買い物 1
「まずは、家具からかな。」
「うん♪」
家具を取扱っているお店が有ったので入ってみることにした。
「いらっしゃいませ。」
さっそく店員が来たので聞いてみることにした。
「すいません。実は家が完成したので家具を揃えたいのですが。」
「それはおめでとうございます。
それでは、僭越ながら私がお二人の生活が幸せになれる様、ご協力させて下さい。」
「「お願いします。」」
「かしこまりました。では、お部屋の間取りを教えて頂いても宜しいでしょうか?
それに合わせたご提案をさせて頂きます。」
「えっと、ダイニングキッチン、リビングにお風呂とトイレ、後はドレスルームが付いている寝室が1つと、個室が4部屋かな?
個室は2部屋はお互いのプライベートな部屋にしようと思ってるからベットは要らないけど、残りの2部屋は客室用と考えてる。」
「ふむふむ。寝室のベットは、シングルを2つでしょうか?」
「いえ、2人が寝ても余裕が有る物が良いですね。」
「そうでございましたか。ベットにはダブル、クイーン、キングと有りますが、希望は有りますでしょうか?」
「すいません、名前じゃ分からないので、大きさで説明して貰っても良いですか?」
「これは申し訳有りません。ダブルが幅140cm、長さが180cmのサイズとなっております。クイーンは幅が160cm、キングは194cmとなる感じでございます。」
「なるほどね、メイはどのサイズが良い?」
「狭いベットでシュウとくっ付いて寝るのも悪くないけど、やっぱり色々と広い方が便利だし、その…ね?」
メイが顔を真っ赤にしながら上目遣いで言ってきた。
あ、これはヤバいわ…だけど、ここでは人の目も有るし自粛しよう…くそっ!
「じゃあ、キングで。」
「かしこまりました。客室の方は如何いたしましょうか?」
「え? シングルしか無いんじゃないの?」
「いえ、実はセミダブルのサイズが有りまして、シングルは97cmに対し、セミダブルは120cmとなっております。
なので、セミダブルを1人で使う方は結構いらっしゃいます。」
「ふむ…だったらセミダブルの方が良いか? まぁ、俺達が使う訳じゃないけどさ。」
「いいんじゃないかな?」
「じゃあ、セミダブルで。」
「畏まりました。キングは金貨45枚、セミダブルは金貨15枚となっておりますので、合わせて金貨75枚となります。」
「問題無い、後は各個室と客室に机と椅子、ベットの脇にちょっとした台、ダイニングキッチンに食器棚と食料棚、4人用のテーブルと椅子4脚、リング用のソファー一式と棚かな?
あ、物は良い物でお願いするよ。」
「そ、それだと少々お高くなってしまいますが、宜しいのですか?」
「問題無いかな。」
「では、僭越ながらお勧めの家具を選定させて頂きます。」
「よろしく~」
・・・・
「お待たせいたしました。こちらが私が選ばせて頂きた家具となります。」
「「おお~!!」」
さすがにプロが選んだものだけ有って、凝った作りの家具が揃っていた。
「幾ら?」
俺がそう言うと、少々困った顔をしながら店員が言ってきた。
「先ほども言いましたが、こちら少々お高いものでして、先ほどのベットを合わせると、その…
こちらも高級品をお買い上げして頂けると言うことで勉強させて頂きましたが、全部で白金貨5枚になってしまいました。」
「じゃあ、これで。」
俺は指輪から白金貨5枚取り出して支払った。
「えぇ!? あ、いえ、ありがとうございます。」
店員もまさか一括で支払ってもらえるとは思っていなかったみたいで、驚いていた。
「それで、家具の方はどちらへお運びすれば良いでしょうか? 運送はこちらでサービスとさせていただきます。」
「あ、いや持って帰るから良いよ。」
「は?」
お金を払ったから良いよね?
俺は用意してくれた家具を順番に指輪へとしまっていった。
店員はぼーぜんとそれを見ているだけだった。
「じゃあ、俺達はこれで、また何か有りましたら宜しくお願いします。」
「・・・・」
『返事がない、ただの屍の様だ』と、またもや謎の声が聞こえた気がしたが、問題無いだろう。
俺達は家具屋を後にした。




