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我が家は


我が家に到着したのだが、何か騒がしいな。


「何が有ったのでしょうか?」


フレイ副ギルド長が聞いてきたが、20年ぶりなんだし、知らんがな。


「とりあえず行ってみましょう。」


玄関の扉を開けると、何やらパーティをしている感じの声が聞こえてきた。

それにしても、しっかりと管理をお願いしていたのに、家中が汚れているし、ゴミは落ちているわ、土足厳禁にも係わらず床は泥だらけだ。


「フレイ副ギルド長、しっかりとした管理でお願いしていたと思いますが、この惨状は何でしょうか?」


俺が床や壁を指差して指摘した。


「冒険者の報告では何も問題無いと聞いていたのですが…」


フレイ副ギルド長も予想外だったらしく、汗が流れていた。


「とりあえず行ってみましょう。」


ダイニングキッチンへ向かうことにした。ブーツを脱ぐと足が汚れるな。仕方ない、このまま行くとするか。

扉を開けると、家の中にも関わらず、バーベキューをしていた。もちろん部屋の中は煙で汚れている。

人数もひーふーのみーの8人も居る。多くて5人じゃなかったのか?


「お前ら、人んちで何やってるんだ!」


俺は思わず声を上げてしまった。


「ああん? 誰だてめーは!」


20代後半くらいの男性が、酔っ払いながら文句言ってきた。


「今言ったよな、ここは俺の家だ!」


「はぁ? 馬鹿も休み休み言え、お前みたいな若いのが、こんな立派な家持てる訳無いだろう?」


「そうだそうだ、きゃはははっ。」


周りのとりまきみたいな女達も合わせて言ってきた。

俺とメイの愛の巣をこんなにしやがって…これは怒っても良いよな?


「おま…『責任者は誰ですか!』…えっと…」


フレイ副ギルド長が怒鳴った。どうやら撃おこみたいだ。


「げっ! 何で副ギルド長が!?」


「私は責任者と言ったのです! 確か今回の受注PTは『大地の咆哮』でしたね、アランは居ますか?」


「あ、いや、その、アランさんなら…今、お風呂かと…」


「シュウさん、お風呂は何処ですか?」


「お風呂なら、玄関からからここに向かう最中に有った左のドアがそうですけど。」


「分かりました。」


フレイ副ギルド長がそう言うと、風呂に向かって歩き出した。

風呂場のドアを開けて脱衣所に入ると、風呂場から何やら男女の楽し気な声が聞こえてきた。

フレイ副ギルド長は声も掛けずに風呂場のドアを開いた。


バンッ!


「アランは居るか!」


「きゃああぁぁぁ~~!!」


「誰だ! …ってフレイ副ギルド長!? 何で此処に…」


悲鳴を上げた女と、アランと言われた男性がうろたえていた。

まぁ、繋がっている所で扉を開けられたらこうなるよな…つーか人の家で何やってんだよ…


「説明してもらいましょうか、一体この惨状はどう言うことでしょうか?」


「あ、えっと、い、今はちょっと…」


アランが股間を抑えてうろたえている。

うん、気持ちは良く分る、俺のこの状態で質問されても困ると言う物だ。つーか見苦しい。

女の方も色々と見えてしまっているが、正直どーでもいい。


「フレイ副ギルド長、一度着替えさせてから話をした方が良いかと。」


仕方ないので提案してあげることにした。


「…それもそうだな、アラン、着替えたらすぐにリビングへ来るように。」


「わ、分かりました。」


風呂場を出た俺達は一度ダイニングキッチンへと移動することにした。

しかし、そこには誰も居なかった…逃げやがったな…

しかもバーべーキューコンロにはまだ炭に火が点いている状態だ。火事になったらどうするつもりなんだ?

俺は炭に水を掛けて火を消すことにした。

リビングに移動してソファーに座り、アランが来るのを待つことにする。


パタン…


ん? 玄関の方から扉が閉まる音がしたな。

窓から外を見ると、アランと女が一緒に逃げていくのが見えた。


「フレイ副ギルド長、アランが逃げてますけど?」


「何!」


フレイ副ギルド長が立ち上がり、外を確認する。


「あの野郎!」


フレイ副ギルド長が扉を開けて、部屋を出る前にこちらに声を掛けてきた。


「すまん、この件は必ず対応する。後でギルドへ来るように。」


「分かりました。」


俺がそう答えると、フレイ副ギルド長は部屋を出て行った。


「ねぇ、これからどうするの?」


静かになった所でメイが聞いてきた。


「う~ん、とりあえず各部屋を確認しに行ってみるか。」


何となく嫌な予感はするのだが、確認しない訳にも行かないしな。

各部屋を周ってみて分かったことは、どの部屋も自由に使われていたと言うことだ。

個室はまだマシだったが、寝室のベットは酷かった…ある意味よくこんな状態で使用したもんだと感心したくらいだ。

さすがに、これは使いたくないな…


「仕方ないから今日は宿を取って、明日にでも冒険者ギルドに顔を出すことにしようか。」


「それしかないよね…」


俺達は大きなため息を付くのだった…


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