れ。」
「無理でしょ!」
「役に立ちたいんだろ。だったら死にものぐるいで引っ張れ。」
龍儀はローレライを見下ろしながら命令していた。
「悪魔ー!鬼ー!」
「極道だがどうした。」
「龍儀さん、さすがにこれは可哀想です。」
「そうか。」
グレン達によって助けられたローレライだった。
島に向かう途中
船には龍儀一行とキラリネ率いるセインフィーネオルシア支部のメンバー、そしてローレライが乗っていた。
「助かった。」
「なんか、災難でしたね。」
「あ~、こんな時にギー君がいたらなぁ。」
「ギー君?」
「私達が飼っていたモンスターなんだけど、2年前にはぐれちゃったの。ギーって鳴くからギー君。」
「へぇ、どんなモンスターよ?」
「ドレイクシャーク。」
「・・・え?」
「だからドレイクシャークよ。」
「えぇ~!」
ローレライの発言にグレン達は驚いていた。
「ドレイクシャークって確か、ガットが刻んでいたモンスターだったな。」
「そう、海で一番危険なモンスターよ。」
「あなた、何故そんな危険モンスターを飼っていたの?」
「昔、私達の根城に傷付いて迷い込んできたの。多分、縄張り争いに負けたんでしょうね。その子を介抱して育てたら懐いてきちゃったのよ。で、私達も可愛くなって飼っていたってわけ。あの時、ギー君がいたら私達が勝っていたからね。」
「確かにあの規模に加えてドレイクシャークがいたら勝ち目はさらに薄かったと思うわ。」
「元気かなぁ、ギー君・・・」
ローレライの感傷とともに船は進んでいた。
そして、島に到着した。
「みんな、気を付けて行くよ。」
キラリネの声とともに船から降りた龍儀達。
すると、突然龍儀達は動かなくなった。




