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【完結】転生極道は異世界でも家族をつくりたい  作者: 鎌宮 和明
第1章《出会い》 フィリルティア奴隷解放編

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龍と妖精と魑魅魍魎

《フィリルティア奴隷解放編》開幕

アクアライトから出発して数日、龍儀一行はカメリアスガルドの国境を越えていた。今いるのはルドザニア王国。カメリアスガンド公国の北、ネクヴァス公国の西に位置する内陸国で広大な森がある自然豊かな国でもある。龍儀一行はその森の中を歩いていた。

「ここってもうカメリアスガルドじゃないんですよね?」

「そうよ。ここはルドザニア王国。カメリアスガンド公国の倍は大きい国よ。ちなみに、ネクヴァス公国を隔てる山脈の先にダクトリア大森林があるのよ。」

「へぇ、そうなんですね。」

「そういえばルリカ、この国だったな。」

「えぇ、そうよ。」

「「「?」」」

龍儀とルリカの話が何かわからない3人は龍儀に聞いた。

「龍儀さん、何の話ですか?」

「ん?何って、依頼だよ。」

「依頼?」

「お前ら、話聞いてなかったのか。そもそもルリカは依頼をするために俺達と一緒にいるんだから。」

「え?」

「あれ?」

「完全に聞いてなかったな。」

龍儀の説明に首を傾げるライカとグレン。それもそのはず、ルリカが龍儀に依頼している時、二人はルリカの体に見とれて話を聞いていなかったのだ。

「はぁ、まぁリチェもいることだしルリカ、もう一度依頼を頼む。」

「わかったわ。依頼は私の国、フィリルティアを救って欲しいの。」

「フィリルティアって10年ぐらい前に滅んだ国って聞いたけど、あなた、王族?」

「えぇ、フィリルティアの王の娘、ルリカ・フィリルティアよ。」

「「え~!」」

「そこも聞いていなかったのか。」

「話を続けるわ。フィリルティアは人間によって滅び、国民は奴隷として各地に売られていった。私は同胞達を救ってもう一度フィリルティアを復興させたい。その手伝いを依頼したのよ。」

「す、凄い依頼だ。」

「とりあえず、フィリルティアに行く前に物質の調達だな。リチェ、一番近い街は?」

「ここから北西に進むとメナールという街があるわ。」

「サンキュー、リチェ。そこに行こう。」

龍儀一行はそのまま北西に進み、メナールに着いた。

【メナール】小高い丘の上にある街で面積は甲府市より少し小さい。円形状の塀に囲まれ、石造りの建物が多く一年中気温が高い街である。

龍儀一行はメナールで買い物を始めた。大通りは武器や防具の店が多く冒険者の姿で賑わっていた。龍儀一行は人混みを避けるために裏路地へ向かった。大通りと違い、裏路地はかなりいり組んでいるため、いつの間にか龍儀一行は迷子になっていた。

「まずいな。」

「ここどこ?」

「大通りからかなり離れたみたいね。」

裏路地を歩いているとルリカがおもむろに後ろを見た。

「ルリカさん?」

「誰かにつけられている。」

「え、本当ですか?」

「あぁ、ついでに前の十字路の両端にも待ち伏せされてる。」

「え、どうしよう、リューギ。」

「安心しろ。あのレベルなら問題ない。」

「えぇ。」

「そうね。」

「「え。」」

「俺、左。」

「私、右。」

「私は後ろね。」

そう言って龍儀は左の曲がり角、リチェリアは右の曲がり角、ルリカは後ろの物陰に隠れている男達を一瞬で仕留めた。仕留めた男は6人いた。龍儀はペンチを持ちながらその男達に尋問を始めた。

