再会
「あはははははっ!」
「うふふふふふっ!」
俺達は今、魔石祭りの真っ最中である。
やっぱりスケルトンナイトの魔石は危険だと思う。
俺とメイの意識ははるか彼方に有った。
「はい、シュウ、あ~ん♪」
「あ~ん。」
パクリ…うひょ~!! 最高だぜ!!
「じゃあ、お返しに、あ~ん。」
「あ~ん。」
パクッ…
「ん~~~~~!! おいひぃ~~~~♪」
そんな生活が続いていた。
・・・・
そんなある日。
向こうからあるPTがやってきた。
チッ! 魔石じゃないのかよ! そんなことを考えていたら…
「ターンアンデット!!」
いきなり体を何かが撫でるような感覚が有った。
あれ? 昔、これと同じことが有ったような? はて?
「おい、いきなり人に向けて魔法を使うなんて失礼だろ!」
向こうのPTのリーダらしき人が、魔法を使った仲間に対して注意をしていた。
「あれ? おっかし~なぁ、確かにアンデットの反応だったんだけどなぁ…」
そう言っていたのは、随分と老け…ゲフンゲフン、お年を召した女性が居た。
それにしても、この言葉使い、何処かで聞いたような気もするんだが…はて?
「勘違いして魔法打っちまったぜ。まぁ、人間には影響ない魔法だから気にしないでくれ。」
「は、はぁ。」
「おい! 相変わらず口が悪いんだから…
まずは、このPTのリーダとして謝らせて欲しい。申し訳なかった。」
「あ、いえ、何も実害は無かったですし、大丈夫ですよ。」
「おい、お前が原因なんだから、キチンと謝れ。」
「ったく面倒臭いな…私はアリアってんだ、一応聖女をやってる。魔法を当ててしまって悪かったな。」
今面倒とか言ったぞこの人、まあいいけどさ。
でも、聖女でアリア? 何処かで聞いたことが…
「ねぇ、シュウ。」
「何だ?」
「この人って、前にも会ってない?」
「俺もそれを感じていたんだが、何処だっけ?」
俺達が2人して思い出そうと考えていると。
「なぁ、あんた達、前にも会ったこと無かったっけ?」
アリアがそう言ってきた。
「俺達もそう思ってたんだけど、記憶があやふやで思い出せないんですよね。」
3人して腕を組んで考えている。
「う~ん…ん? そう言えば20年前に似た様なことをした覚えが…
あっ! お前たち前にターンアンデットしたヤツだ!!」
「ん? あ~確かにあの時の人だ。久しぶり~」
俺達が懐かしさのあまり喜んでいると、
「…ちょっと待て、今20年前とか言ってなかったか?」
PTのリーダが疑問に思って聞いてきた。
「ん? お前ら前に会った時と変わってないなぁ、何でだ?」
「え? だって俺達が出会ったのってさっきだろ?」
「えっ?」
「えっ?」
「「・・・・」」
「…よくよく見れば、アリアって、前に見た時に比べて老け…」
ドカッ!
「何で殴るんだよ!」
「それを言ったら駄目だからだ。」
「そ、そうですか。」
「もしかして、てめーらは時間を超えるトラップにでも引っかかったのかもな。」
「う~ん。そうなのかな? でも、そんなトラップって有るんですか?」
「知らん。」
「知らんって…まあいいけどさ。」
「まぁ、無事だったんだし、良いじゃねーか。」
「…そうですね。」
「とりあえず話は済んだが?」
リーダが会話に割り込んで来た。
「わりぃわりぃ、待たせて悪かったな。」
「ったく…そろそろ行くぞ!」
「へいへい、んじゃ、お前らも気を付けて帰れよな~」
「アリアも気を付けてな。」
そう言ってアリアのPTはダンジョンの奥へ進んでいった。
「行っちゃったね。」
「だな。それにしてもアリアに会ってから20年も経ってたんだな。」
「だね…」
「「そろそろ、一度戻ろうか!」」
俺達は見事にハモったのだった。




