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死神リクルート  作者: ねこ川いが里
1/1

リクルートスーツを着た死神

雨のしつこい季節である。


電信柱がニョキニョキと、灰色の空を突き刺している。

今にも落ちてきそうな曇天は、街の全てをモノクロに、パラパラと振りだした雨は、アスファルトをランダムに染め上げていく。


死んだような景色に、真っ黒なリクルートスーツ姿の女が一人、歩いていた。猫背で、髪を後ろで一つに結んでいて、いかにも冴えない女である。


そしてリクルートスーツに似合わない、大きな鎌を持っていた。


なぜか?

彼女が死神だからである。


彼女は勤務中で、今から若者の命を一つ、回収しに行く道中なのであった。

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