温泉
「あれ? 生きてる?」
俺は痛み怪我も無く、無事に済んだみたいだ。
どうやら落ちたのは隣の畑で、土が柔らかいおかげで助かったのだろう。
首を動かして上を見るとギャグ漫画みたいに人型の穴が2mほどの深さでそこに有った。
ん? ギャグ漫画? 何だっけ?
「ふぅ、酷い目に有ったぜ。」
穴から這い出た俺は、証拠隠滅のために、指輪から井戸を掘った時に出た土を取り出して穴を埋めた。
「これで良し。さて、井戸の方はどうなったかな?」
先ほど掘った井戸まで帰ってくると、水は噴き出した時の勢いは消えたが、コンコンと絶えず水が沸き出ていた。
そして、その水からは白い湯気が出ている。
「もしかして、これが温泉ってやつか!?」
俺は水に手を突っ込んでみると、良い具合の暖かさを感じた。
その瞬間、俺の頭脳に電撃が走る!
「これ、このままお風呂を作っちゃえばいいんじゃね?」
そうと決まれば即実行だ!
60cm位の穴を掘り、解体した時に出た木材を使って浴槽を作る。
浴槽の大きさは、4人が並んで足を延ばしてもゆったりと入れるサイズにした。
そして、浴槽から溢れたお湯はどうしようかな…
このまま垂れ流しだと周りの畑に迷惑が掛かるかもしれない。
とりあえず庭の隅に穴を掘ってそこに温泉が流れ込むように溝を掘って作ってみた。
溢れる量と、土に吸い込まれる量が同じくらいだったので、これで様子をみるとしよう。
後は、浴室のサイズに合わせて平らな石を隙間なく敷き詰め、先ほどの穴に入る様に傾斜をつけてと…
「うし、後は壁さえ作れば完成だな。」
予定外と言うか、家より先にお風呂が完成してしまった。
「・・・・・」
メイはまだ帰ってくる様子が無い。
「ちょっと、入ってみようかな?」
そうと決まれば、俺は服を脱ぎ、浴槽へとダイブした。
ざっぱ~ん!!
「ふぃ~、気持ちいい~!!」
肩まで浸かれるお風呂は最高だ。
どうせ、垂れ流しで汚れも一緒に流れていくんだし、このまま体を洗ってしまおう。
・・・・・
「あ~!! シュウ、ズルイ~!!」
俺がお風呂でまったりしていると、メイが街から帰って来たみたいだ。
「私も入る~!!」
メイはそう言って、服を脱ぎだした。
「ちょ、ちょい待ち! 壁も何も無いから周りから丸見えだぞ!」
「大丈夫だって、もしかして気が付いてなかったの? 今、真夜中だから真っ暗よ?」
「そうなのか?」
「うん。」
相変わらず暗闇を感じることが無いので、全く気が付かなかった。
「だとしても、宿屋では恥ずかしがってたじゃないか、見ても良いのか?」
「あの後に、あれだけ見ておいて今更じゃない。恥かしいけど、私の旦那様だもん。いいよ…」
メイは真っ赤な顔で恥ずかしながらも、最後の砦でも有る下着を外した。
メイの色白で小ぶりのおっぱいが現れた。最高です。
「そんなにジロジロ見ないで…」
俺があまりにもガン見していたためか、メイは、胸と大事な所を両手で隠してしまった。残念…
ちゃぷ…
「ふぅ~…こうしてゆっくりとお湯に浸かれるのって気持ち良いよね~」
「だな、頑張って作った甲斐が有ったよ。」
「ご苦労様です。」
「メイは、街まで行ってみて、何か使えそうな物は有ったのか?」
「そうそう、こんなもの見つけたんだ~」
メイがそう言って、リングから青銅の筒と同じく青銅の箱に棒と口付いている物を取り出した。
「何これ?」
「手漕ぎポンプとかって言ってたかな?
確かここにパイプを繋げて、この上に水を入れて、後はこの棒を上下に動かすと…」
メイが左手でポンプを抑え、右手で棒を上下にガシュガシュと動かすと、それに合わせてメイのおっぱいもぷるんぷるんと上下に揺れていた。眼福である。
じゃなくて、お風呂のお湯が吸い込まれ、ポンプの口からお湯が出てきた。
「おぉ!」
「ね? 簡単でしょ? 後は、井戸の上にこのポンプを付ければ、いちいち水を桶で汲まなくても水が出る様になるしね。」
「そうだな。台所が出来たら位置を調節して付けてみような。」
「うん。」
メイが俺の肩にコテンと頭を乗せて寄りかかってきた。
体が温まって桜色の肌になったメイが色っぽいな。
思わずおっぱいへと手が伸びる…
ぺしっ!
伸ばした手をはたかれてしまった。
「外は嫌!」
「え~!!」
仕方がない、俺のためにも家作りを頑張ることを誓うのだった。