「何が目的だ?」

「い、言わねぇよ。」

「そうか。」

龍儀は少し笑うと男の一人の手の爪を剥いだ。悲鳴とともにのたうち回る男を見た他の男達は恐がり、グレン達は少し引いていた。

しばらく、拷問と回復を繰り返した後、やっと情報を吐いた。

「エ、エルフを、それもハイエルフをオークションに出せば、俺達は金持ちになれるんだ。」

「オークション?」

「あぁ、もちろん国にばれない裏オークションだが、何でも競りに出ているんだ。」

「どうやったら、そのオークションに客として出れる?」

「龍儀さん?」

「オ、オークションに出るには仮面を着けて偽造金貨(フェイク)を入口にいる男に渡せば出れる。」

「なるほど、サンキュー。」

男を気絶させた龍儀は男の所持品を調べ仮面を手に入れた。

「龍儀さん、まさかそのオークションに参加するつもりですか?」

「あぁ、何か情報が手に入るかもしれん。」

「それじゃあ、私達も行くわ。もし、同胞が奴隷として売られていたら取り返さないと。」

「いや、ルリカ達がかなり目立つ。俺一人で行く。」

そう言って龍儀は錬金魔法で偽造金貨(フェイク)を作りだした。

「そういえば、龍儀さんはそれ作れましたね。」

「あぁ、行ってくる。」

龍儀一行は男から聞いた建物の前に着いた。建物の入口には仮面を着けた男がいた。龍儀はルリカ達に待機を命じると仮面を着けて、男の前に出た。男は警戒していたが龍儀が偽造金貨(フェイク)を渡すとニヤリと笑い、龍儀に返し番号札を渡した。ルリカ達はその様子を遠くから見ていることしかできなかった。

オークション会場内に入った龍儀は空いている席に座った。ステージではまさに競りが始まっていた。

「さぁ、お次はこちら!なんと、ピンク色の魔生石(クリスタル)!ここまで鮮やかなピンクは滅多にお目にかかりません!では、金貨10枚から!」

「11枚!」

「12枚!」

「15枚!」

番号札をあげながら金額を言う人達。龍儀は周りを見ながら探っていた。すると、隣に蝶の仮面を着けた少女がいた。少女は少しイライラした状態で周りを見ていた。


一方、外で待機していたルリカ達は龍儀を心配していた。

「龍儀さん、大丈夫ですかね?」

「リューギなら大丈夫だよ。悪い奴らなんかみんな倒しちゃうよ。」

そう話していると後ろから一人の男が近づいてきた。

「おい、そこで何してる?」

「「「「!」」」」

(ウソ!気づかなかった。)

ルリカ達が警戒して見ると男はキチッとした制服を着ていて明らかかにちゃんとした身分の人だった。

「ん?君はハイエルフか?」

「えぇ、そうよ。」

「おじさん、誰?」

「おじさん!?私はルドザニア王国近衛師団長、ジョンソン・ゲーリックだ。裏オークションに参加している奴らを全員逮捕するためにきた。」

「あ。」

ライカ達はあわててジョンソンに龍儀のことを説明した。

「はぁ、仲間を助けるためとはいえ、裏オークションに参加するとは。本来ならそいつも逮捕するところだが、今回は特別だ。厳重注意だけで済ませよう。」

「ありがとう、ジョン!」

「ジョン!?」

「はぁ、良かったです。」

「いや、待て。そのことをあいつに言わないとな。」

「え?」

「裏オークションに潜入調査している仲間がいてな。彼女がもし龍儀を逮捕したら。」

「大丈夫だよ、リューギスッゴく強いんだから!」

「そうか。だが、彼女も強いぞ。何せ、若干16歳で近衛師団の副団長を務め、近衛師団の中でも1、2を争うほどの剣術の持ち主だ。彼女の名前はレイシェル・ジャスティナル。妖精姫騎士(ティターニアナイト)の異名を持つ凄腕剣士だ。」


オークション会場ではオークションが進み、ついにステージにエルフが現れた。彼女はみすぼらしい服を着て首と両手を鎖で繋がれていた。

(ハイエルフじゃないか。)

龍儀はどうするか考えたが涙ぐむ彼女を見て札をあげた。

「200枚」

龍儀の一言で会場はざわついた。

「え~、200枚、200枚以上はおりませんか?では、金貨200枚で365番が落札!」

エルフを落札した龍儀はステージに上がった。彼女は龍儀を見て怯えている。龍儀は彼女の肩に手を置き、司会者に質問した。

「なぁ、他にエルフはいないのか?」

「いえ、獣人はいますがエルフは彼女のみです。」

「そうか。」

龍儀が司会者に質問を終えた瞬間、入口から多くの兵士が雪崩れ込んできた。

「我々はルドザニア王国近衛師団!ここにいる者全員逮捕する!」

近衛師団の登場にパニックになる会場。龍儀はエルフを連れ、ステージの裏に逃げた。裏では獣人達が鎖で繋がれ、檻の中に入っていた。龍儀はすかさず、檻を切り鎖を切った。そこにオークションの関係者が逃げてきた。

