魔王軍の侵攻
セインクロス
セイントガードの首都で国の中で最も大きい街に龍儀達がいる。ここに来るのはドロドグロと交戦した時以来だ。何故、龍儀達がここにいるのかというと••••
「魔王軍の侵攻?」
「そうだ。ここ最近各地で魔王軍が侵攻、侵略が頻繁に起きている。ダーネットの件もそうだと思っている。」
「その対策か。」
「そういうことだ。」
活発になった魔王軍への対策のためだった。セインフィーネの本部に呼ばれた龍儀はレオナルドから事情を聞いていた。龍儀の周りには同じく呼ばれたキラリネやランスロット達セインフィーネ各支部のリーダー、オルガロッドに恵葉、さらにドーベル達もいた。その他にも傭兵やまだ知らない勇者達もいるみたいだ。
レオナルドは龍儀に今回の件を話すと壇上に上がり演説を始めた。
「君達に来てもらったのは他でもない!先日、ここから北にあるアライナド共和国が魔王軍によって陥落した!その前も魔王軍によって陥落した国は数知れず!これは何を意味するか!蘇った魔王が再びこの世界を支配しようとしているのだ!」
演説さるレオナルドの後ろにはセインフィーネのリーダー達とリチェリアがいる。レオナルドはリチェリアの方を見て頷くとリチェリアが壇上に上がった。
「魔王の名はギルベレスタ•アーグノイド。200年前に私達が封印した魔王よ。ギルベレスタは圧倒的なステータスに狡猾的な知能を持つ魔族を統べる王。当時の私達でも完全に倒すことは出来ず弱体化させ封印することしか出来なかった。」
当時者であるリチェリアが魔王について話す。龍儀も初めて知る魔王。女神フェアリスが倒してほしいと頼んだ存在だ。
龍儀はそのことを思い出しながらリチェリアの話を聞いていた。リチェリアが話を終わらせて壇上を降りる。レオナルドがもう一度壇上に上がる。
「魔王の復活方法はまだ解明出来ていない。けど、今必要なのは解明より魔王軍を迎え撃つことだ!そのために明日、魔王軍がいるアライナド共和国に向けて出陣する!みんな、手を貸してくれ!」
レオナルドの演説が終わるとみんな拍手した。リチェリアが龍儀のところに戻る。
「お待たせ。」
「ああ。そういえば、魔王のこと今まで聞いてなかった。」
「あたしも!」
「そうね。」
龍儀達が会話しているとオルガロッドや恵葉達がやってきた。この前蛇谷達と戦っていた恵葉は一瞬嫌な顔をするがすぐに戻して龍儀に近付く。
「お久しぶりです龍儀さん。」
「と言っても1ヶ月ぐらいだけどね。」
久しぶりの再会に会話が弾む。すると、レオナルドがやってきた。
「龍儀さん、お話があります。」
「ん?」
レオナルドほ周りを気にして龍儀を別室へ案内する。別室に入り誰もいないことを確認するとレオナルドは振り向いて龍儀に質問した。
「龍儀さん、ライオットが何者か知っていますか?」
その瞬間、龍儀は険しい顔をした。今、龍儀の過去が動き出す。
魔界、魔王城内部
ある部屋の円卓にウロフォロス、エロエラ、ライオット、そしてディンガードがいた。しかし、ダーネットはこの場にいない。ディンガードはダーネットの居場所をみんなに聞く。
「ライオット、貴様ダーネットがどこにいるか知ってるな?」
「いや。俺が聞いたのは栄龍儀を暗殺しに行くとだけ。もしかしたら栄龍儀に殺られた可能性がある。」
「貴様、何を隠している?」
「いろいろ。秘密主義者なのでね。」
ライオットののらりくらりとした態度が気にいらないのかウロフォロスが手から放つ波動でライオットの仮面を破壊した。
「貴様の行動は目に余る。本性を見せたらどうだ。」
仮面が割れライオットの素顔が露わになる。ライオットは割れた仮面の一部を持って眺めた。
「あーあ。結構この仮面気に入ってたのに。」
「黙れ!貴様何を企んでいるか洗い浚い吐いて•••」
「そこまでだ。」
ウロフォロスがライオットに詰め寄ろうとした時、コツッコツッと階段を降りる音と共に重厚感のある声が響いた。その声の主は階段を降りディンガード達の前にやってくる。
そう。その男こそ200年前にリチェリア達が苦闘の末封印した魔王ギルベレスタだった。ギルベレスタは笑いながらやってくる。
「ライオットが何を企んでいるかは後で聞けばいい。今は人間界の征服が先だ。」
ギルベレスタに言われウロフォロスはブツブツ文句を言いながらも大人しく座った。ギルベレスタはライオットの真向いに椅子を生成して座る。
「さてライオット、オチミヤビの生産状況はどうなっている?」
「依存性、幻覚作用を大幅に軽減は出来ましたがその反面脳に多大なダメージを及ぼす可能性があります。なので、多少の依存性には目を瞑ってもらえれば幻覚作用と脳へのダメージを抑えれるように改良します。」
「そうか。その案を採用しよう。量産を急げ。」
「了解。」
話が終わりギルベレスタは椅子を消滅させて去って行く。
「魔王様がああ言うなら俺も従う。が、貴様の企みは必ず暴く。それを覚えておけ。」
「分かってるさ。」
ディンガード達が立ち上がるとライオットも立ち上がって部屋を出る。
「もう少し。もう少しで俺の計画が最終段階に入る。」
ライオットは仮面の欠片を握り潰し誰にも見えないようにニヤリと笑った。




