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お約束?


俺が街の外へと向かって歩き出すと、メイが言ってきた。


「ちょ、ちょっと、もしかして歩いていくつもり?」


「そうだけど、馬車の方が良かった?」


「う~ん、まぁシュウと2人旅ってのも悪くないわね。じゃあ、行きましょうか。」


「おう。」


俺達は睡眠も食料も必要無いからな、体一つさえ有ればどこにでも行けるのは楽で良かった。

まぁ、服だけは人として(?)必要だけどな。


街を出て、次の街へ続く道を進んでいく。


「そう言えば、俺街から出るのって初めてだな。」


「そう言えばそうね、随分と長くこの街に居たのね。」


「だな、まぁ、多く見て1ヵ月って所か?」


俺がそんなことを言うと、メイは大きくため息を付いた。


「さすがにそれは無いでしょ? せめて10年くらいは居たハズよ。」


「そっか、さすがはメイだな。」


「ふふん♪」


※誰も突っ込まないからアレだが、少なく見てもメイと出会ってから30年は経過しているのであった。似た者同士である。


しばらく街道を進む俺達だが、この先で大きな木が倒れていて道を塞いでいた。


「あれ、馬車とか通れなくないか?」


「ホントだ、まぁ、私達は歩きだから支障は無いけど、確かに邪魔よね。」


「折角だし、退かしてやるか。」


俺が倒木へと近づくと、森から複数の男性が出てきた。


「へへへっ、ここを通りたければ、荷物と女を置いて行きな!」


「テンプレキターーー!! あれ? テンプレ? いや、天ぷら? はて?」


「何言ってるのよ、これ盗賊ってヤツじゃない? どうするの?」


「う~ん、とりあえず荷物は大した物は持って無いので渡すのは構わないが、俺の愛する嫁さんをこんな奴らに渡すのは、断固お断りする。」


「シュウ…」


メイが頬を染めて照れている。


「せっかく助かる命を無駄にするとは残念だ、おい、野郎は殺せ! 女は野郎を殺したヤツに1番目の権利を与えてやるぞ!」


「「「「「ヒャッハー!!」」」」」


盗賊が集団襲い掛かって来た。

ひ~ふのみ~…全部で15人か。


「1番目は貰った! 死ねや!」


最初の男Aが剣で切り掛かってきたんだが、これはギャグでやっているのか? 随分とゆっくりな攻撃だ。

とりあえず避けることにした。


「チイッ!」


「ざまあねぇな、1番目は俺だ!」


次の男Bが槍で突いてきたので、これも避けておく。


「避けた…だと!?」


そこに弓矢を持って居た男Cが矢を放った。


「一撃必中!!」


う~ん、その割にはのんびりとした攻撃だ。とりあえず何かに使えるかもしれないし指輪にしまっておくことにする。


「矢が消えた!?」


とりあえず、どの攻撃もゆっくりだし、問題なさそうだな。


「何で当たらねえんだよ!」

「くそ、くそ、くそ!」

「こうなったら女を人質に!」


「何だと! メイに指の一本でも触れてみろ! 絶対に許さないからな!」


ドカーン!


その時メイの方で爆発が有った。

どうやらメイに近づいて来た男に魔法を当てたみたいだ。

向こうも俺がどうこうしなくても問題無さそうだ。


「魔法使いか! 気を付けろ!」


さて、そろそろ俺も戦うとしますか。


パパパパパン!


とりあえず周りに居た男5人へ牽制のパンチを繰り出したんだが…


「ひいいぃぃ~~! いきなり頭が破裂した!?」


スマン…手加減したつもりだったのだが、スプラッターになってしまったみたいだ。

まぁ、メイに手を出そうとしたんだし、良いよね?


「そ~れ!」


ドドドドドカーン!


向こうは向こうで無双しているし、まあ、いっか。


「で、アンタで最後なんだが?」


色々と指示を出していたリーダーっぽい人以外は全滅したみたいだ。


「ひいっ! い、命だけはお助け…」


「嫌!」


ドカーン!


有無を言わさずメイが魔法でやっつけてしまった。話くらいは聞いてあげても良かったのに…

それにしても人を殺したってのに、何の罪悪感も沸かないってのは俺達が人じゃ無いからなんだろうか?

気にしても仕方ないし、そう言う物なのだろうと納得することにした。


「これ、どうする?」


「う~ん、このままで良いかな。」


「そうね。」


どうせ荷物を漁っても大したもの出てこなそうだし、何しろ汚いから触りたくないのが正直な感想だ。

そのままにして俺達は街道を進むことにした。

しばらくして…


「あ、倒木そのままにしてきちゃった。」


「次に通る人が片づけるでしょ。」


「そうだな。」


俺達の旅路はまだまだ続く…


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