勇者暗殺計画
リチェリアが龍儀達に魔王を封印した時のことを語っている時
国王の自室
そこにはオルガロッドとスノーラ姫とシルフェウス領主、イリアム・キリルエウスがいた。
「久しぶりだな、オルガロッド。2年ぶりかね?」
「はい、もうそれぐらいになります。」
「是非、今回の旅の話を聞きたい。」
「分かりました。」
オルガロッドは今回の魔族討伐の話を二人にした。
「さすが、魔王を封印した一族の末裔。素晴らしいものだ。」
「いえ、僕が魔族を倒せたのは共に戦ってくれたみんなのおかげです。」
「相変わらず、オルガロッドお兄様は謙虚ですわ。」
「あの、気になることがあるんです。」
「何かね?」
「その魔族が倒れる前、奇妙なことを言っていたんです。」
「奇妙なこと?」
「はい。「貴様を倒せば、私はまたサタンギルドに戻れる。」と。」
「サタンギルド?聞いたことないな。」
「はい、先祖の書物にもサタンギルドなんて一言も書かれていません。何か胸騒ぎがします。」
オルガロッドは聞いたことのないサタンギルドが気になっていた。
ある一室、リチェリアが当時のことを龍儀達に語り終えていた。
「やっぱり、魔王封印だけあって壮大ね。」
「凄すぎて言葉が出ない。」
リチェリアの話にみんなが驚いていると兵士の一人が慌てた様子で部屋に入ってきた。
「み、皆さん。大変です!魔物がこの街に攻め込んできました!」
「何!」
魔物が攻め込んでくる前
「もうそろそろか。じゃあ、始めよう。勇者暗殺計画を。」
そう言って男は持っている水晶に魔力を込め始めた。すると、一瞬でシルフェウスの周りにゴブリンやオーク、オーガなどの魔物が大量に現れた。
「まずは第1段階。」
シルフェウス城
「どういうこと!なんで魔物がここまで来ているのに気付かないの!?」
「それが魔物がいきなり魔方陣と共に現れたとの報告が。」
「魔物が転移魔法を使ったということ!?」
魔物の急な出現にナタリー達は急いで防衛に向かった。その後ろには龍儀達もついてきていた。
「ナタリー!」
ナタリー達の前に領主や姫、騎士団長と思われる人達と一緒にオルガロッドが駆けつけてきた。
「状況は!?」
「魔物が転移魔法を使ったみたい。」
「魔物が!?」
「オルガロッド、俺達も手伝う。」
「龍儀さん。ダメです。ここは僕達が相手します。龍儀さん達は早く安全な場所へ!」
「いや、オル。彼らにも手伝ってもらった方がいい。」
「ナタリー!いきなり何を!」
「オル、彼女を見て何か思わないか?」
「え?リチェリアさんを見て?あれ、リチェリアさん?」
「ん?確か、リチェリアって。」
「そうだ。オルや私の先祖と一緒に魔王を封印したのが彼女だ。」
ナタリーに言われてオルガロッド達が目を丸くしてリチェリアを見た。
「あ、確かに聖剣魔討伝説書に名前が載ってた。」
「えぇ~!」
「と、言うことだ。確実に戦力になる。ここは手伝ってもらった方がいい。」
「わ、分かりました。皆さん、お願いします。」
「はい!」
オルガロッドと龍儀達は急いで魔物討伐にでた。
シルフェウス
魔物は東西南北全ての門から攻めて来ている。
東門 リチェリア、ナタリー
西門 ライカ、シーナ
南門 ルリカ、ティマリア
北門 グレン、ラメリア
この配置で防衛することになり、国民は万一のため、シルフェウス城に避難、そこの防衛に龍儀とオルガロッドが就いた。
東門
「頼りにしていますよ、リチェリアさん。」
「わかった。」
リチェリアとナタリーが前衛として、目の前にきたゴブリン達から斬り倒し始めた。リチェリアは氷の刃を大量に作り、一瞬でゴブリン達を一掃した。
「さすが、伝説。生で伝説の戦いを見るとは一生の思い出ね。」
西門
「こっちも行くよ、ライカちゃん!」
「うん!」
ライカとシーナも魔物に向かった。二人は素早い動きで一番前にいるオークを翻弄し、隙をついて首を斬り、倒した。その後もすぐに他の魔物達に向かっていった。
南門
「行くわよ。」
「はい、ルリカさん。」
ルリカとティマリアは兵士達の後ろから魔法攻撃で援護していた。
ティマリアは兵士達が傷付くとすぐに回復魔法で治した。その間はルリカがティマリア達を守るように風の壁などで魔物達を牽制した。
北門
「任せたよ、グレン君。」
「分かりました!」
グレンが前衛を務め、ラメリアが後ろから援護する形で魔物達を倒していた。グレンは魔物の武器などを切った後、ラメリアが魔法で増やした矢を上空から撃ち込むことで魔物達を圧倒していた。
シルフェウス城正面門
「これで民衆は全員、避難完了です。」
「分かりました。」
国民の避難が終わったことを知ったオルガロッドは龍儀と一緒に正面門を防衛していた。
今のところ全て、門付近で足止めできているためここまで魔物は来ていない。それでも、二人は気を抜くことなく武器を構えている。
シルフェウス城内
