脱出
あれからもずっと、崖下の生活が続いている。
たまに落ちてくるお仲間の石を食べたりして過ごしていたが、このままで良いのだろうか?
生活に困らないと言えば困らないのだが、いい加減暇つぶしのネタも尽きてきたのだ。
いっそのこと、この崖でも登ってみようかな。もしかすると大量の石が有るのかもしれない。
そうと決まれば挑戦有るのみだ。俺はロッククライミングに挑戦してみることにした。
最初は指が引っかかる場所を探して登っていたのだが、人差し指と親指で掴める場所が有れば、問題無く登れるのに気が付いてからは、その方法で登ることにした。
相変わらず疲れも腹が減ることも無く、黙々と登り続けている。
途中でお仲間が落ちるのを見かけたので、一瞬石を取りに戻ろうかと考えたが、戻るのも面倒なので、我慢することにした。
体感的に3年ほど登っただろうか? 俺は崖を登りきることが出来た。
久々に足が地面に着いた感覚に感動した。
そして、周りを見渡し、昔を思い出した。
「あー、確かこんな場所だったよな。」
再び落ちるのも怖いと言うか、面倒臭いので、さっさとこの場所を離れることにした。
通路を進むと、お仲間が前から歩いて来たので、挨拶することにした。
「よっ、元気か?」
すると、お仲間はカタカタと顎を震わせ、襲い掛かってきた。
「前はガン無視だったのに、何で!?」
ビックリはしたが、お仲間の攻撃はゆっくりだったので、慌てずに避ける。
さて、どうしよう…
お仲間は執拗に攻撃を仕掛けている。
「仕方ないか。」
俺は、お仲間の頭を威嚇の意味で軽く殴ることにした。
パン!
まるで衝撃波でも当たったかのように、お仲間の頭は粉々に砕け散った。
「なっ…」
普通殴ると頭が取れるか吹っ飛ぶんじゃないのか?
何で殴ると粉々になるんだよ!
ビックリしたが、足元に落ちた石を見たら、そんな気持ちは吹っ飛んだ。
「いただきま~す!」
久々の石の味は格別だった。
「もう少し食べたいな…」
俺は再びお仲間探して彷徨ってみることにした。
通路を進むと前方から明かりが見えてきたので、とりあえず行ってみることにした。
そこには青空が広がっていた。つーか外に出てしまったみたいだ。
「えーっと、俺って外に出ても良いんだっけ?」
元はガイコツだ、おそらくここはダンジョンで、そこに住む魔物だ。
「おい、邪魔だ!」
ドン…
後ろから押されたので振り向くと、厳つい男が面倒くさそうな顔でこちらを見ていた。
「あ、すいません。」
とりあえず謝って脇に逸れたら、男はそのまま通り過ぎて行った。
俺の顔を見ても何も言わなかったってことは、魔物と認識されなかったのか?
いや、お仲間のガイコツからは攻撃されたってことは、人として見られてのかもしれない…なんてこった…
仲間から離縁を突き付けられました。