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お買い物


以前買い物したお店は潰れてしまったのか見当たらなかったので、違う店に入ることにした。


「いらっしゃいませ。」


お店に入ると店員が出迎えてくれた。


「じゃあ、シュウ行ってくるわね。」


「おう、後でな。」


メイは女性物のスペースへと行ってしまった。

残った店員がこっそり聞いてきた。


「ご予算はお幾らでしょうか?」


「あー金なら気にしないで。メイの好きな物を好きなだけ買って良いから、後は宜しくね。」


「か、畏まりました! 精一杯対応させて頂きます!」


店員は大喜びでメイの後を追いかけて行った。

さて、俺も自分の服を選びますか。別の店員が居たので声を掛けることにした。


「すいません、これと同じ様な感じの服って有りますか?」


「はい。もちろん御座います。

 安い物から、少し金額が張るものも有りますが、どういたしましょうか?」


「そうだなぁ、とりあえず丈夫で動きやすいのもが良いかな。」


「では、こちらなんかがお勧めです。」


勧められた服は、見た目もより良くなっていて、肌触りも悪くなかった。


「これ幾ら?」


「こちらは当店でも自慢の品でして、銀貨10枚となっております。

 上下セットでしたら、銀貨17枚となります。」


「じゃあ、これ有るだけ頂戴。」


「はい? ぜ、全部ですか?」


「もしかしてこれ1着だけだった? なら別のでも…」


「い、いえ、有りますが、ご予算の方は大丈夫でしょうか?」


「大丈夫だ。問題ない。

 あと、下着も同じ数だけ貰えると助かる。」


「さようですか、今当店にはこれと同じものが20着ほどありますので、下着も合わせると、金貨3枚と銀貨50枚になります。」


「じゃあ、これで。」


俺は指輪からお金を取り出して支払った。


「ま、毎度ありがとうございます。どちらへ運べば宜しいでしょうか?」


「あ、いいよ、持って帰るから。」


「は、はぁ。では、ご用意させて頂きます。」


「そのままで良いよ。」


「はい?」


「そのまま持って来てくれれば良いから。」


「は、はぁ。」


店員は、何言ってんだコイツって顔をしていたが、言われたとおりに持って来てくれた。

俺はそれを指輪へとしまった。


「さ、さすがは大金を躊躇無く出せる冒険者様ですね。そのようなアイテムが有ったとは御見それいたしました。」


「まーな。」


「他には何か御用有りますでしょうか?」


「いや、後は連れの買い物だけだから、待たせてもらうよ。」


「わかりました。それでは何か御用が有れば店員へ声をお掛け下さい。」


そういって店員は離れて行った。

さて、メイはどのくらい時間が掛かるのかな?


・・・・・


「…遅いな。」


あれからずいぶんと時間が経ったが、メイが戻ってくることは無かった。


「ちょっと行ってみるか。」


待つことにも飽きたので、メイの様子を確認しに行くのだった。


「メイ、どんな感じだ?」


「きゃあ!! シュウのエッチ!!」


「わ、悪い!」


ちょうど着替えるところだったらしく、下着姿のメイがそこに居た。

俺は慌てて後ろを向いた。

だけど、俺の目にはしっかりとメイの下着姿が焼き付いていた。

今日の下着は薄いブルーの下着だった。

とっても似合っていて、やっぱりメイは可愛いと思った。


あれ? 着替えって普通個室みたいな所でやらないか?

なんで、お店の中で着替えてるんだ?

俺は後ろを向いたままでメイに聞いてみることにした。


「なぁ、なんでそんなところで着替えてたんだ?」


「最初は個室で着替えてたわよ、でも、他の客も居ないし、店員も女性だけだし、まあ良いかなって思って。」


「な、なるほど。」


どうやらメイは少しズボラな所が有るみたいだ。


「もう良いわよ。」


メイが言ってきたので振り向くと、そこには白いブラウスに黄色のフレアスカートを履いたメイが立っていた。


「どうかな?」


「うん、爽やかな感じがメイのイメージにピッタリだし、似合ってて可愛いぞ!」


まぁ、相変わらずダンジョンには向かない恰好では有るがな。


「そ、そう? と、当然にょ!」


あ、噛んだ…

俺がニンマリと笑うと、


「な、何よ! 別に良いじゃない!」


「ごめんごめん、メイがあまりにも可愛くてさ。」


「あぅ…」


メイは真っ赤に成って俯いた。


「それで、服は決まったのか?」


「あ、うん。結構多いんだけど、お金大丈夫?」


「何言ってるんだよ、俺がメイのことでケチケチする訳無いだろ?

 まぁ、限度は有るからその範囲内なら問題無いぞ。」


「ありがとう。」


「お客様、こちら全部をお買い上げで宜しいのでしょうか?」


「そうよ、幾ら?」


「えっと、沢山買って頂いたので、少しお勉強をさせて頂きまして、金貨7枚とさせていた来ますが、大丈夫でしょうか?」


「え? それだけで良いの? 必要ならもっと買っても良いぞ?」


「本当? なら同じもの2着ずつ頂くわ。 後、下着の色違いを10セットも追加で」


「か、かしこまりました。」


店員が慌てて服を用意している。


「こちらにご用意させて頂きましが、どちらへ配達すれば宜しいでしょうか?」


そこにはこんもりと服の山が有った、随分買ったんだな…


「いえ、持って帰りますので大丈夫です。それでお幾らですか?」


「え? あ、はい、お客様は今後もお付き合いをしていきたいと思いまして、下着の分はサービスとさせていただきます。

 なので、金貨14枚となります。」


「そう? じゃあこれで。」


俺は指輪から金貨14枚を取り出して支払った。

その間にメイはポイポイと指輪に服をしまっていた。

それを見た店員は口をあんぐりと開けてビックリしていた。


「これでお終いっと♪」


しまい終わったメイが嬉しそうに言うと、

流石はプロだ、すぐさま立ち直ったみたいだ。


「では、こちららが例の物になります。」


何やら袋に入った物をメイに渡していた。


「ありがと♪」


メイはそう言って指輪では無く、皮のポーチへとしまったみたいだ。

どうやら俺には知られたく無い、何かを買ったのかもしれないな。

追及するのも野暮ってもんだし、知らないふりをしておいた。


「またのご利用お待ちしております。」


買い物も済んだ俺達は服屋を後にした。


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