追われる身
龍儀と恵葉は急いで恵葉の家に向かっていた。教会の地下でマッドネスが行っていた悪事をライカ達に教えるためだ。
「本当にあのチョコに麻薬が・・・」
「おそらく。多分だが黒幕がいる。」
「え?」
「あんな大掛かりな設備、個人で出来るものじゃない。後ろに麻薬製造を援助している奴がいる。」
二人は急いで家に着くと各部屋を回った。しかし、どの部屋にも誰もいない。
「なんで!?なんで誰もいないのよ!?」
「誘拐?いや、あいつらが簡単に捕まるとは思えん。」
龍儀が考えながら窓の外を見ると十数人の兵士達が家を取り囲もうとしていた。
「まずい!恵葉!家を出るぞ!」
「!?」
龍儀は急いで恵葉を連れて出ると既に兵士達が待ち構えていた。
「え!どういうこと!?」
「貴様らだな?マッドネス氏に暴行を加えた者は。」
「そんなこと・・・」
「確かに殴ったな。」
「・・・」
龍儀は兵士達を見回すと懐から大麻を出して見せた。
「なぁ、これが何か分かるか?」
「なんだそれ?」
「このチョコに入っていたヤバい植物だよ。」
龍儀はチョコを取り出して説明した。しかし、兵士達は大麻の危険性を分かってないのか龍儀の話をまともに聞こうとしなかった。
「なんで分かってくれないの?」
「そもそもこの世界に大麻自体存在しないんだろう。チョコも同じだ。」
龍儀は大麻とチョコを仕舞うと刀を抜いた。
「え、何するつもり?」
「強硬突破。」
そう言って龍儀は向かってくる兵士達を片っ端から峰で倒していった。
「嘘でしょ。」
「なかなか強いな。」
龍儀はなるべく殺さないように倒しながら進む。その後ろを恵葉がついてきている。
「恵葉、この辺りで隠れれるところはあるか?」
「ない。」
「即答だな。」
二人は兵士達の包囲網を突破するとそのまま街中を駆け回った。しばらくして兵士達が街中を探すがなかなか二人は見つからない。ローレライと合流した橋の周りを探していた兵士達が去って行くと橋の下の川の中から筒で息をしていた龍儀と恵葉が現れた。
「なんとかしのげたな。」
「あんたは忍者か。」
びしょ濡れ状態の二人は周りに兵士がいないことを確認すると川から上がった。
「どうするのこれ?いくら隠れるためだからといっても服がびしょびしょだと動きづらいし何より恥ずかしい。」
全身川に浸かっていたため恵葉の服が濡れてぴっちりとしてしまい下着も透けてしまっている。
「問題はどこに隠れるか。・・・なぁ、レオナルドさんは今どこにいる?」
龍儀は恵葉に聞くと少し考えてある方向を指差した。
「確かあっちの方に別荘があるはず。もしかして!」
「そうだ。レオナルドさんのところに行く。」
「あんたが言っていた仲間以外で信じてくれる人って・・・」
「レオナルドさんだ。」
二人は兵士に見つからないようにレオナルドがいる別荘へ向かった。
別荘前に着くと玄関でレオナルドが兵士達と会話しているのを目撃した。どうやら、二人の捜索がここまできているようだ。しばらくして兵士達が去っていく。二人は兵士に見つからないように庭に入った。すると、入ろうとしたレオナルドがこちらを見た。二人の気配を感じていたのだ。
「そこにいるのは誰だ?」
「さすがですね。」
「龍儀さん。一体どうしたんですか?さっきメイジャーからあなたの居場所に心当たりないか聞かれましたよ。」
「メイジャー?」
「この街を守る兵士のことです。それより何をしたんですか?」
「話は中でお願いします。」
「分かった。それよりなんで二人ものそんなに濡れてるの?」
レオナルドは二人を別荘に招き着替えさせると龍儀の話を聞いた。
「麻薬・・・。初めて見たけどそんなに危険なものなのか。」
「はい!私達の世界では禁止されている毒みたいなものです!」
「君達の色は嘘をついてないから信じてみるけどこれをみんなに信じてもらうのは難しいな。」
「なのでレオナルドさんに言ってほしい。あなたならみんな信じてくれると思います。」
「・・・分かった。私からみんなに説明をしてみよう。」
「ありがとうございます。」
龍儀はレオナルドに一礼する。
「そう言えば、君達の仲間はどうしたんだい?」
「・・・実は行方不明です。なのでみんなを探したいと。」
龍儀が焦っているのを色で感じたレオナルドは龍儀の肩を叩いて落ち着かせた。
「焦ってもいい結果にはならない。今は落ち着いてここに泊まっていけ。明日になれば服も乾くだろう。」
「・・・分かりました。」
龍儀は嫌な予感を感じつつもレオナルドの言う通りここで一晩過ごすことになった。