そこには、魔物を送り込んだ男がいた。
「ほぅ。勇者がこっちにいるとは好都合。じゃあ、暗殺計画第2段階開始。」
そう言って男はピンポン球ぐらいの大きさの水晶に魔力を込め始めた。
東門
魔物を圧倒していたリチェリアが魔法攻撃をしていると急に魔法が消えた。
「え?」
「どうしました、リチェリアさん?」
「魔法が、使えない。」
「うそ、でしょ。」
ナタリーが周りを見ると魔法が使えないのはリチェリアだけではないようで魔法を使っていた兵士達も困惑していた。その隙に魔物達は雪崩れ込んできた。
「まずい!」
ナタリーが叫ぶももう遅く、魔物達は東門を突破してしまった。
西門
「ライカファング!」
ライカが魔法で魔物達を攻撃している。
「もう一発、ライカファング!・・・あれ?」
「どうしたの、ライカちゃん?」
「ライカファングが出ない。あれ、なんで?魔法が使えないよ!」
「え?・・・ホントだ!魔法が使えない!」
いきなり魔法が使えなくなったライカ達も魔物達に圧され、西門が突破された。
南門
「大丈夫?ティマリアさん?」
「大丈夫です。これぐらい。」
ルリカがティマリアを見た後、前にいるオーガに魔法攻撃をしようとした瞬間、魔法が使えないことに気が付いた。
「ティマリア!」
「うん。魔法が急に使えなくなった。」
「どういうこと!?」
「わからない。このままじゃ。」
二人が魔法が使えなくなったことに気をとられた隙にオーガが持っている棍棒で兵士達を凪払い、南門を突破した。
北門
グレン達が魔物を倒していると後ろからラメリアが叫んだ。
「まずいぞ、グレン!何故かわからないが急に魔法が使えなくなっている!」
「え!?」
魔法の援護がなくなってしまい、グレン達は雪崩れ込んでくる魔物達に少しずつ圧され、とうとう北門も突破された。
シルフェウス城正面門
門の前で二人が構えていると兵士の一人が慌ててやって来た。
「大変です!全門、突破されました!」
「え!?どういうことですか!?」
「それが、全部隊が急に魔法が使えなくなってしまい、数に圧されたとのことです!」
「そんな・・・」
「確かに、魔法が使えなくなっているな。で、一番ヤバいのはどこだ?」
龍儀は冷静に今の状況を分析していた。
「はい、恐らく南門かと。」
「南門ってことはルリカやティマリアさん達がいるところか。」
(ティマリア・・・)
「僕が行きます。」
「俺はここに残る。ここの守りをしないといけないし、気になることもある。」
「分かりました!」
そう言ってオルガロッドは南門に向かった。
「さて、気になるのは・・・」
龍儀はじっくりとシルフェウス城を見た。
シルフェウス城内
(ちっ。ここで勇者が離れるとは。まぁいい。このまま計画続行する。)
男は他の国民に紛れ、大広間に入った。そこにはスノーラ姫とイリアムと騎士団長の男とその護衛達がいた。
「安心してください。今、魔物がこの街を襲っていますが兵士達がいます。何より勇者、オルガロッド・クロスレイズ様がいます。この危機を必ず乗り越えるでしょう。」
スノーラ姫の演説に国民はホッとしていた。
「そうよね。」
「勇者様がいるから安心だ。」
「そうだ!勇者、オルガロッド・クロスレイズ殿がいる!魔族の過ちは勇者がいる時にこの街を襲ったことだ。だから、皆さん。安心してここにいてください。」
「いや、勇者がいるから今ここを襲撃したんだよ。」
騎士団長の声に答えるかのように男が騎士団長達に前に立った。そして、両手の指を伸ばした瞬間、指から闇の弾丸が放たれ騎士団長達を襲った。騎士団長は咄嗟に持っている盾で防いだが他の兵士達は撃ち抜かれ絶命した。
「な、貴様は何者だ!」
「俺はゴブリンカイザー、ダーネット。魔王に支える魔王六星神の第3星だ。」
「な、サタン、ギルドだと!」
突如、現れたダーネットにスノーラ姫達はオルガロッドの話を思い出していた。
「あなたの目的は私の命ですか!?」
「全然、違う。俺の狙いはただ一つ、勇者の命だ。もし勇者を殺せたらあんた達の命は保証してやる。」
不気味な笑いを浮かべダーネットはスノーラ姫に近づく。
「お前は人質だ。勇者を呼ぶためのな。」
そう言ってダーネットはスノーラ姫の前に立つ騎士団長を闇を纏った腕で殴った。騎士団長の盾を貫通し倒れる騎士団長。ダーネットは彼を持ち上げ外に飛ばした。
「お前は伝達役だ!勇者に伝えてこい!小娘の命が惜しければここにこいとな!」
騎士団長を投げ飛ばした後、ダーネットはイリアムをはね除け、スノーラ姫に手を掛けようとした。
その瞬間、怯える国民達の間から龍儀が現れ、ダーネットに斬りかかった。
ダーネットは龍儀の攻撃を避け、距離をとった。
「言い忘れてた。勇者を殺せたら命は保証すると言ったが邪魔すれば命の保証はないぞ。」
「上等。」
ここで龍儀vsダーネットの戦いが始まった。




