奴隷会場潜入作戦
ギスマルク邸内大ホール
「いやぁまさかあのハイエルフの王女が買えるとは思いもしませんでしたよ。」
「おい、まだあんたもものになったわけじゃないぞ。」
「今回のオークションは過去最高金額が出るでしょうねぇ。」
大ホール内では仮面を着けた貴族が所有している奴隷を引きながらオークションの話をしていた。その様子をステージ裏からバードル達がニヤニヤしながら見ていた。
「フッ、下品な豚共め。せいぜい、いい金づるになってもらおう。」
「バードル様。」
「なんだ?」
「また、海外への奴隷商船が海賊に襲われました。」
「またか。くそ!セインフィーネにバレないように商船や貴族の船に偽装したというのに無法者共が。」
「いかがしますか?」
「しばらく、奴隷輸出は無しだ。海賊が邪魔だ。」
「それは賢明な判断です。その海賊は規模も強さも不明。下手に手を出すよりセインフィーネを使い、海賊を消してから再開すればいいでしょう。」
「ほぅ、あんたか。情報提供感謝するぜ。何せ、あのハイエルフの王女を奴隷に出来たからよ。」
バードルに提言した男が奥から出てきた。魑魅魍魎と名付けた仮面を着けた男、ライオットだった。
「えぇ、ありがとうございます。しかし、お気を付けて。彼女の仲間が取り返しに来る可能性があります。」
「仲間?あぁ、あの男か。あいつなら今頃、死んでるから問題ない。」
「その男の死体は調べましたか?」
「調べるまでもない。それにもし生きてここにきたとしても今度は確実に殺せばいい。」
「分かりました。では、お気を付けて。」
ライオットはそのまま奥へ消えた。
「チッ。何考えているかわからん奴だ。」
去るライオットを見て舌打ちするバードルはそのまま奥に向かった。
「バードル様、どちらへ?」
「拷問室だ。丁度いい玩具が手に入ったからな。」
ギスマルク邸門前
「えーと、ログルド国イヴェンタのレタロ・マーチス様と獣人の奴隷ですね。今回が初めての参加となりますので、少し説明致します。会場は玄関に入って真っ直ぐ進んだ先にあります。今回はなんと、ハイエルフの王女が出品させます。レタロ様もお楽しみください。」
そのまま馬車はギスマルク邸内の馬車置き場に着いた。着くとすぐにいつもの服に着替え、二人の手枷を外した。
「ったく、気分のいいもんじゃねぇな。」
「さて、行くぞ。」
「仮面パーティーで助かったな。簡単に潜入できた。」
「あぁ、あいつが初めての参加者ってのも助かった。」
潜入に成功した3人はそのままギスマルク邸を進むと少し開けた場所に出た。そこは大ホールを上から見るベランダみたいな場所だった。3人はすぐ床に伏せ、様子を見た。
「ハイエルフの王女は私が買おう。」
「いえ、私が。」
「どうやら、ルリカがいるのは本当のようだな。」
「疑ってたのかよ。」
会場を見ていると一部の貴族が奴隷を足蹴にしていた。蹴られている奴隷は踞り、怯えていた。周りの貴族達も笑いながら見ていた。
「ひどい。」
「どうする?」
「任せろ。」
そう言って龍儀は拳銃を取り出し、銃口に何かを付けた。
「おい、それでけぇ音するだろ。バレるぞ。」
「任せろって言っただろ。」
そして、奴隷の持ち主と思われる足蹴にしている貴族に向かって発砲した。大きな音が出ることなく貴族の頭を撃ち抜き、会場はパニックになった。奴隷の少女もパニックになって逃げていった。
「え、マジか。何それ?」
「消音器。」
「なんか、凄いですね。」
「これで警備は会場に向かう。そのうちに探すぞ。」
「おう。」
「大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だ。見つからなければ・・・」
曲がり角からきた兵士達と目が合う3人。
↓
兵士達を瞬殺する龍儀とドーベル。
この間、僅か1秒。
「見つからなければ問題ない。」
「すみません、不安しかないのですが。」
そのまま龍儀とドーベル、イナリに別れて探すことになった。
ギスマルク邸地下拷問室
そこに全裸で吊られているリチェリアとバードルがいた。バードルは焼き鏝を持っていた。
「本当に凄い恩恵だ。何回焼き印をいれても付かない。いたぶりかいがある。最高の玩具だ。」
そう言いながらバードルはリチェリアに焼き鏝を押し続けた。リチェリアはうめき声すらあげず、耐え続けていた。バードルは調子に乗り、リチェリアの身体中をまさぐったり、ムチなどで叩いたりして楽しんでいた。
すると、突然扉の向こうが騒ぎだし、扉が破壊された。そして、そこから龍儀が刀を持って現れた。
「な、まさか本当に取り返しに来るとは。」
「・・・遅い、龍儀。でも来ると信じてた。」
「あぁ、待ってろリチェ。」
「ははははは。お前はまだわかってないだろ。お前は俺に勝てないと。」
「勝てないじゃなく勝てなかっただ。二度はない。」
龍儀vs.バードルの火蓋が切られた。




