材料集め
風呂から出て着替えた俺は、早速家作りをするための準備をすることにしたのだが、家なんか作り方を知らない。
仕方が無いので、街へ行って調べてみることにした。
夜中だからか、たまに警備の人が居る以外は、誰も歩いていなかったので静かである。
なら、遠慮なくじっくりと観察させてもらおう。
基本、街中に有る家は木造かレンガのどちらかだ。
調べてみると、経年劣化等で木の家はあちこちがボロボロになったりしているのが目立っていた。
なら、長持ちする家を考えるのならば、雨風を受けても変化が少ないレンガで外壁を作り、内側は見た目的にも安心する木で作るのが良いかもしれない。
まぁ、お風呂だけはレンガ、いやタイルか? そんな感じの物で作った方が良い気がするので、そこは例外としておく。
色々と観察したり、考えてたりしている内に夜が明けたらしく、歩いている人が増えてきた。
そして、朝市みたいな物も始まり、どんどん賑やかになっていった。
俺は家を作るレンガや木材を取扱っているお店を探すことにした。
日も高くなる時間になり、ようやくレンガを取扱ってそうな場所を見つけた。
庭に沢山のレンガが積まれていたからだ。
行ってみることにした。
「すいません~」
待つことしばし、奥から職人らしき男性がやってきた。
「何だ。」
「ここってレンガを買うことって出来るんでしょうか?」
「ここはあくまでレンガを作る場所だからお店では無いんだが、まぁ売ることは出来るな。」
「新しく家を作ることにしたので、1件分のレンガと繋ぎ合わせるための材料が欲しいのですが。」
「1件分と言ってもなぁ、大きさにも依るから、どのくらい必要なのか分からんぞ?」
「えっと、じゃあ5000個ほど購入したいのですが。」
「レンガは1個銅貨1枚だから、全部で銀貨50枚だな。」
「では、これで。」
俺は銀貨50枚を支払った。
「それでレンガは何処に持って行けば良いんだ?」
「いえ、持って帰りますんで大丈夫です。」
「持って帰るってったって、量はもちろんのこと、重量もかなり有るぞ?」
「大丈夫です。」
「俺からすると手間が省けて良いんだが…
まあいい、あそこの束1つがレンガ100個だ。50束を持って行くと良い。」
「わかりました。」
俺はレンガの束の所へ行き、指輪へとしまって行く。
職人の男性はそれを見てあんぐりと口を開けていた。
しまい終わった俺は、ここを後にすることにした。
「では、レンガありがとうございました。」
男性は止まったままだけど、大丈夫か?
次に訪れたのは材木屋だ。
先ほどと同様に交渉をして、大工道具と板、柱と必要な物を購入した。値段はレンガより高くて金貨10枚ほどかかってしまった。
ここでも親方が呆然としていたが、ここの住人は、みんなこんな感じなんだろうか? 謎である。
全ての材料がそろったので、戻ることにした。
「戻ったぞ~」
「お帰りなさい。どうだった?」
「ふふん、見て驚け!」
俺はそう言って購入してきた材料を取り出して並べた。
「すご~い!!」
メイは材料の山を見て驚いている。
「あれ?」
「どうした?」
「これって材料だけだよね? レンガのつなぎとか、木を打ち付ける釘って無いの?」
「あっ…」
俺は再び街へ行き、必要な物を買いに行くのだった…




