メイ無双
出てくるお仲間は全てメイが倒していた。
最初はブツブツ唱えていたのだが、今は魔法名しか言ってないみたいだ。
どうやら詠唱短縮のスキルでも手に入れたのだろう。
「ウォーターボール!!」
あ、また倒した…
「はい、これはシュウの分ね。」
「ありがとな。」
メイは交互に魔石を渡してくれるので、俺はただ食べるだけのオマケとなっていた。
「それにしても、メイって魔力切れとかって無いのか?」
かれこれ数百匹倒しているが、そんな気配は感じられなかった。
「んー良く分らないんだけど、平気みたいね。
もしかしたら自分の魔力なんて使ってないんじゃないのかな?
たまに有るじゃない? 周りの魔力を使って発動するとか言うやつも。」
「確かにそんな小説も読んだ気がするな…ん? 小説? またもや新たな言葉が出たな。」
「そう言えばそうね。何で知っているんだろう?」
「案外、俺とメイは同じ所に住んでいたのかもしれないな。」
「そうだったら良いな…(ぼそっ)」
「ん? 何か言ったか?」
「な、な、な、何でも無いわよ!」
「そ、そうか。」
「そうよ!」
「まあいいか。そろそろメイも魔法が使えるようになって強くなったことだし、下の階にでも行ってみるか?」
「下の階?」
「ああ、スケルトンソルジャーってのが居るんだが、旨いぞ?」
そう言えば最近食ってなかったな…じゅるり。
「そんなに美味しいんだ、だったら行ってみても良いかな。」
「よし行こう! 直ぐ行こう! 今すぐ行こう!」
そうと決まれば魔石祭りだ~!!
俺は気持ちが抑えきれなくなり、走り出した。
「うおおおおおぉぉぉぉ~~~!!」
「ちょ、ちょっと~、置いてかないでよ~!!」
・・・・
ドカッ!
後頭部に衝撃が有り、俺は意識を取り戻した。
痛くは無かったけどな。
「あれ?」
「やっと止まった!」
メイがぷんすかと怒っている。
どうやら突っ走ってしまっていたみたいだ。
「わ、悪い。」
「追いかけるの大変だったんだからね!
それにしても、魔法を当てたのに平気って何かショック…」
そんなこと言われてもなぁ…
「痛たたたたたっ!」
俺は頭を押さえて痛がってみた。
「それはそれで何かムカつく!!」
どうやら駄目だったらしい…
周りを見ると、ボス部屋の扉の前まで来ていたみたいだ。
「お、ボス部屋じゃん。」
「ボス部屋?」
「ああ、ここに1階では唯一、スケルトンソルジャーが居るぞ。」
「本当?」
「すでに倒されていなければな。」
「やった♪ ほらシュウ、行くよ!」
「へいへい。」
俺達はボス部屋の扉を開けて中に入るのだった。
やっぱり魔石ジャンキー




