物件
最初の物件の所にやってきた。
「ここは冒険者ギルドにも近く、大通りの商店街にも近いためかなりお勧め出来る物件ですね。
ただ、少々高いのが欠点くらいでしょうか?」
「お幾らですか?」
「賃貸ですと、月銀貨20枚で、購入して頂く場合は、白金貨2枚となっております。」
「そうなんですか。」
「反応薄いですね…」
「あ、いや、そんなこと無いですよ。うん。
ただ、中を見て無いので今一つ実感と言うか何と言うか…」
「それもそうですね、では中を見てみましょうか。」
「はい。」
この物件はさすがにお勧めだけ有って、家の作りも綺麗だし、悪くない感じだ。
1階はダイニングキッチンとリビング、お風呂とトイレ、客室が2部屋ほど有った。
2階は書斎、寝室と小部屋が4部屋ほど有った。
「メイ、この物件はどうだ?」
「ん~、悪くは無いんだけど、私達2人だけだし、ちょっと広すぎかな?」
「だよな~、1階だけで生活出来そうだし、使わない部屋が勿体ないよな。」
「そうですか、では次の物件へ行ってみますか?」
「お願いします。」
・・・・
次の物件へとやってきた。
「ここは大通りから中に入ってしまうため、少々遠くなってしまいますが、それほど不便でも無いので悪くないと思います。
ちょっと建物が古いですが、その分値段もお安くなっておりますので、お勧めしますね。」
「ほぅほぅ、値段はどんな感じなんですか?」
「賃貸ですと、月銀貨10枚で、購入して頂く場合は、白金貨1枚となっております。」
「さっきの半分の値段ですか。」
「そうですね。」
「とりあえず中を確認しても良いですか?」
「そうですね、では中へどうぞ。」
この物件は、さっきの物件より部屋数が減って、こじんまりとした感じだ。
「ねぇ、シュウ、この家ってさっきと違ってお風呂が無いわ。」
「あ、確かに無いね。」
「先ほどの家が特別であって、普通は宿屋と同じくタライにお湯を張って体を綺麗にするのが一般的ですし、しょうがないと思います。」
「なるほどね。」
「それでは、どうしますか?」
「最後の物件を見てからでも良いですか?」
「わかりました。それでは行ってみましょうか。」
・・・・・
最期の物件の所までやってきたのだが…
「これですか?」
「ええ、これですが、何か?」
「何かって言われてもな…」
そこには朽ち果てて壊れかけた物件が有った。
どう見ても人が住めそうな感じはしない。
しかも、ここは街外れに有って、周は畑ばっかりだった。
「この物件は、この柵内で有れば自由にしていただいて良いとの了解を得ています。
建物もあんな感じなので、賃貸は無く、購入のみとなっております。
ただ、格安でして、金貨10枚で良いとのことです。」
「と言うことは、この土地を金貨10枚で売りますって感じなんだな。」
「そう言うことになりますね。」
土地の広さはだいたい50坪くらいの広さだ。
家が30坪くらいだととして、20坪は畑とか、倉庫とかになるのかな?
「メイ、どうする?」
「シュウ、考え方によっては私達の理想の家を作れるって事よね?」
「そうだな。」
「だったら、ここにしましょうよ! 周りにも気にする必要もないし、悪くないわ。」
「そう言う考え方も有るか。よし、メイがそう言うんだ、ここに決定しよう!」
「うん♪」
「と言うことで、ここ買います。どうすれば良いですか?」
「では、一度冒険者ギルドへ戻り、手続きを致しましょう。」
「はい。」
・・・・・
「…これでよしっと。はい、あの土地はシュウさんの物となりました。
この書類はあの土地がシュウさんのと言う証明になりますので、無くさないで下さいね。
後はご自由にしていただいて構いません。」
「わかりました。ありがとうございます。」
こうして俺は家(?)と土地を手に入れたのだった。




