聖女
私はアリア、何処にでもいる普通の女の子…だと思っていたのだけれど、実は神様に祝福された聖女なのです。
15歳までは普通に家の手伝いや、畑仕事をして生活していたのですが、15歳の誕生日に突然神様が夢の中に現れ、
『アリア、貴方に神の祝福を授けましょう。
これからは聖女として世の中の人々のために頑張ってください。』
「はぁ? 何で私がそんなことしなければならないんだよ!
私は普通に生活して、普通に結婚して子供育てれば満足なの!」
『まずは、スケルトンダンジョンへ向かい、力を付けると良いでしょう。』
「話を聞けよコラ!!」
『頼みましたよ、アリア…』
「待てよ! 祝福要らねーから、返すから!」
『・・・・』
「ちっ、無視かよ!」
こうして私は神の祝福とやらを無理やり授かり、聖女となったのだった。
え? 冒頭の出だし以降の口が悪いって? これが地だ、仕方ねーだろ?
とにかく、私は聖女の力を得た後は、色んな聖魔法を使いこなせるようになった。
ヒール、アンチポイズンはもちろんのこと、ブレスやターンアンデットと何でもござれだ。
しかも、近くにアンデットが居るのが分かるようになったのが一番の問題だった。
今まで知らなかったんだけど、世の中には幽霊ってのがうじゃうじゃ居るのな…知りたくも無かったぜ。
地縛霊に浮遊霊、動物霊なんて可愛いもんだ。特に悪霊…ありゃ駄目だ。私が聖女と分かったら攻撃を仕掛けてくるようになったよ、まぁ成仏させてやったけどな。
今は弱い悪霊しか見たこと無かったから無事だったが、今後はどうなるか分からない。
私も死にたくないからな、仕方なしに鍛えるためにもスケルトンダンジョンで強くなるために頑張っている所だ。
「ターンアンデット!」
私の魔法を受けたスケルトンは、魔石を残して消えてしまった。
私は魔石を拾い、リュックへとしまう。
「しっかし、これ1個で銅貨1枚になるんだもんな、笑いがとまらねーな。
こんなに簡単に金稼ぎが出来る様になったのだけは、あの糞神に感謝してやらんことでもないな。」
もうそろそろ、残りの魔力も少なくなってきたし、今日の所は帰るとするか。
私は出口へ向かって歩き出した。
すると前から新しいアンデットの反応が2つ現れた。
「スケルトンが2体仲良くくるたぁ、珍しいな。さっさと倒すとするか。」
もうすぐ、その角の先から現れるみたいだし、ここで待ち伏せて不意打ちで倒すことにしよう。
私は立ち止り、スケルトンが来るのを待つのだった。




