不穏な影
パーティーをした次の日
龍儀達は街を出る準備をしていた。
「龍儀さん、もう行くんですか?」
「あぁ、俺達は旅人なんでね。」
「そうですか。名残惜しいです。」
「永遠の別れじゃないんだから悲しむな。またいつかは会えるさ。」
「そうですね!またいつか会いましょう!」
龍儀達とオルガロッドが別れの挨拶をしているとナタリー達やイリアム、ゴクロウ大臣、スノーラ姫も別れの挨拶にきた。
「オル君、抜け駆けはずるいよ。私達も龍儀君達に挨拶してないんだから。」
「ごめん、みんな。」
「またね、龍儀君!」
「さようなら。」
「龍儀様、お別れは寂しいです。でも、いつかまた会えると信じていますわ。」
「そうだな。龍儀君、君も正真正銘勇者だ。また会えるのを楽しみにしている。」
「ありがとうございます。」
龍儀一行はみんなと挨拶をしてシルフェウスを出発した。
「名残惜しいですね。」
「そうだな。」
「でも、楽しかった!」
龍儀一行の旅はまだまだ続いていく。
魔界、魔王城内部
ある一室にダーネットがいた。
そこは六角星の形をしたテーブルがある広い空間だった。
「くそ~、邪魔さえなければ。」
「あれれ~、ダーネット君負けちゃった?」
ダーネットが座った席の左隣に座っていた巨乳の悪魔みたいなロリっ子がダーネットをからかった。
「黙ってろ、淫乱女。」
「えぇ~、サキュバスはみんな淫乱だよ~。」
「だから黙ってろ。」
「エロエラ、話が進まん。からかうのは後にしろ。」
「は~い。」
「永遠に止めろ。」
ダーネットの向かいに座っている龍人の女性が二人を諌めた。
「それで、奴はどこだ?」
龍人の女性は右隣の空いている席を見ながら聞いた。
「さぁ、いつもの用事だろう。」
真っ先に答えたのは彼女の隣に座っている老人だった。
「またか、あいつ。そもそも私は反対だったのだ。人間が魔界に来るのすら許しがたいのに、まして魔王六星神になるなんぞ。」
「それには賛成だ。俺もあいつが気にいらねぇ。何か企んでいる。」
「だが、奴の技術は素晴らしい。これを利用しない手はない。」
「そうだ。そいつと同じ武器を使っているガキに会った。勇者の隣にいた奴だ。それと、金剛魔石を素手で破壊した奴。こいつらがいなければ、俺は勇者を殺せた。」
「見苦しい言い訳だな。」
「何?」
「とにかく、私は今でも反対だ。あんな奴が私達と同格なぞ認めん。」
「ねぇ、ディン君はどう思うの~?」
ダーネットの隣に座っているディンと呼ばれた鬼のような大男は黙って周りを見た。
「ウロフォロス、お前が反対しようが奴がカーロンを倒したのは事実だ。それに、魔王様の決定に反対するつもりはない。」
「うっ・・・」
ウロフォロスと呼ばれた龍人は黙ってしまった。
「さて、次はわしが行こう。」
すると、老人が立ち上がった。
「ドロドグロ、何か案はあるのか?」
「ある。が、その前に見たい物があるからそこに行ってからじゃ。」
「分かった。行ってこい。ただし、魔王様を失望させるなよ。」
「分かっておる。」
そう言ってドロドグロは消えた。
「しかし、何故奴は各地で戦争を起こしている。何が目的だ。」
鬼人は黙って空いている席を見続けた。
此れにて勇者の国編完結です。
次からは悪魔の孤島編です。
お楽しみに。




