デート
冒険者ギルドを出た俺達だが、特にやることも無いな。
「メイ、時間が出来たことだし、俺とデートしょうぜ!」
「うん♪ 気分転換も必要だしね。」
「ほら、メイ。」
俺が左手をそっと出すと、メイは俺の手を握ってくれた。
いや、正確にはお互いの指を交互にした恋人繋ぎってやつだ。
「えへへっ♪」
メイはこちらを見上げる様にして、嬉しそうに笑っていた。
くそっ、可愛いじゃ無いか。
「じゃあ行くぞ。」
「何処行くの?」
「まぁ、何処に何が有るか分からないし、ブラブラとウィンドウショッピングかな?」
「やった~! 何買ってもらおうかな~♪」
「おう、メイの好きなもん何でも買ってやるぞ!」
「嬉しい~! ほら、速く行こうよ!」
「はははっ。」
・・・・
「お、屋台があるぞ、何売ってるんだろう?」
「行ってみましょうよ。」
「そうだな。」
その屋台は串焼き肉を売っているお店だった。
焼ける肉の音が旨そうに聞こえる。
「シュウ、お肉を売ってるみたい、食べてみようよ~」
「すいません、2本お願いします。」
「あいよ! 串焼き2本ね、銅貨2枚だ。」
俺はお金を払うとともに、串焼き肉を受け取った。
「はい。」
「ありがと~」
俺がメイに1本渡し、仲良く食べることにした。
パクリ…まぁまぁかな。
不味くは無いんだが、調味料が塩だけのせいか、微妙に肉の臭みと言うか、癖が気になるな。
メイも何となく微妙な顔をしていた。
「ま、こんなもんだろ。」
「だね。」
ふと、食べ終わってから気が付いたことが有った。
「そーいや、俺達前に食事や飲酒をしたけどさ、食べた後ってどうなっちゃんだろうな。」
「さあ? きっと私達ってアイドルなんだよ。」
「なんで?」
「だって、アイドルはう〇ちや、おし〇こをしないって言うじゃない?」
「だああぁぁ!! 女の子がそんな言葉を使っちゃイケマセン!!」
「シュウ、女の子に夢を見すぎ! 知らないだけで普通に使うから。」
「そう言う物?」
「そう言う物です。」
「じゃなくて、俺が言いたかったのは、質量保存の法則はどうなってるのかって話。」
「それって、化学反応の前と後で物質の総質量は変化しないってやつの?」
「それそれ、って何でこんなこと知ってるんだ? もう今更か。」
「もう気にしないことにしたわ、さっきのアイドルもそうだしね。」
「言われて見りゃそうか、で、話が逸れたが、食べた物質はどうなったのかって話。」
「ん~、きっと同じ様に食べても変化の無い、ドラ〇も『わ~!! わ~!! わ~!!』…何ようるさいわね!」
「駄目だ! それを言ったら、おそらく某ネズミと同じく駄目な奴だと思う。何のことかは分からないけどさ。」
「…そうかも。まぁ、そんな感じよ。」
「と言うことは、俺達ってガイコツじゃなくて、未来から来た(ぴ~)ロボット!?」
「かもね~(笑)」
「「あははははっ。」」
その後も俺達は色んなお店を冷やかし歩いたのだった。




