旅立ち
それから3日後に冒険者ギルドから連絡が入った。
どうやら、すべての査定等が終わったとのことらしいので、さっそく冒険者ギルドへ向かうことにした。
さっそく窓口へ向かおうと思ったのだが、全員に目を逸らされている…
「えっと、どうしようか?」
「仕方ないわね~、私が行ってくるわ。」
「よっ! さすがはメイ様、頼りになる~!!」
「ふふん、ま~かせなさい!」
気分良くメイが受付へと行ってくれたので、俺は待つことにする。
少し話をした後にメイが戻ってきた。
「どうだった?」
「副ギルド長の部屋に行けってさ。」
「じゃあ行くか。」
俺達は副ギルド長の部屋へと向うことにした。
コンコン。
「入れ。」
「失礼しま~す。」
「来たな、まずは座ってくれ。」
ソファーを勧められたのでとりあえず座ることにする。
「家の査定が出た。頑張ったのだが、残念ながら白金貨2枚となった。」
俺的には十分な金額な気もするんだが、副ギルド長は渋い顔をしていたので納得していないみたいなので、聞いてみることにした。
「一応理由を聞いても良いですか?」
「ああ、建物の広さは十分で、台所に井戸が有り、いつでも入れる風呂が有ることで、本来ならば白金貨5枚でも申し分ない所だが、場所が問題でそれくらいにしかならなかった。」
まぁ、郊外の畑の中の一軒家だし、仕方ないか。
「わかりました。それで良いです。」
「では、アイテム売却と賠償金、今回の家の買取を合わせて、聖金貨27枚、白金貨42枚、金貨12枚だ。」
「ひ~、ふ~のみ…大丈夫ですね。」
「これで、すべての案件は終了したな。それで、これから君たちはどうするんだ?」
「またダンジョンですかね? 家は当分遠慮かな。」
「そうか、君たちのドロップアイテムは、我が冒険者ギルドの運営に随分と助かった。また納めてくれると助かる。」
「そうですね、考えておきます。」
「たのむ。」
「じゃあ、俺達そろそろ行きますね。」
「ああ、気を付けてな。」
俺達はペコリと頭を下げ、副ギルド長の部屋を後にした。
「うし、終わった~!」
「お疲れ様。」
「どうする? ダンジョン行く?」
「そうねぇ~、いっそのこと此処を離れて、他のダンジョンに行ってみるってのも良いんじゃない?」
「そうだな、ほとぼりが冷めるまで行ってみるか。」
「うん♪」
「そうと決まればダンジョンの場所を聞きに行ってみるか。」
「だね。」
俺達は窓口へと行ってみることにしたのだが…
「どうして誰も目を合わせてくれないんだ…イジメ?」
「どちらかと言うと、保身のためだと思う。
仕方ないわね、また私が行ってくるわ。」
「お願いします。」
メイが手をヒラヒラと振って、窓口へと歩いて行った。
受付嬢と色々と話をして、終わったので戻ってきた。
「聞いて来たわよ。」
「どうだった?」
「えっとね、ここから東に1週間ほど行った所にも街が有って、そこにもダンジョンが有るそうよ。」
「へぇ~、どんなダンジョンなの?」
「向こうで聞いてって言われちゃったわ。」
「まあいいか、なら行ってみようか。」
「そうね。」
俺達は新たなダンジョンを目指して街を出ることにしたのだった。