「な、貴様!何をしている!」

「俺のやりたいことだ。」

そう言って龍儀は全員気絶させた。エルフや獣人達は仮面を取った龍儀を見て恐がっていた。

「さっさと逃げろ。外に出れば、この国の近衛兵達が保護してくれる。」

龍儀の言葉を信じたエルフ達はあわてて逃げていった。それを見ていた龍儀にいきなり、何者かが声をかけてきた。

「かっけぇじゃねぇか。」

ボイスチェンジャーで変えたような高い声に驚き距離をとって見ると男は狐のような耳と鬼のような角、般若のような目、天狗のような長い鼻に翁の髭を合わせた奇妙な仮面を着けていた。

「なんだ、その気持ち悪い仮面は?」

「そうだな、この仮面は魑魅魍魎と名付けることにしよう。」

「・・・で、俺に何の用だ?」

「つれないなぁ。君となら仲良くなれそうだから来たんだ。ライオットと呼んでくれ。よろしく。」

「悪いが仲良くなりたいならその仮面を外せ。」

「それはいずれ。それにそんな暇がなくなったみたいだ。君も早く逃げるといい。それじゃ、君とはまた、会える気がする。」

そう言ってライオットと名乗る男は消えた。

(全く気配がなかった。あいつは一体?)

龍儀がさっきの男を考えていると一人の少女が切りかかってきた。龍儀は刀で受け止めつばぜり合いになった。

「あなた、意外とやりますね。」

「そちらさんもな。」

銀髪のツインテールをたなびかせながら少女は攻撃を繰り返してきた。素早く動き回る少女に防戦一方の龍儀だが、彼女が突きをした瞬間、自分の腹に剣を刺した。

「な、あなた一体何を!?」

「確かにあんたは強い。だが、それは試合で発揮される強さだ。殺し合いの強さじゃない。」

「バカなことを言わないでください。私の強さはみんなを守るための強さです。決して殺しのために強くなったわけじゃない。」

「そいつはいい。最高じゃねぇか。」

剣を抜いた龍儀は最高位回復魔法(パーフェクトヒール)で治療した。その間、少女は剣を構えていた。二人が再び剣を交えようとした瞬間、裏口から突入したジョンソンやライカ達が龍儀と合流した。

「本当に分かりやすい顔だな。」

「ジョンソン団長!」

「リューギ~!」

龍儀と合流したジョンソンは少女にことの経緯を説明した。少女は驚いた顔で龍儀を見ていた。

「な、そんな恐ろしい顔をした男が悪者じゃないのですか!?」

「あぁ、一応いい人だ。顔は恐いが。」

「「「「確かに!」」」」

「これ恒例行事か?」

龍儀はその後、オークションのことや奇妙な仮面を着けた男のことをジョンソンやライカ達に話したがその男は結局見つからなかった。


その晩、龍儀一行はジョンソンの自宅で食事をした。

「改めて、私はルドザニア王国近衛師団長ジョンソン・ゲーリック、こちらは副団長の。」

「レイシェル・ジャスティナルです。先ほどは申し訳ありませんでした!」

「大丈夫だ。もう慣れた。」

「そういえば、最近国内で奴隷売買が横行している。もしかしたら、ハイエルフ達もその中にいるかもしれん。探すなら用心するように。」

「えぇ、ありがとうございます。」

こうして、一晩過ごした龍儀一行はメナールを出発した。

レイシェル・ジャスティナルのステータス


《レイシェル・ジャスティナル Lv71》

HP 6900/6900 MP 655/655

AT 945 DF 520 SP 1269

アビリティ[無し]



ジョンソン・ゲーリックのステータス


《ジョンソン・ゲーリック Lv145》

HP 15060/15060 MP 751/751

AT 1320 DF 720 SP 888

アビリティ[剣聖]

剣を使っている間、AT、DF、SPが倍になる


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