勝負?
地下1階に降り立った。
「ほら、さっさと行くわよ!」
メイに急かされ、探索を開始する。
すると、前からスケルトンが2体やってきた。
「何よ! 普通のスケルトンじゃない! 嘘つき!」
「嘘じゃ無いよ、普通のスケルトンも居るだけだって、その内会えるよ。」
「嘘だったらモグからね?」
モグって何をでしょうか? 怖くて聞けない俺が居る…
お願いします。次はスケルトンソルジャーを切実にお願いします!!
とりあえずスケルトンは俺が倒し、1つずつ魔石を頂いて探索を続けた。
「キター!!
ファイヤーボール! ファイヤーボール! ファイヤーボール!!!」
見つけたと同時にメイがあっさりと倒してしまった。
「私が倒したんだもん、食べて良いよね? ね?」
「…どうぞ。」
何故か逆らってはいけない気がしたので譲ることにした。
メイは物凄く良い笑顔で魔石を食べていた。
待てよ? 今の理屈からすると、下手をすると俺は一生魔石を食べられなくなってしまうのか!?
どう考えても遠距離攻撃が出来るメイの方が有利である。
これは俺も本気を出さないと駄目かもしれないな。明日から頑張るではなく、今でしょ!! の精神で頑張ることにした。
前方にスケルトンが3体、奴だ!
「見つけた! ファイヤー『でやあああぁぁ~~!!』」
パン! パン! パン!
「どうだ!!」
俺はメイにドヤ顔をする。
悔しがるメイの前で魔石を頂いた。
「旨い!」
「くっ…やってくれたわね!」
再びスケルトンが3体、今だ!
「ファイヤー…」
パン! パン! パン!
「ふふん♪」
「・・・・」
ウマウマ♪
さて次行きますか。
…居た!
「そこっ!」
メイが魔法名を唱えずに魔法を発動させた。
見事スケルトンソルジャーを撃破!
俺は残った2体のスケルトンへ攻撃した。
パン! パン!
「ど~よ。」
「無詠唱…いつの間に…」
メイは俺の目の前で美味しそうに食べるのを見せつけてくれた。
「くっそー」
次だ次!
…居た! 今度こそ!
メイが何も言わずに3つのファイヤーボールを飛ばし、撃破した。
「無詠唱の多重詠唱…だ…と…」
「ふふん♪」
メイのドヤ貌だ。
美味しそうに3つの魔石を食べている。俺の分は無かった…
それからは地獄だった、すべての魔石はメイの腹の中へと消えていく。
俺は全く倒すことが出来なくなってしまった。
こうなったら最終手段だ!
「メイ様! お願いが有ります!」
俺は土下座をして、必死にお願いをする。
「あら、シュウ君、どうしたのかしら?」
メイは悪役令嬢の如く、立ち振る舞っている。
「今までのご無礼を謝りますので、僕にも魔石を、是非とも魔石の御恵みを~!!」
俺は地面に頭を擦り付けて懇願した。
「どうしようかしらね。うふふふっ♪」
メイはとっても楽しそうだ。
「足を舐めろとおっしゃるなら舐めさせていただきます。なにとぞご慈悲を~!!」
「ま、まぁ、私も少し調子に乗っちゃったみたいだし、シュウも反省しているみたいだし、次からは交互にしようね♪」
「有りがたき幸せにてございます!」
「わ、私も色々とゴメンね。」
「いや、こっちこそごめんな。」
これで仲直りも出来たみたいだし終わりかな? と思ったら。
「はい。」
メイが皮のブーツを脱いで素足を出してきた。
「えっ?」
「舐めるんでしょ?」
「た、確かにさっきそう言ったけどさ…」
チラリとメイの顔を見ると、すっごく楽しそうだ。
ふと、頭の中に『我々にとってはご褒美だ』との言葉が浮かんできた。またかよ…
でも、メイの足だし、まあいっか。
俺はメイの足を触ると、ピクリと反応した。
普通、素足で皮のブーツなんか履いたら汗臭くなるものだが、俺達は人じゃないから代謝も無ければ汗をかかない。
だからかもしれないが、メイの足からは女の子特有の甘く良い匂いだけがしている。
ぺろっ!
「ひゃん!」
メイの口から可愛い声が聞えた。
そして、メイの足の味は悪くない、いや美味しい気がする。
ぺろぺろぺろ…
「きゃはははっ、くすぐったい! わ、私が悪かったから、もうやめてえええぇぇぇ~~~!!」
十分にメイの足を堪能した俺は、残念だが終わりにすることにした。
思いっきり笑ったメイは、肩で息をしていた。
「あーくすぐったかった。これやる人もそうだけど、やられる人もアレだよね。」
「俺は他の人のだったら嫌だからやらなかったと思うが、メイのだったから平気だったぞ?」
「あ、あぅ…」
メイは真っ赤に成って俯いてしまった。
何はともあれ、こうして俺とメイの喧嘩(?)は、幕を下ろしたのだった。
食べ物の恨みは恐ろしい。




