勇者達の伝説
龍儀vsオルガロッドの決着がついた後
「リューギ!」
「龍儀さん!」
倒れている龍儀にライカ達が駆け寄った。オルガロッドは息を切らしながらも立って龍儀達を見ていた。
「そういえば、僕達はなんで闘いをしてたんだっけ?」
「よくやったぞ、オルガロッド君!わしは信じておったぞ!お主が勝つと!」
「はい、嘘を言わない。」
そこに大臣と女性剣士がやってきた。
「これであの子はお主のパーティに・・・」
「入らない。」
「な、オルガロッド君が勝ったんじゃぞ。約束通りに・・・」
「その約束は大臣が勝手にした約束でしょ。それとも、私達じゃ不安とでも?」
「い、いやわしはお主達のことを思って。」
「あの、ゴクロウさん。僕達の前にあの人達のことを考えた方が?」
そう言ってオルガロッドは龍儀を指差した。そして、龍儀一行に近づいて手を差しのべた。
「大丈夫ですか?ごめんなさい、ついあの技を使ってしまいました。」
「いや、俺の負けだ。すまない、リチェ。」
「あ、龍儀。そのことなんだけど。」
「大丈夫だよ。約束とかないから。リチェ君はそのまま龍儀君達の仲間のままだよ。」
「なんじゃと!」
驚く大臣の頭に女性剣士は軽く拳で叩いた。
「そんな方法で仲間を入れたくないから。」
「な、ならオルガロッド君はどう思う!?」
「僕は彼女達の意見を尊重します。」
「なにぃ!」
「これで終わり。ごめんね。大臣が暴走しちゃって。そうだ、お詫びに城に案内するよ。」
「な、何を勝手に!」
「い・い・で・しょ、大臣?」
「は、はい。」
こうして、龍儀一行は城に迎えられた。
「あれ、何か忘れてない?」
シルフェウス城内
龍儀一行はオルガロッド達に案内され、城の中を歩いていた。すると、前から二人の女性がやってきた。二人ともオルガロッドの隣にいた女性達だった。
「遠くから見ていたよ。オルガ君と互角は凄いよ。私はラメリア・エーテナル。オルガ君のパーティで後衛をしているエルフよ。」
「わ、私はオル君のパーティで回復役をしています。ティマリア・ミカエルです!よろしくお願いします!」
龍儀達も自己紹介を済ませ、一緒に歩いていた。
「あ、リューギ。これ、忘れてた。」
そう言ってライカは龍儀に拳銃を返した。
「ありがとう、ライカ。」
「そういえば、それ何?」
「あぁ。拳銃、ピストルみたいなものだ。」
「へぇ~。見せて!」
「いいぞ。」
龍儀は拳銃をシーナに渡した。シーナが興味津々で触っていると方の勇者パーティ全員が触り始めた。
「リューギ、本当に大丈夫なの?」
「あぁ、安全装置がかかっている間は拳銃は暴発しない。」
「もし、外れたら?」
「外れたら・・・」
龍儀が説明しようとした瞬間、ズドンという銃声と共に拳銃が暴発してしまった。
シーナ達が誤って安全装置を外して引き金を引いてしまったのだ。
シーナ達が青ざめた表情で龍儀をおそるおそる見ると
「・・・こうなる。」
左耳が吹っ飛んだ龍儀がこちらを見ていた。
シルフェウス城のある一室
「ごめんなさい!」
「いや、弾を抜いていなかった俺にも非がある。」
土下座して謝るオルガロッド達に左耳を治した龍儀が申し訳なさそうな顔で謝っていた。
「拳銃、恐い。もう触りたくない。」
「それでいい。使い慣れないないものは使わない方がいい。使うのは練習して使い慣れてからの方がいい。今回みたいに失敗するぞ。」
龍儀達が話しているとグレンがおそるおそる声をかけた。
「あの、龍儀さん。何か忘れてませんか?」
「え?あ、グレン、祈りから戻ってきたのか。」
「やっと思い出しました!」
「うん、あたしもリューギに言われるまで忘れてた。」
「正直に言って私も忘れてたわ。」
「私も。」
「みんな忘れてたんですか!」
グレンに言われて龍儀達はやっと思い出していた。
「それでグレンはどんな恩恵になったの?」
「ここの女神って誰だ。」
「確かグレン君が行ったのが福女神のレンテン様のところだったわね。」
「はい。では、見せます。ステータスオープン!」
《グレン・バーンスレイン Lv80》
HP 4500/4500 MP 292/292
AT 1280 DF 641 SP 680
アビリティ[適応]
あらゆる環境のもとで活動出来る体になる
「適応?」
「はい、なんか闘いに向かない恩恵です。」
「気にするな。俺だって闘い向きの恩恵じゃないし、恩恵すら貰えない人もいる。それに、その恩恵もいつか役に立つことがあるだろう。」
「はい。」
龍儀達が恩恵について話していると一人の少女が部屋に入ってきた。
「お久しぶりです。オルガロッドお兄様。」
少女は上品な挨拶を交わし、オルガロッドの前に近づいた。
「スノーラ姫。どうかしましたか?」
「お兄様?」
「あら、申し遅れましたわ。私、セイントガード国国王、ケインズ・フェクスロウスの四女、スノーラ・フェクスロウスですわ。今はシルフェウス城で花嫁修業中ですわ。」
そう言ってスノーラはスカートを捲し上げ、龍儀達に挨拶した。
「お兄様、領主様がお兄様に今回の話が聞きたいとおっしゃっていましたわ。」
「分かりました。龍儀さん、僕はこれで退室します。皆さんはゆっくりしてください。」
オルガロッドはスノーラと共に部屋を退出した。
残った龍儀達の話題はリチェリアに向かった。
「そういえば、リチェリアさんってどこかで見たことあるような。」
「あ、私もある!リチェ君、どこかで会ったわけじゃないのに知っている気がするもん!」
「それは多分、これだと思う。」
ナタリーはそう言ってある書物を見せた。それには、オルガロッドの祖先が魔族を倒した話が載っていた。
「え?これって聖剣魔討伝説書じゃん。」
「そうよ。私の祖先が書いたものだけどここを見て。」
「えっと、魔王を封印したアラン・クロスレイズ、ジルベルト・レナード、ディンガード・クロムウェル、エイリス・ネフティ、リチェリア・アブロッサム・・・え?リチェリア・アブロッサム!」
200年前に書かれた本にリチェリアの名前が載っていたことに一同驚いた。
「えぇ!リチェさん、オル君の祖先と一緒に魔王を封印したんですか!?」
「うん、したよ。」
「そんなあっさりと。」
「まさか、あの伝説の当事者が目の前にいるなんて。」
「やっぱりリチェって凄い人なんだ。」
「凄いってレベルじゃないでしょ!あなた達、伝説と一緒に旅しているのよ!」
「リチェはそんなこと言わなかったからな。普通の女の子として旅していたな。」
「いや、レベルとか見たら普通じゃないと分かるでしょ。」
「いや、私は普通に見られた方が嬉しい。」
「あ、ごめんなさい。」
「大丈夫、慣れているから。」
「それより、リチェの伝説が知りたい!」
「私も知りたい!」
みんなにせがまれたリチェリアはその時のことを語りだした。
シルフェウス城正面門
そこに、一人の男が立っていた。
「もう少しで始まる。・・・勇者暗殺計画。」
そして、シルフェウスにはナクトリアを出発した龍儀一行を遠くから見ていた謎のマント姿の人物もいた。




