家作り
材料も揃ったので、いよいよ家作りです。
「あれ? 家ってどうやって作るんだ?」
街中で家の形は見てきたが、作り方までは見てこなかったな。
「え? 知らないけど?」
メイも知らないみたいだ。
ふと、頭の中に『なんということでしょう。』とのアナウンスがメロディと共に流れてきて、家の作り方を思い出した。
だが、きっとその通りに作ると、笑いのネタ的な家になりそうな気がするので、あくまで参考にするだけにしようと思う。
とりあえず柱を立てる場所に小石を敷き詰め、その上に少し大きめの平な石を置いた。
柱の高さを揃え、記憶の中を頼りに見よう見まねで柱に凸凹を作っていく。
この世界の木は見た目と違って軽いため、クレーンみたいなものを使わずとも、手に持って組み立てられるので楽である。
あれ? クレーン? 何だっけ?
とりあえず、骨組みだけの家が出来た。そして屋根を作って気が付いた。
木の板を張り付けただけで出来た屋根なので、これって何度か雨が降ったら、その内腐るんじゃね?
かと言ってレンガを屋根に乗っけても、雨が染み込んでしまいそうだし、やる意味が無さそうだ。
ふと、そーいや壁は調べたけど、屋根の造りは見てなかったな。
「仕方がない、街へ行ってくるか。」
俺は再び街へ行くことにした。
街中にある家の屋根は、レンガ、木造どちらも同じ作りだった。
薄いレンガっぽい板を重ねて作られていた。と言うことは、レンガを売っていた所に行けば手に入るかもしれない。
行ってみることにした。
やっぱりここで売っていた。俺は自分の考えが合っていたことに満足し、必要な分を購入して帰るのだった。
運ぶ際に同様に指輪にしまったのだが、今回は驚かなかったな。何でだろう?
帰ってきた俺は、町中で見た屋根を参考にレンガの板を設置して行くことにした。
最初板の上にレンガ板を乗せたのだが、そのまま滑って落っこちてしまった。どうやら乗せるだけでは駄目らしい。
そうすると、レンガ板を固定する必要が有るのだが、どうすれば…ん? 何かレンガ板に穴があるな、ここに釘を打って固定するのかな?
まぁ、失敗したらその時はやり直せばいいか。
・・・・
「ふぅ~出来た。」
合っているのかは不明だが、とりあえず見た目的には問題なさそうだ。
これで屋根に柱だけとは言え、いちおう家の形にはなった。
後は外側に板を張って、それをレンガで覆って行く…
「うん、ぱっと見た限りでは家になったな。」
まぁ、扉も窓も無いし、中は何も手を付けてないからダメダメだけどな。
つーか、お風呂の湯気が家中に充満している。早く対応しないと家中にカビが生えるな。
俺は急いでお風呂の壁をレンガで作っていくのだった。
全ての部屋の壁、窓、扉が完成し、ようやく家としての機能を持たせることが出来た。
井戸にポンプも付けたし、これで完成かな?
「メイ、どうだ?」
「シュウ、お風呂場なんだけど、湯気を逃がす煙突みたいなものを作らないと、駄目じゃない?
後、台所にも無いと、煙が充満しちゃうよ。」
「言われてみればそうだな、よし!」
俺は壁の一部を壊して換気用の煙突を作った。
いつの間にか家の前のスペースには余ったレンガで枠を作り花が植わっていた。
俺が内装を作っている間に、メイが作ったみたいだ。
こうして家づくりは完了した。




