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価値

 ルドザニア王国某所

 広い草原の中に豪邸があった。その一室ではライオットがクラシックを聞いていた。この家はライオットが各地に造った別荘の1つだった。

 ライオットが1人で聞いているとドアをバンッと開けダーネットが現れた。ダーネットはあの時転移石を使って殺られる直前に逃げていたのだ。

 ダーネットはぜぇぜぇと息切れしながらライオットに近付く。

「おや、どうかしました?」

「てめぇ、なんなんだこの薬!?」

 ダーネットはオチミヤビが入った袋をライオットの前に投げつける。

「オチミヤビ、知っているだろ?俺が開発した新時代の強化薬だ。」

「そんなことは分かってんだよ!」

 ダーネットはオチミヤビをテーブルごと踏みつけてテーブルを真っ二つに破壊した。

「あーあー。そのテーブル、細部にまで拘った特注品の世界に1つしかない金貨150枚もする高級品だぜ。」

「黙れ!てめぇ、こいつは魔族には依存性や幻覚作用はないって言ったよなぁ?」

「そう改良はしたが?」

「こいつを打った瞬間、魔法が使えない、いやそれすら考えることが出来なくなったじゃねぇか!」

「なるほど。依存性や幻覚作用を抑えた結果脳に深刻なダメージがきたか。」

「てめぇ、俺を実験体にしやがったな!」

 ダーネットは怒りクラシックが流れているオーディオプレーヤーや近くにあったテレビ、花瓶などを壊して暴れまわった。

「おいおい。勘弁してくれよ。その絵も花瓶もかなりの高級品だよ。」

「そのヘラヘラした態度をやめろ!てめぇは俺達魔族の資金提供が仕事だろ!この程度のはした金すぐ稼げるだろうが!」

 ダーネットがライオットの胸ぐらを掴む。すると、さっきまで軽く受け流していたライオットがダーネットの腕を掴み殴り飛ばした。

 ガラス戸に激突し顔を押さえるダーネット。いきなりのことに驚く 。ライオットは立ち上がると首を鳴らし服装を直しながらダーネットに近付く。

「そういうことじゃないんだよ。物の価値を分からんのが問題だ。オチミヤビもそうだ。お前はこれの価値も分かっていない。その点ドロドグロさんは分かっている。」

 ライオットはダーネットに近付くと彼の顔を蹴りガラス戸を割って外に飛ばした。

「どうせお前はろくに確かめず使ったんだろ?ドロドグロさんはこれがどういう物か知るために俺と一緒に実験を繰り返したからこれの危険性も改良点も分かっていた。」

 ライオットは外に出てダーネットに近付く。今までと違う雰囲気のライオットに一瞬戦慄したダーネットは転移石をばら撒きゴブリンやオークを召喚した。

「てめぇ、やってくれたな。お前らぁ!こいつを八つ裂きにしろ!」

 ダーネットが叫んで命令する。しかし、誰も従わなかった。

「な、何故だ!?てめぇら、何故俺の命令に従わない!?」

「自分の価値も分かってなかったか。お前がこいつらを従わせているのは魔王様から貰った恩恵(アビリティ)のおかげであってお前自身のカリスマじゃない。」

 ライオットの発言でまさかと思いダーネットは自分のステータスを見る。そして、再び戦慄した。

「て、てめぇ•••」

 ダーネットがライオットを睨んだ瞬間、ライオットはデザートイーグルを取り出しダーネットの両肩と両足を撃ち抜いた。

「金貨435枚、銀貨1264枚、銅貨2809枚。さっきあんたが壊した物の総額だ。窓ガラスの銀貨125枚はまけといてやる。」

 ライオットは動けなくなったダーネットの前に立つ。龍儀達との交戦で受けたダメージとライオットが付けたダメージでダーネットは応戦出来ない。

「とりあえず使える内蔵は全部借金返済に使わせてもらう。それと、オチミヤビの実験に付き合ってくれたことに感謝するよ。」

「な、なんだと••••?」

「最後に1つ。君は勘違いしていると思うが君はゴブリンの中では強いだけだ。だから、アンチマジックフィールドで相手の魔法を妨害しなければ勝てない。ということは魔法無しで強い奴にはお前は無力だ。龍儀ちゃんの時のようにな。」

 ライオットは仮面の下で笑うと立ち上がりダーネットから離れる。

「やれ。」

「ら、ライオットー!」

 ダーネットが叫ぶ。抵抗が出来なくなっているダーネットにライオットの命令で動いたゴブリン達が襲う。骨が折れる音、体が斬られる音、何かが潰れる音、聞くに耐えない生々しい音が響く中ライオットは別荘へ帰って行く。その途中、ライオットが指を鳴らすと隣にゲテンが現れた。

「ここに。」

「使える部位の摘出と冷凍保存の準備をしろ。」

「畏まりました。」

 ゲテンは頭を垂れ動かなくなったダーネットの方へ向かう。ライオットは雲1つない青空を見上げる。

「やっぱり俺にはクラシックは似合わないな。次会う時はもっと激しい曲にしよう。会える時が楽しみだ龍儀ちゃん。」

 ライオットは空を見上げたままニヤリと笑っていた。

次で家族編は終了です。

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